「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「三方よしから、家業の話になりました」

 清八でございます。ごぶさたしました。
 全国で7月の気温になった5月31日と6月1日、京都におりました。久しぶりに吉田屋料理店さんに行けたのです。交通費を安くするために、在来線利用にしました。

画像①

新居町駅出発、豊橋で乗り換え米原下車、能登川駅で途中下車しました。滋賀県の東近江に五個荘(ごかしょう)という街があります。近江商人のルーツが残されていて、映画やテレビドラマのロケ地でも有名な土地です。あの「ごちそうさん」でも撮影されたとのことでした。この街の観光会館(画像①)に、「三方よしの街へようこそ」とありました。

画像②

1954年に現在の東近江市五個荘石馬町の中村治兵衛が書き残した家訓で「他国へ行商するも総て我事のみと思わず、其の国一切の人を大切にして、私利を貪ること勿れ…」がよりわかりやすい言葉になったのが、「売り手よし、買い手よし、世間よし」この「三方よし」が近江商人の社会的責任(今の言葉では、コンプライアンス言いますな)の理念となっていったんやそうです。何しろ、伊藤忠や丸紅の祖である伊藤忠兵衛、朝鮮半島や中国大陸に20店舗を展開した「三中井」百貨店王、中江勝治郎など、現在の大手商社、百貨店、紡績会社等々、日本の近代化に活躍された人物が生まれた街だったのです。そのため、当時の江商の館(画像②)が残されており、まだまだ観光地化されていない当時の文化を肌で感じることができました。この街に11時から14時まで滞在していたのですが、すでに33度を超えておりました。

 食堂では名物のキツネうどんを勧められたのですが、冷やしキツネうどん定食(画像③)にしました。温かいキツネは一枚なのですが、冷やしはきざみなんですね。甘く煮た油揚げは、かやくごはんによくあって美味しかったですね。関東の方は、うどん定食をお認めになられませんが、私は大丈夫です。お好み焼き定食も、焼うどん定食も好きですね。

画像③

 さて、炎天下に京都へ移動して、烏丸御池の新風館へ向かいました。元の京都中央郵便局(画像④)が商業施設になっていました。

画像④

 31日と1日は、京都市内のスペイン料理店19軒を集めてのスペイン料理祭り(画像⑤)が開催されていたのです。ここでは3種類のドリンクと3種類の肴(画像⑥)を味わいながら市内のフラメンコ同好会のきれいどころを観て、1時間程、滞在しました。

画像⑤
画像⑥

 ホテルにチェックイン後、夜は、予約してありました吉田屋料理店さんへ向かいました。このお店は、8年前に主婦と生活社から出版された「京都・吉田屋料理店」のレシピと料理の画像からのイメ ージに興味と好感を抱き、一見でしたが予約したのが初回で、今回が三回目でした。落語好きな方はご存じだと思いますが、昔、遊郭で初めて花魁と過ごすのを「初回」、二度目に行くと「裏を返す」、三度目となると「馴染みになる」と言いまして、客商売のお店では、今でも使われていると思います。

 ワインの肴として登場するのが、京料理をベースにフレンチ、イタリアン、スペイン、アジア、中近東と京都市内に多い多国籍料理です。大満足の一夜でした。当夜は、中庭に面したお席でしたので(画像⑦)、やはり、蚊取り線香がありました。

画像⑦

 生ビールと赤ワインを頼み、定番から三皿、「アンチョビとオリーブのピザ」(画像⑧)「高菜と干し大根の卵焼き」(画像⑨)「豚ばら肉の塩漬けソテー」(画像⑩)、本日のおすすめから二皿「シュガートマトとオレンジのサラダ」(画像⑪)「もずくのチヂミ」(画像⑫)を注文しました。
画像⑧
画像⑨
画像⑩
画像⑪
画像⑫

画像⑬

 翌日は、35度の予報でしたので、建物内を廻りました。三条通りの大西清右衛門美術館へ開館の10時を待って入館、「千家伝来の茶の湯釜」を拝見致しました。画像⑬はお茶室です。
  この三条には、永楽屋 細辻伊兵衛商店の本店があることを思い出し立ち寄りました。あの大正時代の手拭いで、舞妓はんがスキーしたりテニスしたり、ブランコに乗ったりしてる図柄で有名です。二階のギャラリーでは、まだ復刻されていない当時の手拭いが展示されていて、楽しかったです。

画像⑭

さて、ランチですが、今回は京都グルメ情報が役に立ちました。四条の外れに素晴らしい四川料理の店を見つけたのです。河原町通高辻下ル清水町の「アルバーチョチャイナ」(画像⑭)です。

画像⑮
画像⑯

カウンター8席、テーブル8席という小さな店舗で、お若いご夫婦がてきぱきと動かれていました。ランチの種類は6種類、メインの一皿に、ライス、スープ、これに点心を追加した点心ランチを勧められましたので、メインを麻婆豆腐(画像⑮)と上海焼きそばにしました。先ず、出されたのが小皿が30皿(画像⑯)でした。何かと思ったら、お好きなだけどうぞ、とのこと。何の躊躇もしないで、全6種類を食べてしまいました。帰宅してからネット検索してみたら、今、京都でもっとも注目されている隠れ家的中華店と紹介されていました。この麻婆豆腐は、このお店の代表的な一品だと知りました。朝天唐辛子や花山椒と粒山椒の辛さは絶品でした。また豚肉はミンチではなく、大きめにカットされた肩ロースなので、ワインよりも紹興酒の肴向きではないでしょうか。シェフは「ホテルニューオータニ大阪」や香川県の「麻布長江」などの名店で修業され、6年前に河原町駅近くに出店、もっと大きなスペースでオーナーシェフになったけれど、対面商売がしたくて、現在の形にされたそうです。雰囲気もいいし、ご自身が理想・目標とした中華料理店を目指されていることに奥様共々敬意を払います。夜のメニューには、「唐揚げレンコン蒙古香味塩」とか「豚三枚肉の土鍋煮・東坡肉」「台湾屋台の豆乳スープ鹹豆漿」「トマトとブラックペッパーの酸辣」「上海カニみそカルボナーラ」などなど、もうよだれが止まらないような一品があるそうなので、伺いたいと切に思ってしまいました。

 さて、「家業」という今では死後になってしまった言葉があります。街の喫茶店や食堂、洋品店、居酒屋さんなど家族経営が多かったですからね。しかもそこに住んで暮らしてはりましたな。それが、今では、郊外に自宅があって、オーナーシェフだけが通勤して店開けて、パートやアルバイト使うて、儲からん、儲からん言うてぼやいて、奥さんも息子さんも娘さんも、他の仕事してますわな。どう思いはります。豊橋市内や東三河地区では、ご夫婦二人が始められる飲食店が増えているような気がしてます。また、「家業」に戻ることもシャッター街を活性化させる一つの手段では、と考えます。わかりやすい例を書きますと、トイレや水回り・玄関周辺・厨房内の掃除、花活け、室礼でのおもてなし、などパートやアルバイトにさせますか、させてますか?「三方よし」の心遣いって、参考にできるのではないでしょうか。

画像⑰

ランチの後は、腹ごなしにと建仁寺へ向かい、「風神雷神図屏風」「双龍図」「雲龍図」そしてお庭を鑑賞させていただきました。やはり外は35度と京都の暑さなので、祇園の何必館・京都現代美術館に飛び込み、「北大路魯山人展」をゆっくりと観てまわりました。さすがに帰りは新幹線にしましたけど、伊勢丹のデパ地下に、京丹後市網野町の「とり松」の「ばらずし」(画像⑰)が出展しておりましたので、買うて帰りました。私は、本当は生の握りより「祭り寿司」とか「ちらし寿司」そして「ばらずし」の方が好きなんです。鯖のおぼろ・椎茸・干ぴょう・錦糸玉子・かまぼこ・青豆・生姜…寿司飯におうて、甘いほっこりとした感触が大好きなのですよ。

画像⑱

小話のつもりで書き出したのですが、長講になってしまって、ごめんなさい。この半年間、少しペースが落ちてきていたので二回分だと思って下さい。ここまで、付き合っていただいたお礼に、特別な情報を提供しますね。今回、大好きな吉田屋料理店さんの紹介のためにネット検索していましたら、ヒットしました。昨年5月に岡山県新庄村(画像⑱)で講演された内容がありました。タイトルは、「プロの仕事 吉田屋料理店のこれまでとこれから」です。どうして料理屋を始めたのか、なぜ「吉田屋」なのか。「好きについての男と女の差」そして50代の自分などなど、これはすごく貴重です。内容が濃いです。本当に京都人の「いいとこどり」の方だとわかります。今年、見つけた最大の宝物です。URLを書いておきますので、是非、読んでみて下さい。こちらもかなりの長講です。
 もう一つ、紹介しておきます。この講演を依頼された岡山県新庄村のHPに入りました。人口千人で65歳以上が400人の村ですが、「村ゼミ」を開催しています。合併しない選択をされ地域として永続させていくために厚生労働省の助成を受け「暮らしを成り立たせるために働く場をつくる」課題に取り組まれています。 その活動の一つが「村ゼミ」で、各分野の専門家や文化人を定期的に呼んで、仕事に生かせる知識や知恵を学ぶ機会を設けているのだそうです。これまでの講演・セミナー・ワークショップ等の内容は、詳しく残されているので、ここでは書きませんが、これもURLを書いておきます。是非、読んでみて下さい。人口80万人の浜松の方には、本当に目を通していただきたいです。講師の発言内容、活性化への提言、仕事に生かせる知識などなど、これは本当に貴重な財産になると信じます。

五個荘 http://www.higashiomi.net/gokasho/
新風館 http://shinpuhkan.jp/
吉田屋料理店 http://www.kyoto-yoshidaya.jp/
新庄村村ゼミ http://www.shinjo-murazemi.net/report/
アルバーチョチャイナ http://www.albacio-china.com/


2014.6.19


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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