「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「映画館は、グルメサイト?」

 清八でございます。

 節分には、「恵方巻」を食べられましたか?三年前の「ちりとてちん」で余計な事を書かせていただきました。今年もコンビニでもスーパーでも、デパ地下でも「節分の日に恵方を向いて太巻きを食べると、その年は無病息災?」というコピーが書かれていましたが、いつの間にか「関西では…」の地域限定であったことが外されていましたね。実は、昭和30年代に海苔業界が海苔の需要拡大の為に考え付かれた販売促進であったそうです。(節分の日は、海苔の日なのです)バレンタインデーのチョコレート、ホワイトデーのクッキーのようなものです。ただし、当時は太巻きの中のキュウリを「青鬼」、人参や生姜を「赤鬼」に見立てて、当時のフードコーディネーターさんが創られたそうです。今年の「恵方巻き」には、明太子入りだのサーモン入りだの海老・蟹入り、玉子焼きだけとかありまして、太巻きやったら何でもいいようになっておりましたね。ところで、2月14日が旧暦の1月1日にあたるんやそうでして、一般的に年が明けますと三が日に初詣に行きますが、旧暦では11月17日で新年になっていなかったんですね。余計なお世話ですが、神さんの一年は節分から一年間と覚えておけば間違いは無いと言われております。もう一つ、余計な情報ですが、ご祈祷代・お賽銭の額です。1千万だろうが年末ジャンボの当たり券であっても、お願い事の有効期間は一年間と決められておりまして、しかも必ず翌年にはお礼に行かないと、運が変わってしまうのだそうです。ご就職、ご入学が目出度く成立された方は、必ず、お礼に行って下さい。(決して、神社の宣伝ではございません)

写真①
 さて、6日に浜松市のシネマ・イーラさんで「ファイティング・シェフ~美食オリンピックへの道」(写真①)を観てきました。16時からの上映でしたが観客はうちの奥様も含めて5人でした。この映画は、2007年1月に開催された第10回ボキューズ・ドール国際料理コンクールにスペイン代表として出場したヘスース・アルマグロ氏と彼の同僚、スタッフたちが、どのように準備し、試作を繰り返し、本選に臨んだのか。そして、本選での一日目と二日目を記録したドキュメント映画でした。スペイン側の製作であるため、優勝常連国のフランス、デンマーク、スイス、日本ブースの場面は控えられ、スペインブースがメインとなっています。また、手持ちカメラでの撮影が多いためか画面が動いたり、企業秘密ともいわれるレシピが盗まれないよう手順通りに撮影されていないため、わかりにくい編集内容でしたが、きっとプロのシェフや板前さんが観られたら、宝石箱のような内容なのだと理解できました。このサイトのご常連さんには余計な情報だと存じますが、この料理コンクールは、三ツ星を40年間以上維持されているポール・ボキューズ氏が1987年に設立、2年に一度、フランス・リヨンで開催されています。毎回違った肉と魚が食材として与えられ、肉と魚のプレートをそれぞれ一つ、更に三品の付け合せを5時間半の制限時間内に完成させるというルールで、世界各地で予選・選考を行い、本選は24ケ国で、二日間で12ケ国ずつ競われます。(写真②
写真②

 この年のテーマ食材は、フランス・ブレス産の鶏肉、ノルウェー産のオヒョウとタラバガニでした。料理レシピ、料理手順をくわしく描かない代わりか、これらの食材を育て、品質を管理し世界中に供給している生産者たちのレポートに時間を要しており、どの国の評判シェフが出場しても食材にクレームはつけられない課題食材であることが画面から伺えました。オヒョウの養殖場は、画像としても初めてでしたが、すばらしい管理でした。日本では、かつて「料理の鉄人」という番組があり、いまでもグルメ番組が毎週のように放送されています。私の偏見かも知れませんが、課題食材がその料理人に合わないと、和洋中のジャンルに関係なく、フォアグラ・キャビア・トリュフの三大食材を多用してしまい、その週のテーマから大きく外れていたことが多々ありましたね。この本選会へ出場されるシェフの方々は、絶対にそんな事はしないであろうことが頭に浮かびました。シネマ・イーラさんでは12日までの上映です。ぜひ、食材・料理にご興味のある方は、観にいってください。特に、調理師学校の生徒さんには学内で上映してあげるべきだと思います。肉でも魚でも野菜でも食材を皿に盛るまでの行為がよくわかります。

 私の好きな料理人のお一人、京都の吉田屋料理店の吉田裕子さんのホームペーシ内の「吉田屋通信」のバックナンバー2007年7月号に「修行時代の宝物」というエッセイが残っています。転載の許可をいただいていないので、その内容はここでは書けません。URLを書いておきますので、どうか覗いてみて下さい。後半に、フランス料理での化学反応は和食では山盛り起きていたが特別に考えていなかったという内容です。ここまでしか書けないので、本当に覗いてみて下さい。今回の映画を観ながら、和食の懐石料理や肉や魚食材の扱い方と改めて感心してしまい、当時、吉田さんの文章に唸ってしまったことを思い出したものですから。この映画のホームページが当分は残されていると思いますので、上位入賞国のプレート画像もぜひ見てください。地元の利でも何でもなく、フランスチームがなぜ優勝したのか、一品の画像からでも理解できる内容です。

吉田屋料理店 http://www.kyoto-yoshidaya.jp/
ファイティング・シェフ http://bishoku-movie.com/

 それにしても、「アンティーク・西洋骨董洋菓子店」「キッチン・3人のレシピ」「食堂かたつむり」「つむじ風食堂の夜」、まさに「映画館は、グルメサイト」状態です。

2010.2.8


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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