「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

 

「2020年、コロナ自粛中のエトセトラを報告?します 上篇」

 

 清八でございます。今年は「コロナ自粛?」を口実にして「食」テーマ以外で続けてしまいましたが、1年分の報告です。

 私の趣味・道楽は素人落語を演ずることと、落語・寄席・演芸関係の書籍・音源・映像収集なのですが、「食」に関する書籍・漫画・資料・映像収集も続けております。もう三回目の報告になりますが、私の愛読書は「暮しの手帖」と農文協の「日本の食生活全集全50巻」と「うかたま」なんです。特に「暮しの手帖」は高校二年生から愛読しており、1978年からは定期購読、バックナンバー252冊はすべて保管してあります。毎年、「食」に関する書籍・漫画・資料・DVDなど主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりしております。それでは、今年1年間を報告させていただきます。

(たいへん長くなりますので、上・下篇に分けます。)

 

「暮しの手帖第4号通巻489号」(2020.1.25発行)
 特集は、「白崎裕子さんの野菜スープの法則」P14~26、一番のポイントは塩使い、野菜に塩をなじませ、うま味を引き出してくれる法則を教えてくれました。P131の随筆は、能町みね子さんの「途切れた道と犬の記念日」、短いですが記憶に残ります。

「暮しの手帖第5号通巻490号」(2020.3.25発行)
 特集は、Makoさんの「ラム肉料理入門」P23~31、「ラムチョップのハーブパン粉焼き」「ラムももステーキ」、湖西市内のスーパーは本店が豊橋なので、二年程前からニュージーランド産のラム肉が入るようになって、これは作れます。

「暮しの手帖第6号通巻491号」(2020.5.25発行)
 岡本仁さんの「また旅」の第三回は「沖縄へ」P80~87。今年は「コロナ自粛?」で行けなかったけど、行けるようになったら絶対に食べに行きたい、南城市内のお店を教えてくれました。
 P158~160の「はじめてのお楽しみ その一 浪曲編」では、木馬亭と玉川奈々福さんを紹介されていた。

「暮しの手帖第7号通巻492号」(2020.7.25発行)
 P18~23は、「小林カツ代さんキッチンから平和を伝えたひと」でした。P133の随筆では、樋口恵子さんが、高齢期の生き方に必要な三要素を「食・触・職」の三ショクと書かれていました。こんなまとめがありました。「他人同士が、生存に必須の『食』を通してコミュニケーションを図る『食』と『融』が両立する世の中を、アフター・コロナに求めたい」。…コロナが収束してアクリル板やビニールカーテンが取り外される時にこそ、飲食業界は考えなければいけないのでしょうね。

「暮しの手帖第8号通巻493号」(2020.9.25発行)
 P142~149は、忽那賢志(国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長)監修による「新型コロナウィルスの感染リスクと不安を減らそう」。私は、この内容を読んで冷静に判断して、行動しております。
 P158~160の「はじめてのお楽しみ その三 お能編」では、国立能楽堂を紹介されていた。

「暮しの手帖第9号通巻494号」(2020.11.25発行)
 P168~169の「今日拾った言葉たち」に、「同調社会 日本社会はなぜ息苦しいのか」(鴻上尚史・佐藤直樹共著)から、「税金と年貢は違います」。そのとおりなんです。
 P171は、玉川奈々福さんの随筆「きもの技術救援隊!」。浪曲師という職業柄、きもの・帯をネットショップで入手されていて、同時に素晴らしい職人技術を捨てない、というお考えです。

「暮しの手帖別冊 素材がわかる料理帳」(2019.10.11発行)中古本
 瀬尾幸子さんの簡単レシピ全114品が素材別に編集されています。「素材の知識」「素材の味を引き出す方法とレシピ」がわかりやすく並べられています。「使いかけのわさびは砂糖水に漬けておくと傷みにくい」…保存期間の目安は、冷蔵庫で一か月とのことです。(画像①暮しの手帖)

 


(画像①)

 

 

「別冊うかたま 語り継ぐ日本の家庭料理 そば・うどん・粉もの」(2020.3.1発行)
 昭和35年から45年の間に全国の各地域に定着していた家庭料理の中から、そば・うどん・そうめん・だんご汁などの集約でした。P95に掲載されていた宮城県の「汁はっと」。手で薄くのばした小麦粉の生地を具だくさんの汁に入れた料理。2018年10月15日、宮城県一関の「世嬉の一」さんで「手切りはっと・もち膳」を食しております。「手切りはっと」は、「ひっつみ」ともいわれ、小麦粉を水で練って、寝かせてから両手の指先でつみ入れながらいただく伊達藩の料理でした。

「別冊うかたま 語り継ぐ日本の家庭料理 魚のおかず」(2020.6.1発行)
 P80~81には、静岡県内の家庭料理として、「ながらみの塩ゆで」が掲載されていた。子供の頃、実家でよくこのながらみの砂出しをさせられていた事を思い出した。隣家が酒屋さんで、その裏が角打ちになっていて、酒の肴に、ながらみがあった事も思い出した。

「別冊うかたま 語り継ぐ日本の家庭料理 どんぶり・雑炊・おこわ」(2020.9.1発行)
 P13には、伊豆半島沿岸部の漁師飯「あじのまご茶漬け」が掲載されていた。これは、新鮮なあじのたたきをご飯にのせて、熱いだし汁をかけたお茶漬けで、先にたたきだけでも味わえます。次のP14には、静岡県の「生しらす丼」、県西部ではおろししょうがを添えてましたが、生わさびが入手出来るようになって替わっていったようです。

「別冊うかたま 語り継ぐ日本の家庭料理 年取りと正月の料理」(2020.12.1発行)
 P49~57は、「いずし・なれずし」の紹介。北海道「鮭のいずし」、石川県「かぶらずし」、岐阜県「鮎なれずし」、そして滋賀県「ふなずし」。私は、ふなずしが大好きで、余呉町の「徳山鮓」さんに三回味わうことができました。(ちりとてちんバックナンバーNo.108109126134)(画像②別冊うかたま)

 


(画像②)

 

 

「サライ7月号」(2020.6.10発行)
 この号の大特集は「日本茶で養生」。一か月程前でしたか、奈良県立医大から市販のお茶に新型コロナウィルスを不活化(無害化)する効果がある、と公表されました。ただし、あくまでも試験管内での実験結果、という事が報道されて、マスクや消毒液のような買占め・転売には至りませんでした。風邪やインフルエンザの予防として、カテキン類を含んだお茶でよく「うがい」をすると効果がある、ことはかなり前から知られていました。

「Meets Regional 家飲みミーツ」(2020.7.1発行)
 緊急事態宣言による飲食店・居酒屋の休業・自粛により取材が限られて、8・9合併号。テイクアウト、取り寄せではなく、「あの店の名物料理」のレシピの特集でした。ポンテベッキオ北浜本店・山根シェフの「煮込みペンネカルボナーラ風」、エルポニエンテアマルール堂島・中村シェフの「オイルサーデンのバスク風オムレツ」、アッローロ・ミオ・加藤シェフの「パンツァネッラ」など22点。取り寄せ品のアレンジが10点など、参考になりました。
 第二特集は、P62~65「酒のお供の大人の趣味に。今こそ上方落語を聞こう!」でした。

「土井善晴著 一汁一菜でよいという提案」(2017.5.31発行)中古本
 P90~93「作る人と食べる人の関係『レストラン』(外食)」、P94~97「作る人と食べる人の関係『家庭料理』」は、お互いの情報がどれだけ料理の評価となるか論理的に教えてくれました。飲食関係者には、正にテキストですね。

「神保町重箱総研編著 桃屋ののり平ですよ!」(1998.11.14発行)中古本
 1958年から1996年、三木のり平さんの桃屋のアニメCMを紙上再現。江戸むらさき、花らっきょう、いか塩辛、味付けザーサイ、チャンサイ、味付けメンマ、焼肉のたれ、桃屋のつゆ、桃屋のだし、などシーン写真とセリフ、ト書きなど、当時の時代背景も思い出されて愉しい。

「新潮社 波7月号」(2020.7.27発行)
 新潮社発行の月間雑誌、P34~41に「特集コロナ禍を暮す」として土井善晴さんの「おいしく、生きる。連載番外編 コロナに思うこと」。「レシピはシンプルでも、おいしい料理は複雑の結果です。」名言だと思いました。(画像③サライ~波)
「川北稔著 岩波ジュニア新書 砂糖の世界史」(1997.4.18発行)中古本
 砂糖が「世界商品」となっていく過程で植民地政策、産業革命、奴隷制度、環境破壊、利権争いによる戦争、と世界史の動向がわかりやすく説明されています。

 


(画像③)

 

 

「森まゆみ著 PHP新書 明治・大正を食べ歩く」(2004.8.9発行)中古本
 浅草、神田、銀座、深川界隈を歩き、明治・大正を感じさせるお店を訪ねたカラー新書。日本橋・たいめいけんの「オムライス」、神田・まつやの「ざる蕎麦」、銀座・煉瓦亭の「カツレツ」、資生堂パーラーの「クロケット」、天國の「天丼」、新宿・中村屋の「インドカレー」などなど、初めて食した時は感動しました。

「森まゆみ著 PHP新書 懐かしの昭和を食べ歩く」(2008.3.28発行)中古本
 浅草、銀座、神田、日本橋、神楽坂、昭和の老舗を訪ねたカラー新書。浅草・染太郎の「お好み焼き」、土手の伊勢屋の「天丼」、銀座・新富寿しの「こはだの鮨」、神田・万世の「ハンバーグ」、渋谷・まい泉の「カツサンド」などなど、こちらも初めて食した時は感動しました。

「太田和彦 朝日新書 日本の居酒屋-その県民性」(2016.4.30発行)中古本
 日本国中の居酒屋を知っている太田和彦さんによる居酒屋の県民性、「その土地を知るには、居酒屋に行け」、全くそのとおりだと思います。P23掲載の八戸市「ばんや」さん、2017年10月7日、八戸訪問時に立ち寄りましたが満席の為、場所を確認したのみでした。P27掲載の秋田市「酒盃」さん、2016年10月8日、その一か月前に何とか予約が取れて入店できました。市役所近く、秋田の郷土料理と秋田の銘酒の居酒屋のルーツのお店です。(ちりとてちんバックナンバーNo.152)P207掲載の那覇市「うりずん」さん、何度か入店してます。沖縄食文化と古酒を味わえます。

「東海林さだお著 文春文庫 コロッケの丸かじり」(2010.11.10発行)中古本
 週刊朝日掲載「あれも食いたいこれも食いたい(2005年12月16日号~2006年9月8日号)の文庫本。P46~51の「レンコンの穴」、桂枝雀師の「まんじゅうこわい」で、友達仲間が集まって、何が好きか尋ねるシーンがある。ある男が「わいの好きなんは、天ぷらやなぁ」と言うと、「天ぷらの中では、何が好きや?」「あのレンコンの穴の揚げたとこ…」を思い出してしまう。

「東海林さだお著 文春文庫 ホルモン焼きの丸かじり」(2013.10.10発行)中古本
 週刊朝日掲載「あれも食いたいこれも食いたい(2008年11月21日号~2009年7月31日号)の文庫本。P94~99の「ウニ、こわいよう」、「…とにかくとても安い値段で箱ごとのウニが自分の前に置かれたとしますね。そのとき、五さじいっぺんに口に入れることのできる人は日本にいるでしょうか」…スーパーで箱ウニが半額になっても1500円の時、頭に浮かんできます。

「東海林さだお著 文春文庫 メンチカツの丸かじり」(2018.8.10発行)中古本
週刊朝日掲載「あれも食いたいこれも食いたい(2014年1月24日号~10月17日号)の文庫本。P210~215の「ラーメンスープの残し方」、ラーメン屋でスープを残す場合、丼の底から2センチなら廻りから「何故、残したのか?」と言われないか、3センチではダメなのか、というアナログ人間の悲哀を描いた好一篇。
(画像④砂糖~東海林さだお)

 


(画像④)

 

※次回は「下篇」です。それでは、お互い、良い年を迎えられますように。毎日、お熱はかって、手洗い、洗顔、うがい、消毒をしようね。!!

 

 

2020.12.28 清八



37年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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