清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画・映画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。それでは、1月分を報告させていただきます。
今回は、こんな雑談からのスタートです。
2003年2月に、このコラムをお引き受けしての、その1に当時の編集長さんから「噺家の目から見た”食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すやら‥」と紹介していただきました。その2に書いたのですが、アマチュアの噺家で、芸名又はペンネームとしての「喜六家清八」ですが、大学での専攻が電子計算機であり、古本や古レコードの蒐集が趣味だったので「きろくや」を洒落ました。当時(52年前)まだSF映画のセットにあったような、とんでもなく大きな電子計算機の時代で、16進数のプログラムを紙テープにパンチして入力していました。OS側に保護回路とか回避回路が乏しく、人間が作成したプログラム又はパンチに1文字でも間違いあれば、その時点で止まってしまう設定でした。電子計算機自体がとんでもない価格でしたので、学生一人当たりの利用時間は厳格に管理されていました。そのため、教授から最初に教えられたのは、プログラム作成の前に完璧なフローチャート(流れ図)を作成して、論理的に問題がないと理解できてからプログラム作成に進んでも良い、という単純なルールでした。また、この当時のプログラム演習の事例は、例えばアメリカのアポロ開発時のロケット関係だったり、アメリカ軍のベトナム戦争時の軍事兵器開発だったり、旧日本軍の軍事兵器開発だったり、現在のような様々な分野での平和利用やアート・音楽・芸術分野に使われる「夢」は見ていませんでした。この時代のカリキュラムには「情報」「情報処理」「アルゴリズム」があり、単位数も多かったです。ここ数年、フェイク画像やフェイク動画が社会問題化していますが、私の頭の中には52年前に教授から教えられた「情報」「情報処理」「アルゴリズム」が組み込まれているのか?自分なりに対処できているようです。これは、政治・経済といった大きな問題ではなく、例えばAIによるグルメ感想文とか、グルメサイト内の☆評価など、新規の飲食店や新しいメニューを経験する際、かなりの確率でまだ自身の評価の方がAIより的確であったと自負しております。と、自分で自分を持ち上げておきます。
※あるAIで、この「アルゴリズム」を入力してみました。「‥料理のレシピ:材料を準備⇒切る⇒炒める⇒味付け‥という手順も、同じ結果を得るための作業手順という意味でアルゴリズムとみなせます」
これで、やっとこのコラムに関係してきましたね。
1月21日(水)、ユナイテッドシネマ豊橋で、中国映画「長安のライチ」を観てきました。13時上映回で、私を含めて観客は二人でした。唐の時代に、都・長安で下級官吏として働いている李善徳は、皇帝から「楊貴妃の誕生日を祝うため、遥か南方の嶺南の新鮮な「生ライチ」を長安まで届けよ」と、「ライチ使」にされてしまいます。飛行機も無く、冷蔵・冷凍車も無い時代です。現在では最短1200~1500kmですが、当時は2000km以上の陸路だったようです。ライチ農園の娘、投資する貿易商人、奴隷として虐げられていた男、出世のためと協力する部下など、いろいろな協力者が集まり、チームライチが結成「ライチ運送計画」を策定、何度もトライしては失敗、失敗の連続の後、ライチの果実だけではなく、ライチの木ごとの運送で「生ライチ」運送は成功するのですが、為政者側、高級官僚、お役所に振り回され、費用は人民に負担させる。まさに、現在を描いているようでした。嶺南は、広東省・広西チワン族自治区・海南省を中心とした華南地区で、熱帯・亜熱帯気候のため唐の時代から稲作・果物が豊富に収穫されたため貿易も盛んであったようです。久しぶりに食材を扱った映画を観ることが出来ました。(画像①)

(画像①長安のライチ)
■京都高等学校社会科研究会編「京都に強くなる75章」かもがわ出版(2000.12.30)中古
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最初に表紙を見た時は、京都府下の高校生達による取材・編集と思ったのですが、この研究会は府下にある国立・公立・私立のすべての高等学校および盲・聾・養護学校の社会科教員で組織されている研究会で、1947年(昭和22年)10月14日に設立されていて、社会科教育の継続研究をされている団体とのことでした。
1~5頁の「はじめに」に書かれていました。「‥豊富な歴史・文化遺産を有する京都はたしかに『観光地』ではありますが、一方で京都市は六一万世帯、約一四六万人の人々が生活する大都市でもあります。歴史・文化遺産の保存問題でも、保存だけを最優先に考えることはできないのも事実です。住む人々の生活の利便性や産業構造の発展とどう調和させていくのか、まちづくりの難しさがあります。‥」この書籍の基本データは1999年なので、コロナ禍、インバウンド政策の現在、いろいろと考えさせられる内容でした。
26~27頁に「桂川の朝鮮文化 嵐電・蚕ノ社駅~蚕ノ社~広隆寺~ほし山 文化伝えた渡来人からキムチまで」が掲載されています。「‥梅津段町の交差点から西へ100メートル程行ったところに、桃色の丸屋根のキムチ貯蔵庫が見えてきます。ここが、『キムチほし山』です。現在のご主人で二代目になるこの店は、韓国南部の味をペースにしたキムチおよびキムチの材料を販売しています。キムチに欠かせない唐辛子は、韓国産と日本産、中国産で値段が異なります。‥」と、こんな説明文が続きます。
90~91頁に「日本一美味しいタケノコの産地 阪急長岡京駅~長岡天満宮/阪急桂駅~洛西竹林公園 かぐや姫の里・乙訓の竹とタケノコ」が掲載されています。「‥観光客に安らぎを与え、京らしさを感じさせる竹林とタケノコを産する竹林の違いは、誰にでも一目で分かります。タケノコ畑は手入れがよく行き届き、十分な日差しが受けられるように、四から五平方メートルに一本の割で生育しています。雑草もなく朽ちた竹なども見あたりません。春先からの収穫を迎えるため、施肥や芯止め、親竹の更新、敷き草、土入れなど年間を通じての作業が行われているのです。‥」よ~く、理解できる内容でした。(画像②)

(画像②京都に強くなる75章)
■マリー・トレル・スナベア著「幸せになる52通りのヒント デンマーク・ヒュッゲ・ハンドブック」CCCメディアハウス(2017.12.7)中古本
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コペンハーゲン生まれのデンマーク人女優が「ヒュッゲ(hygge)、暮しの中のささやかなことに幸せを見出すためのデンマーク語」についてのガイドとインタビュー本でした。
67~70頁は「食卓にこそ、ヒュッゲは宿る」でした。「何千年も昔、私たちは狩猟採集民でした。食料を獲ると、火を焚いて食事の支度をし、仲間と一緒に楽しんだのです。焚き火が温もりと灯りの中心になって、一緒に食べるという文化が発展しました。‥時間もエネルギーも使ってホームメードのディナーやケーキを作ると、テーブルを囲んで集まることにヒュッゲな感覚をプラスします。食べ物それ自体は、何もプロ級のものであったりオシャレなものであったりする必要はありません。‥」
71~101頁には「ヒュッグリーなおいしいレシピ集」として、「イナおばさんのふっくらとしたパンケーキ」「パレのモーニング・ロール」「ルイーセのカリカリの食感を加えたポテト・サンドイッチ」「カミラ・プロムのサマー・コンポート」「りんごとロースト・アーモンドを加えたキャラメルソースのオートミール」「スノブロ」「ヒュッゲのスナック」「アーモンド・バー」のレシピが紹介されていました。私は21年前のゴールデンウィークに、コペンハーゲンスティを経験しました。日本国内の当時の消費税は5%でした。北欧の25%での物価や食生活を経験してみる事と、海上風力発電装置を見る事が目的でした。その時のレポートは、No.43~46をお読みください。その時代「地球の歩き方」には、次のように紹介されていました。「‥これは心温まる、親密という意味をもち、ことのほか異国からの訪問者に優しい、デンマーク人の国民性にふさわしい言葉といえる。」(画像③、④)

(画像③幸せになる52通りのヒント)

(画像④地球の歩き方)
■ 「暮しの手帖40号」 暮しの手帖社(2026.1.25) 新刊本
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私の高校2年生からの愛読書で、バックナンバーは1977年12月1日発行の第二世紀第51号から47年間分を永久保管してあります。
16~23頁は「ごはん屋ヒバリ」を営む田中聖子さんの「香りを楽しむ春の訪れ、山菜料理」でした。「うどと柑橘のマリネ」「ふきご飯」「せりのチヂミ」「こごみと春野菜のひよこ豆ソース添え」「わらびのしょうがみそ添え」「あきのとうのオイル漬け」のレシピが紹介されていました。「こごみ」は、もう46年位前に初めて長野県戸隠村(現在の長野市)のペンションに泊まった時、マネージャーご夫妻が「こごみ」を採って天ぷらにしていただき、初めて食べた時の感動は今でも忘れません。
96~103頁は「旬を味わう一汁三菜 稲田俊輔の新おそうざい十二カ月」で、二月のお品書きは「鍋焼き常夜うどん」「白菜とえのきのマリネ」「モッツァレラわさび」「鶏ごぼうご飯」でした。そして三月は「白身魚の唐揚げ」「ねぎ明太」「クレソンとねぎのサラダ」「鶏春菊汁」「ご飯」でした。
100頁に、足し算・引き算の理屈が掲載されていました。「‥日々の料理に変化をつける、すなわち『目先を変える』際には、ついつい足し算の発想になりがちです。普段使わない新しい調味料を買ってみようとか、使ったことのない食材に挑戦してみようとか、もちろんそれはそれで有意義ですが、私としてはむしろ引き算こそが有効なのではないかと考えています。引き算とは構造を理解することです。『構造』なんていきなり難しい言葉が出てきましたが、これは単純に言うと、本当に必要な要素だけで構成された引き算のレシピがひとつあれば、あとは食材や調味料を入れ替えて自在に応用できることを意味します。‥最後に、シンプルな料理に何か足し算をするなら、味を足すのではなく香りを足すのも目先を変えるコツです。‥」
何と素晴らしい「献立作り」の理論だと感心しました。「モッツァレラわさび」は、モッツァレラチーズを食べやすい大きなに切り、器に盛り、うま出汁と醤油を掛け、わさびを添えていただくという、「足し算」の料理ではないでしょうか。使いうちに、地域寄席の打上げ時にトライしてみたいと思います。(画像⑤)

(画像⑤暮しの手帖)
2026.2.28 清八