「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「ディープなソウル、その4」

 清八でございます。

 1月2日、ソウル・北岳山の「三清閣(サムチョンガッ)」という国賓のための高級料亭(写真①)でマッコリを飲みながら、宮廷料理をいただいたのですが、今回はそのレポートです。1972年、政府高官の晩餐の場として作られ秘密の場所として使われてきた迎賓館なのですが、2001年から一般に開放され、2005年8月から伝統文化施設として茶道体験、裁縫体験、韓紙工芸体験などのスペースとして使われてきました。昨年からはパラダイス釜山ホテルチームによるレストラン「異宮(イグン)」で最高級の鑑定食を食べさせていただけるようになったんだそうです。もともと限定された方々が利用された場所のため、アクセスが悪く、タクシーか専用シャトルバスでないと行けないようです

 先ず、この「マッコリ」(写真②)です。お味見用にグラス一杯のマッコリを頼んだところ、このサイズしかご用意できません、とのご返事に、残してもいいからと頼んでしまったのです。ところが、アルコール度数が弱めなので二人で全部飲んでしまいました。「蝦餃子と緑豆ゼリーのスープ」(写真③)、「竹の子の熟柿ソース和え」(写真④)、「生牡蠣」(写真⑤)、「季節のチヂミ」(写真⑥)、「牛肉の冷菜」(写真⑦)、「宮廷チャプチェ(韓国風春雨)」(写真⑧)、「帆立貝柱焼き」(写真⑨)、「豚肉のボッサム」(写真⑩)、「アワビとワカメのスープとご飯」(写真⑪)、「デザート」(写真⑫)のコース料理なんです。今回も滞在中に、いわゆる焼肉・鉄板焼きは食べませんでした。昨年も食べませんでした。あまり好きではないという理由が大なのですが、テレビで「チャングム」の厨房場面を見たり、チャングムのテーマパーク内で、当時の宮廷料理を見学しているうちに、「焼肉」は「韓国料理」ではないのだと思うようになりました。興味心からいろいろと調べてみると、小麦・蕎麦・高粱・トウモロコシなどの穀物を主食として、栽培された野菜、ワラビ・ゼンマイ・キキョウなどの山菜、海藻、魚介類を副食とした「飯床(パンサン)」が伝統的な料理で、日本の「本膳」と共通点が多いことがわかりました。儒教の国であるため、陰陽五行の思想にのっとり、五味(甘・辛・酸・苦・塩)、五色(赤・緑・黄・白・黒)、五法(焼く・煮る・蒸す・炒める・生)をバランスよく献立に取り入れているので非常にカラフルに見えるのだそうです。日本国内でも和食の伝統料理が理解されなかったり、好まれなかったりしているようですが、四季折々の食材を調理法を変えて誰でも食べられるように完成させてくれた先人の智恵に感謝したいものです。

写真①
写真②
写真③

写真④
写真⑤
写真⑥

写真⑦
写真⑧

写真⑨


写真⑩
写真⑪
写真⑫

 さて、儒教の影響で、韓国には飲食時のこんなマナーがあるのですが、ご存知でしたか。

  目下の者が飲酒する場合は顔を背ける、女性は酌をしてはならない、このルールはポピュラーですが、食事中の喫煙は非常に厳しく、たとえ街角の屋台であっても周囲に断り無く吸ってはならない、とされてきました。今の日本に輸入したいマナーの一つではないでしょうか。

 ゴールデンウィークに韓国へ行かれる方の参考になれば、幸いです。

2008.4.11


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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