「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「B-1グランプリから食材偽造の話になりました」

 清八でございます。たいへんごぶさたでござりました。
今回は、文体を変えまして、「甚兵衛はんと清やんの会話」バージョンです。

「こんにちは、甚兵衛はん」
「おぉ、こら久しぶりやな、清やん。どこぞへ行ってたんかいな」
「さぁ、それでんねん。11月の9日と10日、豊川市でB-1グランプリっちゅうのをやってましたやろ」
「あぁ、テレビで観たけど、えらい人出やったそうやな」
「9日が32万3千人、10日が25万8千人やったそうですわ」(画像①)
「豊川いうたら、18万人の人口やで。すごいことになってたんやろな」
「そうでんねん。わたい、友達と四人連れで9日に行きましたけど、豊橋の駅で飯田線に乗り換えるのに30分、豊川駅から一番近い駐車場まで歩いて5分位の場所やのに15分かかって、会場に入ったら、もう、ぎっしりですわ」
「そら、にぎやかなこっちゃな。それで、何を食べてきたんや」
「さぁ、それでんねん。それぞれの屋台の前にね、プラカード持って、ねぇねぇが立ってて、そのボードを見たら、70分待ちとか60分待ちと書いてあったんです」
「うわぁ、えらい待ちやな。それで、待ってたんかいな。」
「そら、待ちますがな。そやけど携帯やスマホを持ってると便利ですな。35分待ちとか25分待ちの列にそれぞれ並んでいただいて、集合場所を決めて集まりましたな」
「ほぉ、そら賢いやり方やな」
「それにね、お茶も水もボトルに用意して、座る所の心配までして、シートも持っていきましたんや」
「それで、何を食べたんや」
「へぇ、先ず最初のんが、南魚沼きりざい丼、次に、駒ヶ根ソースカツ丼、そして、長崎は大村のあま辛黒カレーの三つ(②)ででしたな」
「珍しいものばっかりやな、味は、どやった」
「へぇ、きりざい丼いうのんは、戦国時代にお侍が兵糧として持ち歩いた食材の端材を刻んでお惣菜代わりにご飯の上にのせていた、きりざい、を新潟県の六日町温泉の各宿で朝食として出したら、大好評、という訳で今では、野沢菜・ゴマ・鮭・たくわん・納豆の五品を使うというルールになった丼なんやそうです。なかなか、さっぱりして美味しかったですわ」(画像③)
「そうか、ソースカツ丼は?」
「これは、駒ヶ根のサービスエリアで食べた事おまっしゃろ」
「あぁ、わかった。ほな、大村のあま辛黒カレーいうのんは?」(画像④)
「へぇ、これが思いがけず美味でして」
「ほぅ」
「天草の辛いカレーという意味なんですが、ルーが黒いんです」
「そら、イカ墨やろ」
「わたいもそう思たんですが、海苔と醤油と食用着色なんやそうでして、イカ墨のにおいが無かったんです。大村市では、天正随欧少年少女使節団がインドを経て帰国した際、スパイスを持ち帰ったことにより日本のカレーの発祥の地、言うてますけど、こら全国から異論が出まっしゃろな」
「他の会場は、どうやった」
「へぇ、シャトルバスで野球場会場へ行きましたが、このバスが30分待ちでして、着いたら、また、60分待ちやら50分待ちでした」
「ははぁ、どこも混んでたんやな」
「この会場では、本荘ハムフライと勝浦タンタンメン、行田ゼリーフライを食べることができました」
「こら、また珍しいもんばっかりやがな。本荘ちゅうたら、秋田やないか」
「そうでんねん。プレスハム(豚肉100%)をね、揚げたもんですが、学校給食の気分でしたな」(画像⑤⑥)
「勝浦タンタンメンは、有名やな」(画像⑦)
「千葉県勝浦市内では、勝浦系タンタンメン言うらしいですが、小気味良い辛さでしたな」
「そのはずや。今、朝ラーメンが流行っているやろ。元々、じぇじぇじぇの海女さんや漁師さんたちが朝を漁を終えてから、体が温まるいうて流行り出しそうな」
「甚兵衛はん、よう知ってはりますな。最後のゼリーフライは、わかりまへんやろ」(画像⑧)
「こら、わからん。何やねん、それ」
「埼玉県行田市では、ゼリーフライ言うてますけど、大阪では、銭フライいうのがおましたやろ」「あぁ、銭フライ。覚えてるで。おからの入ったコロッケやろ」「そうそう、その銭フライがゼリーフライと洒落てまんねや」「しかし、あの人込みで、よう六品に食べれたものやなぁ。テレビのニュースでは、浪江焼き蕎麦がグランプリと言うてたけど、おまはんはどうや」
「浪江を食べてないんで、何とも言えまへんけど、大村のあま辛黒カレー、レトルトで売ってたら買いたいでんな」
「翌日は、あいにくの雨やったけど、二日間で58万人の集客いうのは、すごいことやないか」
「わたいね、一年前に豊川市での開催を聞いた時、心配しましたな。ホンマにできるやろかと」
「わしもそうやで。聞いた話やけど、開催が決まった時に、市長さんとか商工会議所の会頭はんとか、JCの会長が東三河の市町村に協力を要請して一体のイベントにすることを決めてな、準備されたそうやな」
「なるほど。それでなかったら、成功しまへんでしたな」
「人口18万の地方都市で、経済効果30億円とも300億円とも言われてたけど、集客のノウハウと「お・も・て・な・し」を実体験できたことが、これからの街づくりに役立つんやろうな」
「甚兵衛はん、あんた、議員に立候補するようでんな」
「そんな、あほなこと言いないな」

画像①
画像②
画像③
画像④
画像⑤
画像⑥
画像⑦
画像⑧

「ところで、甚兵衛はん」
「なんや」
「この間まで、わぁわぁ言うてた、食材偽装。あれ、もう終いだっか」
「いや、消費者庁が監視強化する言うてたんと違うか」
「それは、そうですけどね。偽装したお店や会社は、料金返したら、それで終いでっか。それが贖罪になりまんのか」
「贖罪って、えらい難しい言葉、知ってるやないか」
「へぇ、この間、本果寺寄席の落語で聞きました」
「へぇ、落語ゆうたら、しょうもない事ばっかり言うてると思ってたけど。 たまにはええ事言うのやな」
「週刊誌の記事で読んだんですけど、大阪では一回しかオムライス食べてないのに、50回も食べた言うて、請求したおばはんがいてたそうですな」
「うむ、いかにも大阪人やな」
「京都で聞いた話なんですが、京都人は、全額返してくれとは言いまへんよってに、食材の差額を返しなはれ、言うてるそうでんな」
「それも、京都人やな」
「わたい、考えたんですけどね、今さら、メニュー表示の食材を揃えてくれなくてもええんで。料金だけ下げてもらえまへんかね。コース25000円を12500円にしてくれるとか」
「おぉ、そら、ええ考えやないか。どうせ、商社や問屋、フードディレクター、フードプロデューサーはんたちが次の偽装食材を研究開発してんのやからな」
「今回、食品偽装には入ってまへんけど、飲み放題の居酒屋で出てくる「生ビール」ね。あれ、偽装ちゃいまんの」
「何のこっちゃ」
「あの、ピッチャーやグラスで持ってくるのがおますやろ。あれ、ビールちゃいまんねんで。業務用の発泡酒でんねや」
「そうか」
「わたいね、おかしい思いましたんで、飲み放題とは別に払うから瓶ビール持って来て、言うたことおまんねん」
「ほぅ」
「ほたらね、お客さん、すんません。うち、ビール置いてまへんねん」
「ええっ、そやけど、生あります、書いてあるがな」
「お客さん、どこにビールって書いてまんねん、生としか書いておまへん言うて注意されましてん」


大村あま辛Sカレー http://nagasaki-gourmet.com/omuraamakara.html
南魚沼きりざい  http://www.kirizaidon.com/

2013.11.25


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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