「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「ディープな沖縄、その7」

 清八でございます。ごぶさたでございます。

 世界中が津波報道と避難勧告で大騒動となっていた2月28日、沖縄の糸満市に滞在しておりました。しかも、前日の早朝に99年ぶりという震度5の地震が発生した27日に那覇空港に着いていたのです。
 実は、一年前からのお約束で3月1日の県立糸満高校の卒業式を見学するための旅行でした。妹の娘(姪になります)が卒業、東京の大学へ進学が決まったので、両方のお祝いとなりました。沖縄では、様々な事情から、生徒の関係者であれば、誰でも正式に保護者席に座って見学できるんだそうです。朝9時40分開始、午後12時終了の式でしたが、前後に生徒会・在校生主催のセレモニーがあり、3時間を越える大イベントでした。一年前から話には聞いていましたが、いゃーっ、すごいイベントでしたよ。386名への卒業証書授与は学校長から全員に手渡され、在校生による音響・照明・生演奏、送辞と答辞の後に、卒業生の歌・在校生の歌の披露があったんですが、毎年、校内で詩と曲を募集して決めているんだそうです。圧巻だったのは、式終了後、会場の体育館から校門まで、在校生と父兄による花道がつくられ、卒業生へのプレゼントが手渡される光景でした(写真1)。朝、校門前で花束やお菓子のレイが売られていたのですが(写真2)、2月の後半は花屋さんが大忙しになるそうです。人気のある先輩は、かかえきれないほどのプレゼントを持って帰ったそうです。校庭では、在校生たちによるエイサーが2時頃まで続いていたとのことです(写真3)。夕方からは謝恩パーティが予定されていて、ねぇねぇたちは何ヶ月も前から美容院を予約、ドレスアップして夜中まで続けられるパーティの準備をしていたんだそうです。まさに、「アメリカン・グラフィティ」なんですね。
     
写真1
写真2
写真3
     
 さて、今月のマクラは、ここまでにして、グルメ情報です。27日の夕食は、那覇市内で沖縄限定のCDを探していたところ、突然の大雨で移動できず、結局、糸満市内の「かじま家食堂」に立ち寄りました。6年前、このコラムでご説明してありましたが、沖縄では、野菜炒めとか豆腐チャンプルー、天婦羅といった単品で頼んでも、ご飯と味噌汁がセットになっているんです。ですから、メニューを見て、よく理解できない場合には、お店の方に事前に聞いておかないと、テーブル上に、ご飯と味噌汁だらけになってしまって、どないすんねん?という人生経験になりますので、くれぐれもご注意願います。ちなみに当日の注文は、「豆腐と牛肉のニンニク炒め(写真4)」「野菜炒め(写真5)」そして「豆腐チャンプルーと沖縄そばセット(写真6)」の三人前でしたが、これを四人で食べ切りました。お値段は、各650円、600円、870円でした。後から知ったのですが、このお店は、ご飯のお代わり自由となっていましたが、地元の方でも頼んでしまってから、ギブアップしてお持ち帰りが日常茶飯事だそうです。メニューにランチがありました。これはお昼だけでなく終日用意されているのですが、お皿に、トンカツ・唐揚げ・ハンバーグ・白身フライ・玉子焼き・フライトドホテト・野菜サラダが山のように盛ってあって750円でした。とてもトライする気にはなりませんでした。
     
写真4
写真5
写真6
     
 翌日は、朝から南部地区の新しいカフェでも探索しようと期待していたのですが、津波報道と避難勧告のため、自宅待機、昼過ぎから出かけたのですが、公共の飲食店や御土産物屋さんもすべて臨時休業になっておりました。そこで、那覇市まで足を伸ばして、昨年10月にオープンされたイタリア人シェフのレストラン「ヴォラーレ(写真7)」に入りました。日曜日は、ランチのみの営業なんですが11時から16時までのランチでした。メニューはサラダ・スープ・パスタ(写真8)・デザート・ドリンクの「クイックランチ」1200円コースと前菜(写真9)がプラスされた「ゆんたくランチ」1400円コースの二種類のみ、もちろんワインもいただきました。春キャベツトアンチョビのパスタおいしかったです。地元の方のブログでの評価は半々に分かれているそうです。東京から移住された方々にはイタリア人が創っているのに何か物足りない。地元の方々には、地元の食材を使ってのイタリアンレストランにとっても期待と感謝をしているとのことでした。東京からどのように事情があって移住されたのか知りたくもありませんが、その方たちは、よほど東京時代に三ツ星レストランを食べつくされたんでしょうね。その夜は8時過ぎになって那覇市の「和加奈」というお寿司屋さんに連れていっていただきました。糸満漁港で水揚げされる地魚の握り寿司ということで期待しました。結局5人で、特上寿司(写真10)二人前+二貫、刺身+貝の盛合わせ二人前、牡蠣雑炊、特製コロッケ、かき揚げ、島らっきょうの天婦羅、厚焼き玉子二人前、忠孝(泡盛)二合、生ビール3杯、ウーロン茶2杯、以上で11000円でした。
写真7
写真8
写真9
     
写真10
写真11
写真12
 

翌日の卒業式の後は、昨年9月に日本最南端の道の駅としてオープンした「糸満市物産センター(写真11)」内の食堂「うまんちゅ亭」で餃子沖縄そばとジューシィー(炊き込みご飯)のセット(写真12)をいただきました。この物産センターでは、糸満かまぼこを揚げていますので、テイクアウトももちろんできます。この施設のお隣には、元々、魚センターとファーマーズ・マーケットがあって、食材は殆ど地元で揃ってしまうのです。マンゴーもパッションフルーツも黒糖も島塩も、お土産物屋さんよりお安く揃えることができますので、団体旅行の時でもお立ち寄り下さい。

 今回の地震、津波による被害は殆どありませんでしたので、これから卒業旅行、春休みの旅行で沖縄を計画されている方は、安心して南部方面も楽しんで下さいね。

かじま家食堂・・・http://www.hotpepper.jp/strJ000721642/
ヴォラーレ・・・http://gourmet.yahoo.co.jp/0007824180/
和加奈・・・http://gourmet.yahoo.co.jp/0006571722/ktop/
道の駅いとまん・・・http://www.yukura.jp/

2010.3.6


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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