「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「65年前のエイトマンから、8年前の舞阪のすっぽんの話になりました」

 

 清八でございます。

 6月4日(木)に、ユナイテッドシネマ豊橋で、映画「箱の中の羊」を観てきました。10時上映回で観客30人でした。「千鳥」の大悟と子ども達の演技は素晴らしかったけど、近未来と言ってもヒューマノイドに対する人間(大人達)をうまく描けなかったんだろうと思いました。悪人を一人も登場させない日本映画だったから、カンヌで評価が分かれたのかな?ところで、息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れて初日に「ぼく、ヒューマノイドだから食べなくてもいいんだよ」というシーンがありました。これで食卓を囲むシーンが登場しなくなるのです。

 映画館から出てランチしている時に、ふと「そういえば、エイトマン(8マン)は食事していたなぁ」と思い出しました。65年位前の漫画・アニメですが、確かに食事シーンがありました。ところが、人の居ない部屋で腹部分から袋を取り出すのです。消化器官は無いので、口から入れて咀嚼するふりをして、飲み込んでいただけだとわかるのです。余計な情報でごめんなさい。(画像①)

 


(画像①箱の中の羊)

 

 6月6日(土)は、一ケ月ぶりに豊橋駅前でのランチでした。昨年、伺ったら臨時休業だった「なるせ食堂」さん、豊橋駅から水上ビル方向に歩いて5分以内の場所にあります。(画像②)

 


(画像②なるせ食堂)

 

 一番人気の「関西風だし巻き玉子定食」と「トンテキ定食」を頼み、二人でシェアしました。(画像③)頼んでから壁の貼り紙を見たら「トンテキ定食のキャベツの量は少なくできます」とありました。出されたお皿を見て、その意味がわかりました。おそらく二人でシェアしなければ、残していたかもしれません。お味噌汁は赤だしでした。駅から少し歩いただけなのに閑静な住宅街、その中の定食屋さんです。土・日は11時30分の開店時間にすぐ満席になっている理由がよくわかりました。メニューには、他に「焼き魚定食」「天ぷら定食」「だし巻き玉子(単品)」がありました。夜は、完全予約制で、ライブコンサートも開催されているようでした。

 


(画像③トンテキ定食)

 

 実は、豊橋の水上ビルはアーケード街なので、梅雨の時期に「雨の日商店街」として、「まちなかアンティークマーケット&ブックストリート」が展開されているのです。今年は、6月6日と7日でした。水上ビルのアーケード側には60店以上の古書街になっていました。そして豊橋まちなか図書館の「まちなか広場」には50店以上の古道具・アンティークショップが集まっていました。当然、既存店舗も営業されているのでフードやドリンク類も充実していました。4年前には、旧・東ドイツの花柄のお皿を2枚、入手できました。(画像④、⑤)

 


(画像④まちなかアンティークマーケット&ブックストリート)

 


(画像⑤)

 

 6月9日(火)もユナイテッドシネマ豊橋で、映画「FUJIKO」を観てきました。12時30分上映回で、観客8人でした。1977年、静岡でヒロインの富士子が娘・麻里を出産します。しかも、嵐で停電となってしまった病院で。産後の肥立ちもそこそこに実家のクリーニング店を手伝わされ、家事と育児との三つ巴の状態で体調を崩すと、姑と義理の姉から娘を取り上げられて離縁させられてしまいます。やがて実母の力を借りて娘を取り戻しますが、慰謝料も養育費もありません。これすらシングルマザーの奮闘と周囲の大人達の不条理な人間関係が描かれていきますが、久しぶりにロックな映画でした。生活のためにお金になる仕事に次々と手を出していきます。そのうちの一つが、非合法の博打場での夜の食事・賄い人としての仕事でした。殺気立っているやくざ・博徒の急な注文にうまく適応できれば、代金とは別に心づけが手に入ります。台所に立って、焼きそばや丼物を次から次に作り、博打場に運びます。食べ終えた丼や皿を台所に戻しては洗いあげる。これが毎夜のように続き、借金を返済できアパートも替えることができ、ぜいたくな買い物もできるようになるのですが‥。当時の田舎の静岡、男だから、長男だから‥の時代、既成の価値観を自身の経験から覆していく‥、そんな内容でした。この映画のインパクトは、この台所での調理と博打場での食事シーンに尽きます。これは、ひょっとしたら、今年の1本になるだろうとの期待を込めて、紹介させていただきました。(画像⑥)

 


(画像⑥FUJIKO)

 

 6月22日(月)と23日(火)は、栃木市内に居りました。仕事の都合で在住・在勤となった姪夫婦のお招きで、生まれて初めての土地でした。新居町を12時25分発で浜松へ、12時55分発のこだまで東京。15時12分発の東北新幹線「なすの」で小山へ、小山発16時2分のJR両毛線に乗り換え、栃木着が16時12分でした。予約しておいた、駅から徒歩1分の「ホテルシャンブル」にチェックイン、駅から北に向かい、日光例幣使街道の入り口まで行き、巴波川(うずまがわ)に沿って、蔵の街を散策して、コンビニやお土産店を確認、ホテルに戻り休憩しました。(画像⑦)月曜日だったので休館が多く、外観を観て廻っただけでした。夜の飲食店も休みが多く、この夜、姪夫婦に案内されたのは、駅から徒歩5分という「古民家酒場kane-chan」でした。(画像⑧)月曜日なのにサラリーマンたちの小宴会、女子会などで満席になっていました。おすすめの肴として「塩こんぶガーリックポテト」「紅生姜玉子焼き」(画像⑨)「山椒香ル大人の唐揚」(画像⑩)「しょうがトマト」(画像⑪)を頼みました。メニューに、「生姜」を使った肴が多かったのには理由がありました。「岩下の新生姜」の岩下食品の本社は、みの栃木市にあって、「岩下の新生姜ミュージアム」があり、「栃木市栃木文化会館」の愛称が「とちぎ岩下の新生姜ホール」と呼ばれているのです。

 


(画像⑦ホテルシャンブル)


(画像⑧古民家酒場kane-chan)


(画像⑨紅生姜玉子焼き)


(画像⑩山椒香ル大人の唐揚)


(画像⑪しょうがトマト)

 

 

 翌23日は、「とちぎ山車会館」(画像⑫)で、どうして栃木に江戸・明治時代に作られた山車が9台も「とちぎ秋まつり」でねり歩くのか、わかりました。後で調べたら、栃木市内には高校が8校あるのです。人口は約15万人です。それで、朝晩の駅での高校生が多かったことが理解出来ました。そして、日光例幣使街道近くのパン屋さん「La panxa」(画像⑬)を案内してもらい、お土産用に5点(画像⑭)購入、帰宅後の朝5日間で試食できました。宇都宮市からの購入客が多く、時間帯によっては行列なんだそうです。そしてそして、この日のランチは楽しみにしていた、「佐野ラーメン永華」でした。(画像⑮)初めての「しょうがラーメン」(画像⑯)と「餃子」(⑰)でした。鶏ガラと昆布出しのスープに手打ち麺、チャーシュー、トッピングにしょうがが山盛り状態、あっさりとしているんだけど、口の中が化学変化していくようで今まで食したことのないラーメンでした。又、餃子は高さ4cm長さ7cm重さ70gというジャンボでした。この中にも、しっかりと生姜が入っていました。

 


(画像⑫とちぎ山車会館)


(画像⑬La panxa)


(画像⑭お土産用)


(画像⑮佐野ラーメン永華)


(画像⑯しょうがラーメンル)


(画像⑰餃子)

 

 さて、今回のメイン体験は、足利市内の「ココ・ファーム・ワイナリー」での試飲でした。(画像⑱、⑲)1958年に中学の特殊学級の教員と生徒たちが中心となって葡萄の栽培を始めます。1969年、成人対象の知的障がい者更生施設として「こころみ学園」を園生30名で開所しました。1984年からワインづくりを開始、第1回収穫祭開始。2000年8月の「九州・沖縄サミット首里城晩餐会」に「1995NOVO ドゥミセック」が採用されました。そして2008年7月の「北海道洞爺湖サミット総理夫人主催夕食会」に「2006 風のルージュ」が採用されました。2016年4月の「G7広島外相会合1日目岸田夫人主催夕食会」には「2012北ののぼ」が採用と、毎年のように晩餐会や昼食会に採用されているのです。JAL国際線ファーストクラス機内には2016年3月から、JAL国際線ビジネスクラス機内には2015年3月から、ANA国際線ファーストクラス機内には2017年6月から採用されているのです。ティスティングは、2種類が1,000円で5種類が1,500円でした。ノンアルコールのジュースも用意されていました。当然、5種類、ファーストクラス、ビジネスクラス機内用から選びました。1グラスは20ccで、追加の場合は+200円で愉しめます。このグラスですが、返却すると500円のチケットで返金されて店内のショップで利用できるようになっていて便利でした。私は、2種類のラスクと交換しました(画像⑳)。又の機会に、ゆっくりと園内の葡萄畑見学をしてみたいと思いました。

 


(画像⑱ココ・ファーム・ワイナリー)


(画像⑲試飲)


(画像⑳2種類のラスク)

 

さて、今月の1冊です。2023年3月10日に文藝春秋から発行された、平松洋子「肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行」です。(画像㉑)「オール讀物」2016年3月号から2018年6月号に掲載され、2020年7月に発行された単行本の文庫本です。「はじめに」に「‥肉を食べる意味の根源を探りたくて、まず、ひとつの文化として肉をめぐる諸相を捉えることから始めようと考えたのが、本書の出発点である。畜産された肉にも、狩猟による肉にも、人間の知見が大きく関わっている。‥‥‥日本各地の魅力的なひとびとを訪ねながら、さまざまな動物とその肉について、見て、聞いて、食べて、自分の手でつかんだ言葉がふたつある。肉にも『旬がある』。うまい肉は『つくられる』。

 タイトルにもなっている「すっぽん」は、舞阪の「服部中村養鼈場(ようべつじょう)」でした。218頁に「‥まず池の環境をきちんと作らなければ、いいすっぽんは育ちません。夏場になると、私たちがアズキモチと呼んでいる水草が生けの表面に繁茂するのですが、少しでも気を抜くと、あっというまに水面が緑一色になってしまう。アズキモチは、すくってもすくっても繁るので、ひと夏に何度も従業員が網を持って池に入り、風向きを計算しながらアズキモチを取り除きます。長靴のなかに汗が溜まる重労働です‥」220頁に、『うちのすっぽんは、養殖なのに旬がある』、それを平松洋子さんは「‥多くの養殖場でおこなわれている室温をコントロールしながら育てるハウス方式で、年中いつ出荷しても肉質が一定になる。しかし、『露地養殖』の眼目は、自然環境とすっぽんが冬眠する習性のサイクルの両方を守り、すっぽんの体力をつけながら健やかな成長をうながくこと。七月から九月、餌をさかんに食べて肉がついたすっぽんは、十月あたりから冬眠しながら脂肪を蓄えるーーこれが、服部さんのいう『養殖なのに旬がある』背景だ。‥」

 


(画像㉑肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行)

 

なるせ食堂
https://www.instagram.com/naruse_syokudou/?hl=ja

La panxa
https://lapanxa.com

佐野ラーメン 永華
https://eikaagri.com

ココ・ファーム・ワイナリー
https://cocowine.com

2026.7.28 清八





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