「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「アジアで初めての、ベルギー・カフェに行ってきました」

 清八でございます。

 2月19〜20日と大阪に行ってきました。

 土曜日は天気が悪かったので、食べ歩きと街角ウォッチングの日にしました。すっかり様変わりしてしまった道頓堀界隈にびっくりしながら、「今井」本店で「きつねうどん」と「親子丼」をいただきました。この「今井」さんの両側には、かつて中座・松竹座・角座・文楽座と芝居小屋・劇場が並び、連日、幟や絵看板が掲げられ、役者さんや芸人さんたちの姿を見ることができました。今では、雑居ビルのラッシュで、飲食店と風俗店の乱立状態となってしまい、新宿と同様になっております。午後は地下鉄で淀屋橋へ移動、船場界隈の街角ウォッチングとしました。東京丸の内と同様に大阪の船場はオフィスビルに代わってしまった為、土・日は休みという街になっていました。それが、大阪証券ビルのリニューアルを契機にレストランからカフェまで続々と登場、夜や休日に出かける場所に様変わりしてきたとの事でした。今回の目的の一つはベルギーのビール会社が世界展開しているベルギー・カフェのアジア第1号店で日本初登場のベルギー生ビールを飲むことでした。淀屋橋駅から徒歩5分のところにある住友ビル2号館に一昨年末にオープンした「ベルジアンビアカフェ・バレル」なのです。常に4種類の生ビールを含めたベルギービール30種類が用意されていました。その生ビールのうち「Leffe Blond」と「Stella Artois」は日本で初めてです。本当に久しぶりにいただいて、ベルギー本国でのビール・カフェでの味わいを思い出させてくれました。料理はムール貝のワイン蒸しが3種類、フレンチフライ、チーズコロッケ、牛肉のビール煮込みなど伝統的なベルギー料理のみ。ベルギーから運んだテーブル、椅子、タイルなど、まさに本国のビール・カフェそのものでした。日曜日休みで土曜日も17時から20時までの営業なのですが、平日は何と27時までの営業時間なので大阪市内の料理人がご自身のお店を終えられてから駆けつけているとの事でした。日本初の店舗が好評なので、今年の10月には東京店をオープンさせる予定との事です。

 さて、この淀屋橋の御堂筋側には高麗橋の「吉兆」本店、京都「つる家」の本店、行列ができる昆布屋「神宗」、シェワダ高麗橋本店など、新旧の名店がその建物の存在感と共に立ち並んでいました。それぞれの店内には入れませんでしたが、玄関を拝見できただけでその格式と品の良さが理解できました。ベルギービールの後は、「美々卯」の天麩羅とお蕎麦にしました。名古屋へ出かけると、駅周辺の「美々卯」で「うどんすき」をいただくのが楽しみになっているのですが、この時はさすがにお腹いっぱいでした。私は、このお店のうどんのお出汁が大好きでして、独断と偏見ですが、関西系の好き嫌いを別にして、このお出汁が理解できない料理人は嫌いです。以前、この「ちりとてちん」に書かせていただいたのですが、京都の祇園に「萬樹」という、こだわりのうどん屋さんがあって、醤油を極限まで使用せず、ダシを追及されていました。ところが、関東圏からのガイドブック客がクレームをつけたり、関東系のグルメ雑誌で酷評したりしているうちに、体調を崩されお店を閉められたとの事でした。祇園の舞妓さんたちも残念がっていたそうです。映画・演劇・音楽・古典芸能の評論家と同様なのですが、料理の評論で生活されている方々は、自身の好き嫌いではなく、希望と夢を持って多くの先輩から「伝えられる」技を身に付けようとしている発展途上者に個人的な嗜好を押し付けないでいただきたいと思うのです。たいへん失礼な表現になりましたが、「伝える」と「教える」とは違うということをご理解願いたいのです。

2005.2.28


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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