「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「アイアンシェフから映画の話になりました」

 清八でございます。
たいへん遅くなりました。前回、書かせていただきましたが、旧暦での1月1日は、2月10日でしたので、恵方巻きを食べられてから、今年の運勢に替わるのでございます。新暦の1月、2月に嫌なことがあった方、これからに期待して下さい。

画像①

 昨年10月に13年ぶりに復活した「アイアンシェフ」(画像①)、この3月で打切りが決定したそうですね。週刊誌やネット上では様々な理由が飛び交っているようですが、その割には、居酒屋談義にもなっていなかったようで、視聴率が低かったといってしまえばそれまでなのですが、独断と偏見の個人的な感想としては、緊張感の低下ではなかったのかと結論づけます。対戦相手との緊張感、食材との緊張感、審査員間の緊張感、審査員が料理人に対する緊張感、プロデューサーやフードコーディネーターたちの料理人や視聴者に対する緊張感、すべての低下が主因ではなかったのでしょうか。

 さて、3月2日、浜松市田町のシネマイーラで「シェフ!三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~」(画像②、③)を観てきました。昨年4月7日に脱稿の「その113」で「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」を紹介させていただきました。その際、この映画は、プロ・アマを問わず、飲食店・食材業・サービス業に携わっておられる方、また、これから目指されている方は、必見です。調理師学校・パティシェ専門校では、このDVDを生徒一人に1枚渡して、必ず観させるようにすべきではないかとも書きました。今年、これを観ておかないと、人生で最大のマイナスになるとも書きました。一年後に同様の映画を上映していただけました。ジャン・レノが三ツ星レストランのカリスマシェフ、そしてミカエル・ユーンが天才的な舌を持っている若手シェフに扮し、星が一つ失えば店も職も失うかもしれないピンチを問題だらけの寄せ集めシェフたちと共に救い、自分たちも新しい人生にスタートするというコメディです。ダニエル・コーエン監督がアラン・パッサールやアラン・デュカスの料理に感動し、映画に使われた料理のレシピをブノワ・ボルディエに依頼、調理シーンの撮影は、何と、料理学校グレゴワール・フェランディで行なわれたということでした。さまざまな料理人、美食家によって常にクローズアップされる伝統料理か新しい料理かという競争原理があります。20年、30年、同じレシピで作り続けられる料理にも感動しますが、これまで無かった調理法による素材の変化、これも楽しみですね。この映画では、その両極端の料理が登場します。はたして本当のミシュランの覆面調査員さんたちの好みはどちらなのでしょうか。フランス国内の三ツ星が減って、日本国内の三ツ星が増えていく状況の中で調査員さんたちのチェックポイントも変わっていくしかないのだろうと思います。

 
画像②
 
画像③

 この映画をレストランを描いた作品としてではなく、伝統的なフランス映画の復活とみる評論家さんたちもいらっしゃいます。20年前、30年前、40年前、綺羅星のようにスターやアーティストがいて、スクリーンから笑い、怒り、悲しみ、喜び、いろいろな感情表現を教えてくれたフランス映画の数々。伝統的な作り方があきられて、アート系・前衛系の作品がつくられ、CGによって3Dまで進んでしまった映画もあります。もちろん、好みですが、いきなり前衛ではお客様には伝えられないことが多いと思います。映像でも料理でも。前段に戻りますが、直接関わっていたスタッフたちが素直に欠点を認めて修正すれば、再び、視聴率を呼び戻すことは可能だと信じます。

 素人が生意気な発言で申し訳なかったのですが、騙されたと思って、先ず、この映画を観て下さい。シネマイーラで、3月22日まで上映中です。


シネマイーラ http://www.cinemae-ra.jp/
シェフ http://chef.gaga.ne.jp/

2013.3.7


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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