「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

「落語無観客配信の話から、これからの飲食業の話になりました」

 

 清八でございます。ごぶさたしております。
 前回、桜の花が満開の頃、「近い将来…コロナ収束の希望…」と書きました。

「緊急事態宣言!」
「他県移動自粛!」
「休業要請!」
「外出自粛!」
「ソーシャルディスタンス」
「ステップ1」
「ステップ2」
「ステップ3」

 次から次と聞きなれない熟語や用語が登場し、未消化(私だけだったかもしれませんが)のまま、月日が経っていった日々でした。私は、社会人落語家?なのですが、38年間、企画・開催してきた地元での地域寄席は、3月、5月と連続して「中止」致しました。初めての経験となりました。浜松市内の各協働センターでの講師としての各席も、全キャンセル、半年以上前から予定に入っていた浜松市内、湖西市内の各種団体での各席も当然のように全キャンセルとなりました。

 プロの世界では、東京都内の寄席・演芸場は、4月、5月と「休席」、6月1日から浅草演芸ホールと新宿末広亭が観客100席で再開、「ステップ3」からは170席となっています。私が定期的に通っている他市での落語会も会場は使えるようになったんだけど、「中止」「延期」が続いております。「ステップ3」(画像①)になっても定員の半分以下なので、チケット代を倍以上にしないと赤字になってしまう訳です。大ホールで予約のみで完売になっていたコンサート、イベントは観客を減らす方法が無いため「中止」せざるをえないのです。「新しい生活様式」「業界毎のガイドライン」など、業種業態で様々な対策が考えられ、実施に移されております。


(画像①)

 

 新聞紙面、テレビニュースで御存知の方もおられると思いますが、仙台に「花座」(画像②)という常設の寄席があります。2018年4月、仙台市青葉区内に誕生した定員40席の小さな寄席です。東京・大阪の噺家・漫才・色物さんと東北地元の芸人さんたちが毎日「笑い」を提供、新たなマーケットになりつつありました。ところが、3月から5月は「休席」、6月1日から再開しております。その再開初日の様子をテレビ、ラジオで取り上げられておりました。換気の為、何と、壁を壊して窓を設置したとか、高座前にアクリル板を設置して、高座と最前列を必要以上に開けないようにしたり、椅子の配置を工夫して15席でスタートされたそうです。

 


(画像②)

 

 東京の神田にある「神田連雀亭」は、定員38席、7月1日からの再開では、高座前にアクリル板を設置、定員を19席とする予定とか。「無観客動画配信」…、御存知だったでしょうか。プロ野球は、6月19日から無観客で開幕、テレビ・ラジオで放送も開始されておりますね。落語は、早かったですよ。もう3月上旬から、ご自宅、定期的な開催会場内、そして寄席・演芸場の高座、映画館内からと、無料・有料の配信が続けられております。元々、ラジオ・テレビ局内のスタジオで無観客での録音・録画・生放送など仕事として、かなりの頻度でありましたから、慣れていたのだと思います。それに「You Tube」の時代ですから、聴いたり・観たりする側の抵抗も少なかったのだとも思います。

 私は、約二か月で80本近くをダウンロード、10GBは保存することができました。今回、一番嬉しかったのは、もし、寄席・演芸場が休業されず毎日、噺家・芸人が高座にあがっていたら、聴けた「マスク、定額給付金、持続化給付金、都知事のカタカナ語、ソーシャルディスタンス、新しい生活様式」などがそれぞれのマクラで毎日のように喋られていて、本当に有意義な経験をさせてもらえた事です。古川柳にある「噺家は世情のアラで飯を食い」、何でもネタにして、タブーはおそらく無い。テレビ、特に民放の番組では言えない内容のオンパレードでしたよ。

 ここまでは、私の専門領域で、地方ではあまり報道されない内容で、失礼致しました。様々な業種業態、生活環境の中で、考えつく感染予防案が生れ、試行されております。幼稚園児、小学生たちが登下校(園)する時は、日傘をさしてソーシャルディスタンスと熱中症予防をしようとか。大阪地区の学校給食では、「配膳」する・させると感染のリスクがあるから、「配膳」の副食は止めて、パンと牛乳とプリンを各自が一個ずつ持っていく給食内容なんだそうですね。

 6月17日に98日ぶりに他県に移動しました。ユナイテッドシネマ豊橋で「ストーリー・オブ・マイライフ」を観に行ったからです。私は、湖西市新居町在住ですが、新所原までは移動しても二川から西へは行きませんでした。「正直?」に県外移動を自粛していたのです。この映画館のトイレ、当然、男性用ですが一つ置きに使用可になっておりました。

 私は、テレビよりもラジオ番組を聴く事が多いのですが、「新しい生活様式」「コロナ以降の生活・仕事」というテーマが増えてきました。当然と言えば、当然なのですが、例えば住宅・建築関係では、建築家の堀部安嗣さんが「小さな家」づくりを提唱されています。堀部さんは横浜生まれですが、浜松育ちです。外出自粛、移動自粛、大きな集まりへの参加自粛によって、家で過ごす事が多くなって、閉塞感や家庭内のコミュニケーション不足、ストレスなどが高まってしまうことが増えてきました。これまで都会、特に東京では「小さな家」に住み、なるべく大きな場所に出かけて過ごす。例えば、大型遊園地、大型イベント会場、大型ショッピングセンター、地方のリゾートホテルで過ごす。これが都会人の生活パターンでした。それが、今回の新型コロナの影響により大多数の方ができなくなりました。ですから、これからの「家」「敷地内」は、過ごす時間が増えてもストレスにならないように設計・建築する傾向になるという考え方なんです。元々、日本の人口が少ない時代でも平地は少なかったので、京都の何百年と続いている老舗のご自宅でも、大阪・船場の商家でも「小さな家」を建てて、ひっそりと暮らしてはります。決して、タワーマンションとかプールやテニスコートのある家には暮らしてません。「小さな家」でも、中に書斎や音響・映像・通信機器があれば、これからのテレワークも考慮して、過ごしやすいと思います。

 飲食店、食材関係について書かせていただきますね。ヨーロッパ各地のレストランでも新型コロナの影響で休業が続いたり、客数が激減、廃業が出ているようです。すると、商社とかコンサル会社が「コロナ以降のレストラン経営…」というようなセミナーを始めたり、営業に廻っているのだそうです。近い将来、日本国内でも展開されるようです。もちろん、日帰り・ランチ付きで、3万円?というセミナーも現れるんでしょうね。そこで、私が知ってる範囲の情報を無償提供させていただきます。

 ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど、観光客が激減した国・地区では、地域住民が「ハレの日」に利用できるレストラン、「普段使いできるレストラン」化をアドバイスしております。価格設定、コスパの見直し、「地産地消」を進める、安全・衛生・清潔を配慮、飲食を愉しむ人たちに「ここちよい場所」にする。これって、3万円のセミナーに行かなくっても、ご理解いただけますよね。

 これまで地道に飲食業に携わってこられた方々には「何をいまさら…」「そんな事、これまでもやってた…」ですよね。そうですよね、新型コロナ以前から「飲食業」は「清掃業」を理解され、トイレ・手洗い・厨房・客席・玄関…、すべてオーナー及びシェフが関われる所全部に「安全・衛生・清潔」を配慮されれば、お客さんは戻って来られます。次亜塩素酸水を噴霧したり、ハイターを直接床に撒いてモップで拭くことでもありませんよ。

 すんません。しょうもないアドバイスですが、この「Salt.com」の関係者全員に「エール」を送ります。

 ところで、6月20日は「天赦日」と「一粒万倍日」でしたね。「天赦日」は「天がすべての罪を許す吉日」、「一粒万倍日」は「一つのことが万倍になる日」と、言われています。きっと、近い将来、野にも道端の植込みにも、美しい花が咲くことでしょうね。

 

2020.6.21 清八



37年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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