「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「北部のアジアンカフェから南部の居酒屋、ディープな那覇と続きました」

清八でございます。前回の沖縄滞在記の続きです。

 11月28日は、恩納村のANAインターコンチネンタルホテルに宿泊、朝食はホテルランクでも上位の感想が多いビュッフェで和洋中・うちなんちゅー料理で大満足でした。ホテルの周辺をゆったりと散歩、チェックインタイムまで滞在、古宇利島に向かいました。(画像①) 今帰仁村古宇利大橋は名護市の屋我地島を1960mで結んでいて無料でした。この橋の両側は、当然きれいな海面です。島の一番高い標高82mに古宇利オーシャンタワーがあり、展望台は風が強いですが、大宜見村や国頭村まで眺望可能です。この島は、クイジマ(恋の島)と呼ばれ、沖縄版「アダムとイブ」の伝説が残されています。ホテルのチェックアウトが遅かったので、もうランチタイムになっていました。本日のランチ場所を探して北上、本部町備瀬地区のフクギ並木に向かいました。防風林として家を囲んで植えられたフクギが約1㎞に渡っており、集落の美しさを引き立たせてくれています。この本部町はカツオ漁の町で、ゴールデンウィークの頃には、鯉幟ではなく鰹幟が港町に立てられております。町の食堂でも、鰹の刺身定食や沖縄そばで有名なのですが、この備瀬地区にはエスニックの風が吹いてきたようです。駐車場の奥にできた「café CAHAYA BULAN」です。(画像②、③)東京や大阪の高層マンション暮らしの方達には、この場所からの海の風景、黄昏時の地平線は何物にも代えがたい宝物の一つになると思います。ランチメニューは、中華粥・アジアン蕎麦・ラフテー丼(画像④)の三種類ですが、中華粥が人気のようでした。本当は、このフクギ並木を散策してゆったりしたかったのですが、大型観光バスが出たり入ったり、いろいろなスタイルの方達が右往左往されていたので出発することにしました。今夜の宿泊先である妹家族の家、糸満市内に南下ドライブです。途中、沖縄県内で最初にできた道の駅である、名護市の「道の駅許田」に立ち寄りました。この道の駅は、全国道の駅ランキングで1位、年間利用客150万人とのことです。この日は、年末ジャンボ宝くじ発売後の週末のためか、駐車場は満車、宝くじ売り場には、大行列ができていました。
 夜は、糸満市内の居酒屋探訪の予定でしたが、何とこの夜は「もあい」の寄合日ということで、どのお店も予約が入っておりました。この「もあい」とは、頼母子講の一種で、沖縄独特の相互支援システムです。結局、妹家族の「てぃーだ建築設計室」近くの西崎「味どころ田舎家」(画像⑤)になりました。地魚のお造り、もずく天ぷら、じーまみ豆腐、地魚のバター焼き(画像⑥、)オオタニワタリ・アダンの天ぷら(画像⑦)など、ヤギ料理はありませんでしたが、地魚・地野菜を堪能できました。

 さて、滞在三日目、帰る日ですが、那覇市内のディープなお店を訪ねてみました。先ずは、桜坂劇場(画像⑧)です。浜松市中区田町の「シネマいーら」の榎本社長さんのお友達でミニシアター系の作品の上映を続けられている映画館なのです。しかも、演劇やコンサート、桜坂市民大学という体験型ワークショップも同時進行で展開されております。この建物内には、「ふくら舎」という書店兼雑貨店、そして「さんご座キッチン」というカフェがあり、沖縄料理からアルゼンチン料理まで準備されています。ドリンクの中では、ジンジャーエールは正に本物です。今年の7月2日にオープンされた、ハイアットリージェンシー那覇沖縄のすぐ近くで、逆にわかりやすくなりました。那覇に行かれる方は、必ず立ち寄ってみて下さい。この「ふくら舎」さんで、あるカセットテープ(画像⑨)を購入しました。「Qurage」の3rd single「君のレコード」です。家に帰ってから、いろいろネットで検索してみたら、このヴォーカリストもバンドマンも山形出身で、制作・発売元のZOMBIE FOREVERも山形のレーベルだと判りました。さらにネットで調べてみると、決して制作費の関係でカセットにしたのではなくて、レコードやカセットテープを知らない世代には、新しい宣伝媒体となっているのだそうです。いろいろ、新しい価値観が生まれているのだと教えられました。実は、この桜坂劇場の前に国際通りの「高良レコード」(画像⑩)さんに伺い、沖縄限定のCDを購入しておりました。ニャーニャーズって、ご存じでしょうか。ネーネーズではありませんよ。模合レコードという地元の制作会社が猫小(まゃーぐわー)にヴォーカル、コーラス、お囃子を担当するというユニットグループなのです。(画像⑪)猫の鳴き声をサンプリングしているだけですが、お土産グッズとしては新しい展開だと思いました。那覇市栄町市場出身の「マルチーズロック」、奄美の堅琴「盛島貴男」、そして奄美の歌姫「城南海」等々、恐るべし島唄とアーティストたちが続々と現れてきています。

 こんなディープなショウウィンドウ(画像⑫)は、いかがでしょうか。壺屋通りにある国吉総合ミシンの展示品です。このミシン屋さんでは修理できないミシンは無いという老舗で、沖縄の良心の一店です。さて、最終滞在日のランチです。駐車場の隣に食堂があったのですが、こんなメニュー看板(画像⑬)がありました。おわかりでしょうか。単品料理にも定食にも、ご飯と味噌汁がついております。焼きめしにもカレーライスにもオムライスにも味噌汁がついております。パワフル定食は、レバニラ炒め・鳥唐揚げ・ポテトフライにもう一つ小鉢がついての650円、もちろん税込です。
いろいろと探した結果、今回は那覇市辻本店の「ステーキハウス88」にしました。(画像⑭)沖縄のステーキハウスと言えば、この88(イリーエイ)です。本土復帰前の1955年オープン、当時は「Aサイン」という米軍が「米国人が入ってもよい」という営業許可証を持っていたため「CLUB88」という店名でスタート、現在の店名は1978年からだそうです。このステーキハウスの特徴は、牛肉の種類の多さ、そしてボリュームです。このテンダーロイン150グラム(画像⑮)にトライしてみましたが、完食できました。今回の旅では、いろいろな沖縄そば店には寄れなかったため、空港内のお土産屋さんで、本島・八重山・宮古そばの三点セットを買って帰り、食しましたとさ。

 以上、沖縄噺Part2でございました。

画像① 画像② 画像③
画像④ 画像⑤ 画像⑥
画像⑦ 画像⑧ 画像⑨
画像⑩ 画像⑪ 画像⑫
画像⑬ 画像⑭ 画像⑮

 CAHAYA BULAN http://www.cahayabulan.com/

 桜坂劇場 http://www.sakura-zaka.com/

 ステーキハウス88 http://www.s88.co.jp

2015.12.21 清八

 


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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