「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

「2022年、コロナ自粛中のエトセトラを報告?します6月篇」

 

 清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画•DVD など、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。

それでは、6月分を報告させていただきます

 

■「信濃川日出男著 山と食欲と私10」
新潮社(2019.7.15発行)中古漫画本

 全国3000の書店員が選んだ「2016年コレ読んで漫画RANKING」で、第2位となった「単独登山女子」が展開する「行動食」「山食料理」の世界。その10巻を入手。今回のメニューは、「焼き鳥缶詰親子丼チーズのせ炙り」「炙りサーモン丼」「メスティンプリンのキャラメリゼ」「かき揚げライスバーガー」「自家製にんにくとコラーゲンたっぷりのすっぽん鍋」「バランス栄養おいなりさん」「かぼちゃと鳥ひき肉の味噌汁」「ニンニクと鶏レバーのスモーブロー」「薪ストーブの焼き芋」「ホッケの一夜干し」「とり天うどんともつ鍋」「めんたいツナ缶の炊き込みご飯」「別府・鉄輪温泉の地獄蒸し」でした。炙りは、トーチバーナーを使うのだが、草地で使ったから、ボヤ騒ぎという顛末でした。私も、山ランチの際は、カートリッジのガスバーナーでも十分注意しております。(画像①)

 


(画像①山と食欲と私10)

 

■「安倍夜郎著 深夜食堂18」
小学館(2017.6.4発行)中古漫画本

 今号のお品書きは、「筑前煮」「ゴマだれざるうどん」「生卵オクラ丼」「チキンカツカレー」「激辛麻婆茄子」「冷しゃぶサラダ」「ツナクラッカー」「酒盗」「芋煮」「鮭のバターしょうゆ焼き」「揚げ出し豆腐」「他人丼」「ローストチキン」「おでんの巾着」でした。第224夜「激辛麻婆茄子」で思い出したんだけど、陳健一さんが「料理の鉄人」に出演されていた頃、赤坂の四川飯店に「陳麻婆豆腐」を食べに行った事がありました。ウェイターさんに注文したところ、開口一番「辛いですよ、大丈夫ですか?」と言われました。「大丈夫です。辛いの、大好きですから」と答えて、しばらくして運ばれてきた時に、再度、「本当に辛いですよ、大丈夫ですか?」と言われました。そんなに辛いのか?と、慎重に食しましたが、本当に辛かったです。でも、大丈夫でした。それから、この「四川豆板醤」「四川棘椒粉」「四川花椒粉」の入った麻婆豆腐が大好きになり、食べ歩きました。まだまだ、地方ではこうした香辛料は入手困難な時代でした。いろいろ、思い出しました。(画像②)

 


(画像②安倍夜郎著 深夜食堂18 )

 

■「月刊誌 波 6月号」
新潮社(2022.6.27発行)新刊本

 毎月、楽しみにしているのが、阿川佐和子「やっぱり残るは食欲」。57回目は「究極ダレ」でした。しゃぶしゃぶを食べる時の「ポン酢ダレ」「ゴマダレ」の話から、「万能ダレ」そして「ニラダレ」に至っているのですが、次が、この話のオチです。「とはいえ、さらに自分の味覚を突き詰めていくと、結局、辿り着く万能ダレは、醤油だということがわかる。もし神様かお医者様に、『お前は今後、いっさいのニンニク、酢、砂糖、辛いソース、胡麻油を食することを禁ず』と言われたら、だいぶ悲しいけれどしかたがないと諦めるだろう。でも、もし『今後、いっさい食べ物に醤油(減塩も含め)をつけてはならぬ』と命じられたら、死にたい気持ちになるかもしれない。そんな酷な。」「醤油」は、正に「万能ダレ」なのですよ。(画像③)

 


(画像③月刊誌 波6月号)

 

■「東海林さだお著 バナナの丸かじり」
文春文庫(2021.4.10発行)中古本

「週刊朝日」2016年6月17日号~2017年3月31日号「あれも食いたいこれも食い
たい」掲載の文庫本です。196~201頁の「問題あるぞ恵方巻」。この二年半以上の「コロナ禍」で、「恵方巻」の状況もかなり変わりましたね。「SDGs」への取り組みもあってか、残飯を減らす為に予約制にしたり、販売量そのものを減らしたりしてましたね。私は、個人的には、関西の一部で「陰陽道」の行事として行われ、「かんぴょう」「きゅうり」「しいたけ」「桜でんぶ」の太巻き、だと思っていたので、丸かぶりせんでも。具材に「生ハム」や「ステーキ肉」「チーズ」「タンドリーチキン」まで使わなくても?と、毎年不思議に思っておりました。この頁にオチです。

 「恵方巻にはいろいろムリがあって、この先、売り上げが困難になったとしても、コンビニの活路はまだまだいくらでもある。コンビニ業界は、多分、すでに恵方巻大量生産機械設備を全国の各工場に設置していると思うが、これらは決して無駄にならないから大丈夫。何が大丈夫なのかというと、節分の恵方巻を止めても大丈夫。登山家の三浦雄一郎氏は『たとえ山が目の前にあっても止める勇気が必要』と説いている。どこかのコンビニが勇気をもって来年、貼り紙を出してほしい。『恵方巻やめました』と。」この文章は2017年の節分頃に書かれたようです。(画像④)

 


(画像④バナナの丸かじり)

 

 

■「東海林さだお著 大衆食堂に行こう」
大和書房文庫(2021.5.10発行)中古本

 226~240頁に、「そうだ、京都、定食屋!」が書かれているのを見つけ、購入しました。出版社の企画で、編集者と二人、東京から京都へ定食を食べに行ったレポートでした。今回の定食屋さんは、「柳馬場錦亭」「京極スタンド」「今井食堂」「大銀」の四軒でした。三軒目の「今井食堂」さんですが、私と奥様は昨年の12月20日、三条河原から上賀茂神社までウォーキングした際、ランチで入店しておりました。三日間煮込まれた「サバの煮いたん」のお店で、立命館の学生さん御用達です。詳しくは、バックナンバーNo.195をご覧ください。

 「本日の定食のメニューは、『サバ煮定食 630円』『コロッケ定食 420円』『チキンカツ定食 577円』おすすめ定食 683円』などがあり、『おすすめ定食』というのは『サバ煮・チキンカツ・コロッケ・玉子』の組み合わせで、まず値段の安さが殿堂を思わせ、値段のハンパさが聖地に思いを馳せる。……味噌汁は普通の味噌仕立て。ダシがよく効いていてこれまでの味噌汁の中で一番おいしい。具は大きく切った大根と豆腐と油揚げ。湯気の立ちのぼる熱い味噌汁をフーフー吹いていると、“熱い味噌汁のしあわせ”をつくづく感じる。」

 昨年の12月は、「サバ煮定食720円」「おすすめ定食1000円」でした。この取材は、消費税分を考慮しても、10年位前?だろうと、推察させていただきました。(画像⑤)

 


(画像⑤大衆食堂に行こう)

 

 

■「馬上鷹将作画 あかね噺一」
集英社(2022.6.8発行)新刊漫画本

 「週刊少年ジャンプ」に、2022年1月号から連載されている、原作・末永祐樹、作画・馬上鷹将による漫画作品で、落語家の父親を尊敬する少女が真打目指して、奮闘中という女性落語家を描いた物語です。東西で女性の噺家が急増、真打も続々誕生している時代に、生まれるべくして生まれた作品で、その単行本第1巻。第七話に、入門を許されてから、師匠のパトロンの居酒屋で一週間働かされるという、「気働き」の修行の話があります。「相手が喜ぶ事を考え、先に先へと気を回して動く」、何のご商売でもそうでしょうがこの三年間の「コロナ禍」で、「自分を出すよりまず相手を大事にしてこなかった、出来なかった」お店が無くなり、飲食業界から去っていった方もいたと思います。生意気言って、ごめんなさいです。(画像⑥)

 


(画像⑥あかね噺一)

 

 

■「クロワッサン 2022 7/10号」
マガジンハウス(2022.6.24発行)新刊本

 今号の特集は、「大人のスマホ活用術」なんだけど、最終の98頁に、松重豊「たべるノヲト」の第2話。今回は、浜松の養鰻場で犯人役の松重さんが、池に落ちてウナギの大群にもみくちゃにされながら殺される男を演じたが、繊細な鰻達は大暴れせずに底で息を潜めていたため、実に地味な死に様になった、という書き出しでした。実は、購入理由は、92~93頁の「着物の時間」に三味線漫談家の林家あずみさんが取り上げられていたからです。端唄の花季彌生お師匠から高座で着る着物を教えていただいた時、「先ず言われたのが、人様にお金を頂くのだから、高座ではいい着物を着なさいということでした。」

 私は、58年位前から関西のテレビ番組で、当時の道頓堀角座、うめだ花月、なんば花月、京都花月などの関西の演芸場からの中継を見て育ちました。当時の関西は、噺家さんの数が少なく、ほとんどが漫才、歌謡ショー、マジックなどの演者さんでした。「かしまし娘」さんが全国レベルで人気者になってから、女性三人の漫才さんが生まれました。当時は、三人とも振袖という舞台もありました。48~42年位前、関西のその演芸場を回って生で観ておりました。何かの本で読んだのか、関西系のテレビ番組で語られたのか記憶が定かではないのですが、当時の女性の漫才さんに師匠の方々が言われていました。「関西の演芸場は広いし、楽器持ってるし、着物で動いたら、着崩れはしゃあないけど、お客さんに不快に思われたら、あかんよ!」これは、洋服姿の漫才さんにも伝えておられました。「高座ではいい着物」と言われてのは、高い着物を着なさい、という意味では無いと、若い頃の記憶が戻りました。(画像⑦)

 


(画像⑦クロワッサン)

 

 

 ウッディジョーさんの「新居関所・木製キット」をベースにして、久しぶりにジオラマを制作しました。人形も8体、周辺の木柵は、私の子供時代、約60年前の色にしました。実は、私は関所の大御門の南側にあった家で生まれ、小学4年生まで暮らしておりました。1971年の解体修理以前の関所は記憶に残っております。私が、スタッフとして監理・運営をしております、関所近くの元・芸妓置屋「小松楼まちづくり交流館」のお座敷に置いてあります。ご興味がありましたら、ご見学ください。(画像⑧)

 


(画像⑧新居町関所ジオラマ)

 

2022.7.14 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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