「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「旧暦でのあいさつから、お年玉の話になりました」

 

 清八でございます。
 ごぶさたでございます。遅くなりましたが、本年もよろしくお付き合い願います。旧暦では、今年の2月5日が元日にあたりますので、一か月遅れのご挨拶でございます。以前にも書かせていだきましたが、一年365日、一日24時間、一時間60分、一分60秒という60進法による時間単位は紀元前2000年前から考えられていた歴史があるのですが、一年365日⇒一分60秒という考え方と、逆に一分60秒⇒一年365日という考え方があるのです。そんなん、どっちゃでも同じやん、と思われるでしょうが違うんですね。日時計ってありますよね。最初の日時計って、単に円を十二分割しただけだったんです。ところが、夏と冬によって違ってきますよね。磁石によってNSの概念が確立し、地軸が定義されると、やっと日時計の棒を地軸方向に合わせることによって一日を十二分割にしても各時間はほぼ同じになるという理論になる訳です。ところが、時代が近代に進んでも、様々な時計の文字盤、またはお城、お寺からの時の鐘で、その地域の全員が、その数値で生活しているのです。「体内時計」「生物時計」っていう概念が着目されるようになっておりますね。ここで、先ほどの一年365日⇒一分60秒という考え方と、逆に一分60秒⇒一年365日という考え方が登場します。生まれながらに備わっている時間と、成長してから教えられる時間は、同じようで同じじゃないと考えられます。年齢によって、睡眠時間が異なってきたり、生活環境によっても生活時間が変わってくるようです。有名な時計会社の高級時計に25時間の腕時計があります。この時計を常に腕にはめて生活すると気分だけでなく、心拍数、脈拍数が変化したという研究もありました。実際、ヒトの体内時計は生まれた時から25時間で、朝の目覚めの時に日光を浴びることにより、通常時計の24時間にリセットされ、一年365日に適合する生活を送ることができるそうです。

 「ちょっと、ちょっと、いつものコラムと違うんちゃう、これは…」、編集長に叱られますね。実は、私は素人高座で落語を喋っておりますが、本題の前の「マクラ」を日常的に考えるようにしております。新聞、週刊誌、テレビ番組、YouTube…ネタ元は、いろいろですが、ここ三年間程、一番多いのが、NHKのラジオ番組です。三年前に車のオーディオ装置のCD操作ができなくなり、以前のようにラジオを聴くようになったのが、きっかけでした。毎日の通勤・移動・出張時はもちろん、聴けない時は「らじる☆らじる」(画像①)で聴くようにしております。

 年末年始の番組で、私にとって「お年玉」になったのは、12月24日から29日、1月2日から4日にかけて放送された「冬休み子ども科学電話相談」でした。毎年、夏休みに放送されている「夏休み子ども科学電話相談」は、34年間続いている名物番組なのですが、今回から「冬休みバージョン」が始められたそうです。時々、「神回」というQ&Aが登場します。今回は、正に「神回」でしたよ。

 12月26日放送、北海道の小学4年生の「あやかさん」からの質問でした。「人間とロボットは結婚できるんですか?また、子どもが生まれたらどんな子になるんですか?」。回答者は、電気通信大学の坂本真樹先生でした。あなたなら、どういって回答しますか?先生の回答は、「結婚できない」「生まれない」の結論の前に、人間は生物で精子と卵子という生物の仕組みがあるけど、ロボットは生物ではないから、子どもは生まれない。だけど、子どもをつくることだけが結婚ではないから、結婚はできるし、人間と協力して子どもを育てることはできる。実は、ロボット同士が結婚するというようなことは、もう研究されているんですよ」あやかさんが理解できないようなので、「そのロボット同士とか、人とロボットが協力し合うパートナーになれるってことなんですね」…、実際は、もっともっと長い回答でした。2月中は「らじる☆らじる」で聴けますから、ぜひ聴いてみて下さい。何と、やさしいわかりやすい回答かと、心がほっとしますよ。

 今年に入って、1月4日の放送でした。同じく北海道の小学4年生の「あゆみさん」からの質問でした。「私はあまり食べるのが好きじゃないので、生まれ変わったら、あまりご飯を食べなくていい動物になりたいです。でも思いつかないので、どんな動物がいますか?」。回答者は、日本動物園水族館協会の成島悦雄先生でした。この先生も結論を先に言いませんでした。「動物が食べ物を食べるのは、それはエネルギーをもらって動いたり、あるいは子どもを育てたりってことに使うためなんだよ。あゆみさんが学校に行ったり、散歩したり、山登ったり、そういう時のために使うんですね。だから、エネルギーっていうのは、生きていくためにとっても大切なわけ。僕たち、哺乳類はそのほかに体温を一定にしていかなきゃいけないわけだよね。ところが、気温に応じて体温が変われば、あまりエネルギーを使わなくて済むわけですね。答えになりますけど、ナマケモノ(画像②)っていう動物です。で、このナマケモノは、一週間に一回くらいしかね、うんちやおしっこをしないんです。ほんの少ししかご飯を食べないんです。で、周りの気温が下がってくると、体温も下がっちゃうわけ。大抵の動物は体温を下げて、頑張るんだけけれども。そうじゃないことのために、食べる量が少なくて済むわけ。だから、僕たちは、体温を保つために、あるいは、いろんな活動するために、どうしてもねご飯は食べなきゃいけないんだ。今は、あまりご飯を食べなくてもいい動物になりたいなんて思わないでさ。だってナマケモノなんか、もうなれないんだから。おじさんは怠け者だけどさ、でも、ご飯は、ご飯はいっぱい食べてるよ。あゆみさんも、ナマケモノにならないで。あの動物としてだよ。人間としてさ、ちゃんとエネルギーを貯めて、大きくなろうね。」…、このQ&Aには感動してしまいました。こんなわかりやすいあったかい回答があるのでしょうか。この時のNHKの担当アナは、藤井彩子さん、古今亭菊之丞師匠の奥様です。「あゆみさん、好きな食べ物って何なの?」「枝豆」、そしたら成島先生が「おじさん、それにビールがあるといいね。」…しばらく、沈黙があって、藤井アナが「あゆみさん、今日はありがとうございました。」この回のQ&Aも「らじる☆らじる」で聴けます。

 本当に話芸の極みです。本当のユーモアです。本当の大人の対応です。この番組が、私自身へのお年玉になりました。本当にありがとうございました。この録音は永久保存させていただきます。

 

画像① 画像②

 

https://www.nhk.or.jp/radio/

 

2019.1.30 清八



37年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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