「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「ガールズパワーから人生フルーツの話になりました」

 清八でございます。ごぶさたでございます。浜松市、遠州地方は大河ドラマの「井伊直虎」効果に期待を寄せているそうでございますね。先日の新聞報道によりますと、浜松まつり会館に飾ってある、浜松市の職員さんが制作された、井伊家の旗印の井桁をあしらった「直虎凧」に、京都からの観光客のおばちゃんが「直虎の時代から、こんな大きな凧をあげてきたなんて…」と驚かれていたそうです。会館の職員さんが、どのようなフォローされたんか存じまへんが、観光協会、組織本部、職員さん、気ぃ悪うされたら、ゴメンなんですが、直虎の時代には、大凧は揚げてへんちゃいますか?ところで、このドラマ内の次郎法師さんも、主演の柴咲コウさんのCMでも「女子力」という表現が使われていることにお気づきでしょうか。この「女子力」これまで英語表現としては無かったんやそうです。英語にご堪能な方は、おわかりだと思いますが、「Girl’s Power」とは言いませんよね。「femininity」もピンときませんよね。実は、男女平等社会に日本よりも早く到達した英語圏の欧米には、「女子だから、何、何…」という観念が薄く、女子だから「料理に堪能になれ」「美容に気を使え」「女子としての教養を高めろ」という男性社会からの指示はできませんよね。日本だって、採用面接の時に、「女子力を高めるために、何かされていますか?」と質問したらブラック会社になりませんか。
 さて4月14日、田町のシネマイーラさんで「人生フルーツ」(画像①)を観てきました。昨年、東海テレビがドキュメント番組として制作放送、視聴者から再放送に次ぐ再放送のリクエストが続き、映画化したという作品です。東海テレビさんは、この年の「第42回放送文化基金賞」エンタメ部門最優秀賞を受賞されています。内容は、名古屋のベットタウン、高蔵寺ニュータウンに90歳の津端修一さんと奥様の英子さんが生活されていました。修一さんは建築家です。1960年の伊勢湾台風の被害後、高台移転として高蔵寺が選ばれ、当時、日本住宅公団のエースだった修一さんが、その設計を任されます。雑木林を風の通り道にして、元の土地の記憶を残す理想を図面にしたのです。しかしながら、コストと団地の大量生産化の時代、詰め込み型の集合住宅に変更され、山や森、林も殆ど無くなってしまいました。このご夫婦は、それまでの仕事から距離を置き、ニュータウンの一画の土地を購入、30畳一間の丸太小屋を建て、畑を耕し、林をつくり、森にまで成長させたのです。何と50年間かけてです。畑や林、森でできた食材を奥様が料理し、保存食にして、娘さん、孫娘さんまで育ててきたそうです。なるべく市販の食材を使わなくても食べられるように工夫されて…。電子レンジは使わず、オーブンも40年間使用、鉄鍋、鉄のフライパン、梅干しは自家製、ジャムも自家製、修一さんは肉や魚の燻製係りでした。まさに、お二人の口癖「年を重ねるごとに美しくなる人生にしたい」を日々、実践された生活をそのまま撮影している映画です。修一さんは90歳で、畑仕事の後、昼寝していて、そのまま天国に逝かれるのですが、その前に、伊万里の「こころを病む人のための病院」から依頼を受けて病院の設計を引き受け、完成させていたのです。それも、ほんの数日で。しかも、人の役に立てるなら謝礼、お礼等は受け取らない。私の最期の仕事として、全面的に協力させていただくと病院側に伝えてあったそうです。奥様の英子さんは修一さんが亡くなってから、「お父さんが何でも管理してくれて、指示してくれたから、一人になって、どうしていいか、わからない…」と嘆くシーンがありましたが、修一さんとご家族の体を気遣い、日々の食事を考えて、娘に、孫に伝えている英子さんは、修一さんが「英子さんは、私の最高のガールフレンドです…」と照れずに言っていましたが、「最高の女子力」の持ち主だと思いました。
お叱りを受ける覚悟で書かせていただきますが、あの政府のA家の私人の「女子力」とは雲泥の差ではないかと、思いまんのやが…。
 今回、英子さんの料理紹介はできませんので、樹木希林さんのナレーションからの抜粋を書きます。「風が吹けば、枯葉が落ちる 枯葉が落ちれば、土地が肥える土地が肥えれば、果実が実る こつこつ ゆっくり 人生フルーツ」
 シネマイーラで、4月28日まで上映中です。このフルーツを是非、味わって下さい。

画像①

シネマイーラ http://www.cinemae-ra.jp/


2017.4.15 清八


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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