「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

「2022年、コロナ自粛中のエトセトラを報告?します2月篇」

 

 清八でございます。「まん延防止再延長!」に入っております。毎月、「食」に関する書籍・漫画・DVDなど、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして在宅学習しております。。

それでは、2月分を報告させていただきます

 

「竹家食堂ものがたり」TOKIMEKIパブリッシング(2004.2.20発行)中古本
ラーメンのルーツは、諸説あるのですが、この本は「北のラーメン誕生秘話」として、大正11年に、当時の札幌市内「竹家」の「肉絲麺(ロースーメン)」が「ラーメン」と呼ばれるようになった、とレポートしています。大正10年に小樽出身の大久夫婦が北海道大学前でカレーや丼物の食堂を始めたが、寒い北海道には中華料理が合うと考え、中国人の料理人・王文彩を雇い入れたところ、「肉絲麺」が人気となるが、日本人客は「ロースーメン」と言えなかった為、厨房内の料理人が「好了!(ハオ・ラー)」と言ってホール係に渡しているのを経営者夫婦が聞き、「ラーメン」とカタカナ名をつけて定番化していった、という内容です。私は、戸籍年齢68歳になったのですが、実家の父が昭和15年頃に徴兵されて、旧・満州に行っていた為、子供の頃に、この肉絲麺を作ってくれたり、浜松から豊橋市内の「支那そば」屋に連れてって食べさせてくれました。当時は、鶏ガラのしょうゆスープのみでしたが、月一回、「給料日」のお楽しみでした。だからなのか、濃厚とんこつスープとか、具全部のせラーメンなどは、あまり好きではありません。(画像①)


(画像①竹家食堂ものがたり)

 

「しゃべるばかりが能じゃない」毎日新聞出版(2020.3/30発行)中古本
昨年11月28日に開催出来た、第91回本果実寺寄席「第四回立川寸志の会」に来演していただいた立川寸志さんの師匠、立川談四楼師の著書です。今回は、プロの噺家がご指導する「伝え方の極意」の一冊でした。38~41頁に「会話は、相手と自分が7対3」という一文がありました。
「会話のキャッチボールは5対5といわれますが、実感としては、自分が3くらいのほうがいい。それで相手に『5対5』と思ってもらえます。2人で30分話したとして、本当に15分ずつだと、2人ともどこか話し足りない感じが残っているはずです。相手が目上なら、向うに話してもらうようこちらが気遣いましょう。」
69頁に、「祝辞は大げさなくらいがはまる」の一文がありました。この「祝辞」は婚礼の「祝辞」です。
「話し言葉は書き言葉と違い、口にするとすぐ消えていきます。だから、繰り返すとか、大きな声で言うとか、『やや過剰』なくらいがちょうどいい。やりすぎかな、というくらいで相手にやっと届く、と思っておけばいいでしょう。演じる側と見る側とでは、それくらいギャップがあるのです。人がたくさんいる会場では拡散し、薄まっていくのかもしれません。」
いかがでしょうか、参考になりますね。(画像②)

 


(画像②しゃべるばかりが能じゃない )

 

「安倍夜郎著深夜食堂12」小学館(2014.3.5発行)中古漫画本
今号のお品書きは、「トマトと卵の炒めもの」「焼肉定食」「ニンニクのホイル焼き」「鳥団子入りにゅうめん」「春巻き」「メンチカツ」「ブロッコリー」「野菜のかき揚げ」「にんじん入りハンバーグ」「アボガド」「チャーシュー・メンマ・味付け玉子」「ニシンの山椒漬け」「とろろごはん」「セロリ」「ポテサラハム巻き」でした。第163夜「野菜のかき揚げ」では、めんつゆでちょっと煮立てて味をしみ込ませたかき揚げを丼仕立てが登場しました。私は、65歳で第二の定年退職後の生活で、特にこの「コロナ禍」での「外出自粛」時の昼飯は、自炊が増えてきました。半年位は、「穴子のてんぷらうどん」を続けたのですが、この半年位は「かき揚げのてんぷらうどん」が続いております。もちろん、天ぷらとうどんの玉は市内のスーパーで購入ですが、出汁は「マルシマおつおだしの素」と薄口醤油で、その都度つくっております。(画像③)

 


(画像③深夜食堂)

 

「クロワッサンNo.1063」マガジンハウス(2022.2.25発行)新刊本
今回、購入の目的は、80~83頁の「お茶の時間落語最前線①柳亭こみち.弁財亭和泉さん」、94~95頁の「着物の時間569桂小すみさん」、98頁の「たいっしー&ふなっしーの、幸せを呼ぶ悩み相談室21」と、落語・演芸に関する頁を読むためでした。ところが、今回の特集は、「野菜たっぷり!献立に困らない!作り置きレシピ。」なんです。「ミニトマトのはちみつレモンつ漬け」「ゆできのこのオリーブマリネ」「ほうれんそうと油揚げの卵とじ」「にんじんの白和え」「もやしと油揚げの芥子醤油和え」「長ねぎの白ワイン煮」「ブロッコリーのお浸し」「にんじんのスパイスサラダ」などなど、100点以上のレシピが掲載されていて、非常にお得な号でした。(画像④)

 


(画像④クロワッサン)

 

先ず、「ごめんなさい」と書いておきます。ここから、「食」コミュニケーションとは次元の異なる内容になります。みなさま、御存知のように2月24日からロシアのウラジミール・プーチン大統領がウクライナへの本格的な侵略行為を続けております。今号がアップされる頃には、どのような状況になっているのか全く予測出来ませんが、この号を書いている3月6日時点での私個人の思いで書かせていただきます。

2020年から発行されている漫画本があります。小梅けいと作画「戦争は女の顔をしていない」です。(画像⑤)これまでに2巻が発行されていて、3巻が3月26日に発行されます。2015年にノーベル文学賞を受賞されたスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチによる、第二次世界大戦に従事した女性たち500人の聞き取りをまとめたノンフィクション文学なんです。その原作本を速水螺旋人が監修、小梅けいとが作画を担当され、発行されております。

その第一話は、1941年のキエフ、現在のウクライナの首都から始まります。第二次世界大戦、6月22日にドイツ軍がキエフに対する空爆が開始されます。志願して、従軍洗濯部に配属された看護婦のエピソードから始まります。極寒のロシア戦線に送られた女性の洗濯兵が体験した事実が語られます。1985年に本は完成されたのですが、二年間は出版が許可されず、ペレストロイカ後に出版され、日本語版は2008年に発行されていました。この2巻で、12話が収録されています。「どこでも、口にしちゃいけないよ。これはあんただけにこっそり言うんだからね。」ご想像されるエピソードが淡々と描かれていきます。映像化は「困難?」と思います。日本の漫画家の描く技術だから可能になったと推察致します。巻末の監修者のあとがきは必読の内容です。私は、この漫画本は全国の中学校図書館、公共図書館に置かれるべきだと思います。もし、書店に行かれましたら、立ち読みで一つのエピソードでも見て下さい。

 


(画像⑤戦争は女の顔をしていない)

 

 私は、昨年4月から湖西市新居町内の元・芸妓置屋「小松楼まちづくり交流館」で管理事務員としてパート勤務をさせていただいております。業務内容は、館内のガイド、関所周辺のご説明、館内ギャラリーのプロデュースや設営・撤去、集客イベントの企画・運営などです。1月28日から3月6日までは、玄関入って直ぐの処に、京都・永楽屋さんの「私は昔『桃太郎』と云われていました」手ぬぐい(画像⑥)を、「疫病退散」を祈念して展示しておりました。西日本では、今回の「コロナウィルス禍」のように疫病が流行った時は、桃太郎さんに「鬼退治」してもらおうと各家々では手拭ぐいや人形を玄関や床の間に置いて、祈念してきたのやそうです。新居町は、半分は関西文化ですから、展示させていただきました。

 


(画像⑥小松楼まちづくり交流館)

 

さて、3月8日から同じく京都・永楽屋さんの「再会」手ぬぐい(画像⑦)を展示させていただきます。昭和11年デザインの復刻版なんですが、「月明かりの下、手をつなぎ見つめあう男女の姿」を描いています。今回の説明文には、「東欧で避難されているご家族が、一日も早く再会され、愛にあふれた日々となりますように」と付け加えました。

この内容については、永楽屋の専務さんのご承認をいただいております。ご興味がありましたら、現物を見に、ご来館願います。

 


(画像⑦「再会」手ぬぐい)

 

小松楼まちづくり交流館 http://www.a-machinet.org

2022.3.9 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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