「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「いけず、から学校給食パン、そして居酒屋宴会メニューの話になりました」

 清八でございます。たいへん遅くなりました。

 NHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」の「いけずの和枝はん」ご存知ですよね。昭和の日本映画やテレビドラマ、特に関西系では必ずといっていいほど「いけず」キャラが登場してヒロインを盛り立てたものでした。いゃぁ、久しぶりに小気味いいキャラだと思いませんか。この「いけず」は、関西でも死語になっているんやそうです。国語辞典では単純に「意地悪」と訳されているようですが、関東人と関西人ではまったく受け取り方が違うんです。
例えば、京都の舞妓はんが馴染みの旦はんにバレンタインチョコレートをあげたとしまひょか。翌月のホワイトデーに期待してたら、旦那からなんもくれまへん。そこで、「旦はん、今日は何の日ぃか知ってはります」とか言いますわな。「あぁ、ホワイトデーやったな。いや、先月からダイエットしてる聞いてたら、あげたらあかんと思うてな」「いやぁ、旦さんのいけず…」こんな脚本、なんぼでもありましたな。 私の大好きな筒井康隆大先生の説によれば、関西人には歴史的・社会的背景によって培われた「いけず」のDNAが存在してるのやそうでございます。例えば、京都は、私の感覚では日本で一番革新的で、東京よりも早く新しいジャンルの商売、店舗が出現します。「先ず、やってみなはれ」の街ですから。京都人も新しもの好き人間ですからね。新規開店した店が少しでも対応が悪いと「あんな店もうよう行かへんわ」「先に教えといるけど、あの店な、期待せんほうがえぇで」メールやLINEの無かった時代でも喋るわ、喋るわ。こわい所でっせ、京都は。
 さて、こんなテーマで書こうか、止めようか、一カ月程悩んでおりました。先々週ですか、
静岡県知事さんが明確に発言・指示されていましたので、堂々と書けます。あの学校給食パン騒動と学校給食会のことです。「学校給食法」という昭和29年に制定された法律があって、平成20年、実に54年振りに大改正されました。この法律の第2条に学校給食の七つの目標が掲げられております。たいへん長くなりますが、そのまま掲載します。

1.適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
2.日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
3.学校生活を豊にし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
4.食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであるということについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
5.食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
6.我が国や各地域の優れた伝統的な食生活についての理解を深めること。
7.食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。

 たいへんお疲れさまでございました。どうです、おわかりになられましたか。きれいごとかもしれませんが、正論ですよね。間違ってはいませんよね。ところが、この目標は書かれただけなのでしょうか。県によっては、安心安全な学校給食のために、「パンの品質調査と並行して水分測定と細菌検査」「新に物資を選定するに際し、細菌検査、放射能検査の実施」を業務内容に明確にして実施し、情報公開されているんだそうです。
 明治22年に山形県鶴岡町の私立忠愛小学校で貧困児童を対象に無料で提供されたのが、
学校給食のルーツとされております。この時のメニューは、「おにぎり」と「塩鮭」「菜の漬物」(画像①)だったそうです。それから大正12年に文部省で奨励したメニューは、「五色ごはん」と「具だくさんみそ汁」(画像②)なんですって。もう、この時代の栄養士さんたちには、脱帽です。
画像①
画像②
画像③
画像④
 ところで、忘年会、新年会、歓送迎会、次々に宴会のお誘いがあって、きらいではありませんから、いろいろな居酒屋さんに出没しております。以前、何回も書かせていただきましたが、飲み放題のシステムのお店で、瓶ビールと瓶ワインを置いてないことが多いです。ビールは、「生」(画像③)って書いてあるだけで、「お客さん、ビールって書いてないんですけど」って店長から叱られるわ。「ピッチャーやジョッキでなくてええから、瓶ビールとコップ持って来て」って注文したら、「うち、ビール、扱ってないんです」。ワインもそうでっしゃろ。わざわざ、グラス一杯ずつ運んできたり、デキャンタに入れてきたり、その元が不明なんですね。あのチリやスペインの紙パック三リットル、あれ、そのままテーブルの真ん中に置いていただけまへんか。中身がわかった上で、ゆっくり呑めますのんで。また、あの宴会の時の一人鍋の具材、何とかなりまへんのか。ある有名な店で、四センチ角の白菜が四枚にスーパーで片身200円で売ってるような鮭の三センチ角のブロックだけの鍋(画像④)がありましたな。昨年、富士山が世界登録されてから様々なご当地グルメが考え出されました。ある居酒屋さんでは、富士山の刺身四点盛がありました。それまでは、小さな小皿に薄い四種類の刺身がのっていたのですが、富士山の形にした器に、何やねんこれ、というような大根のつまがのっていて、その上に、薄い刺身がありました。しかも、刺身が食べられて大根のつまだけになった途端に下げられてしまったのです。どうしたいんでしょうね。そのお店のオーナーさんは、板前さんは、調理人さんは。本当に厨房貸してくれたら10人前の肴を代わりに作ってあげたいというお店もありますからね。呑み放題120分とか90分のシステムが確立されていなかった頃の居酒屋の宴会メニューって覚えてはりまっか。お皿もグラスもお銚子も揃ってなかったけど、その中身は揃っていたように思い出されるのでございます。本当に「いけず」でっしゃろ、わたいも。

2014.3.12


34年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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