「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

「2022年、コロナ自粛中のエトセトラを報告?します7月篇」

 

 清八でございます。毎月、「食」に関する書籍・漫画•DVD など、主に中古品を探しては買い求め、読んだり、観たりして学習しております。

それでは、7月分を報告させていただきます

 

■「安倍夜郎/佐古文男著 四万十食堂」
双葉社(2014.7.19発行)中古本

  あの「深夜食堂」の漫画を世に出された、安倍夜郎さんは高知県中村市出身、そして佐古文男さんも中村市出身。このお二人が、四万十流域の食材やうまいもん、名物料理を取材、紹介されている。見出しには、「四万十川の幸」「土佐湾の幸」「山の幸・田畑の幸」「四万十の地酒」「皿鉢料理」「三原のどぶろく」「清水さば」「うつぼのタタキ」「ひがしやま」「鰤へらずし」「きびなご丼」「宿毛の芋焼酎」「日戻りカツオ」「土佐ジローの卵かけごはん」と並べられていて、もう、どんなうまいもんなのか、興味津々。116~119頁に、高知県幡多郡黒潮町の「日戻りカツオ」が紹介されている。主に近海で、釣ったその日に水揚げされた日戻り漁のカツオのことを言うのだそうです。高知県は全国一のカツオ消費県なので、「カツオたたき定食」「カツオさしみ定食」「カツオコロッケ定食」「カツオたき丼」「カツオ漬けマヨ丼」「カツオの湯かけ丼」「カツオたたきバーガー」など、食し方が多様です。

 私は、2018年10月に、気仙沼、森岡、一ノ関と震災・津波の復興状況を見させていただきながら、地元の居酒屋巡りをしたことがあります。(ちりとてちんNo.165)気仙沼の「不動の沢」駅近くの「和醸酒一杯屋 梟」という居酒屋さんに入りました。そこで、カツオの塩たたき」を食しました。日本酒には、醤油よりも塩の方が合うようなんですね。(画像①)

 


(画像①四万十食堂)

 

■「小山愛子著 舞妓さんちのまかないさん①」
小学館(2021.9.15発行)中古漫画本

 2019年度の「小学館漫画賞少年向け部門受賞」作品で、累計発行部数は、200万部とか。京都の芸妓置屋で共同生活する舞妓さんたちの日常生活。青森から舞妓になるために来た16歳の主人公が、早々に「お止め」となり、「まかないさん」として残されたが…。第一巻では、「パンプディング」「親子丼」「三角のおにぎり」「ポテトコロッケ」「みそ貝焼き」「ケチャップソースのハンバーグ」「チョコマフィン」「カレーライス」「ひっつみ汁」が登場してました。

 第7話「おうちのカレー」に、置屋さんでは絶対「カレーライス」は作れないし、食べられない理由が描かれていました。客の殆どが男性である花街では、里心がつくような「おうちのカレー」の匂いは、ご法度ということです。台所や一緒に食事する部屋に、カレーパウダーや香辛料の匂いがこもって、髷や着物、足袋に匂いがつくこともありますからね。究極の接客業なので、にんにくの入った料理とかパクチーとか、あかんのでしょうね。鴨川の納涼床では、かなり前から「エスニック料理」や「四川料理」が登場して、かなりの香辛料の匂いが漂ってましたけど、ほんまもんの舞妓さん、芸妓さんたちは、基本、お座敷では食べませんもんね。(画像②)

 


(画像②舞妓さんちのまかないさん )

 

■「文藝春秋 七月特別号」
文藝春秋(2022.7.1発行)新刊本

  グラビアの「日本の顔 春風亭小朝」と、ビートたけし「上島竜平はなぜ死んだ?」を目的に購入したのですが、84~86頁に、福島県本宮市にある「ぬか茂菓子店」の糠澤正之専務のエッセイ「福島かりんとう騒動記」が掲載されていました。今年三月下旬、ブリュッセルで開催されたG7首脳会合の時、ジョンソン首相が岸田首相との会談時に、福島のかりんとうを持ち込み、「フクシマ・ビスケッツ、アールグレイティー・フレーバー。サンキュー」と絶賛されたという出来事がありました。これが、創業明治12年、同店の「かりんとう」でした。レシピを公開されていました。

 「私の作る、かりんとうは普通のとは少し違います。小麦粉や塩で作るのは同じですが、バターたっぷりのシロップをまとわせ、カリッではなくサクッと、ビスケットとパイの中間のような食感に仕上げています。ジョンソンさんお気に入りの紅茶味は、香料ではなく本物の茶葉の粉末を使っています。ハチマツ、シナモン、しょうゆ、味噌、酒粕の味も作っていますが、定番の黒糖味は出していません。他がやらないことを、というのが私なりのこだわりです。」(画像③)

 


(画像③文藝春秋)

 

■「高橋良枝著 愛しの油揚げ」
文藝春秋(2016.2.25発行)中古本

 昨年11月27日に、豊橋市駅前大通り二丁目81番地に開館した「豊橋まちなか図書館」。「まちなか図書館開館準備室」が計画を公表された2014年頃から定期的に準備段階の公開セミナーに通っていましたので、本当に、本当に期待をしておりました。開館後、初めて入館出来たのは、12月4日でした。それから何度も、何度も通っております。その時のランチは、斜向かいの「水上食堂」さんにしております。もう、夢のような、夢のような公共図書館なんです。書架が高くなくて、お子さんや高齢者、体の不自由な方が無理なく、本を手に取ることが出来ます。閲覧ゾーンが広く、個人からグループまで分かれて、滞在出来ます。カフェもありますが、お弁当と飲み物持ち込みで一日居ることも可能です。トークイベントや上映会、出版講演会、も常時企画、開催されています。キッズスペース、インターナショナルスペース、アウトドア・演劇・映画・音楽・スポーツ・料理・健康などの活動スペースも充実です。もう、ワンダーランドになっています。ぜひ、一度、体験に行って下さい。

 さて、先月に行った時、料理ゾーンで見つけたのが、この一冊で、後日、古書店で購入出来ました。あの、普通にスーパーなどで売られている油揚げを使った簡単レシピが80掲載されていたのです。焼き油揚げを三等分にして、いろいろな具材を乗せるだけ。「モッツァレラとトマト」「ミモレットと梨」「クリームチーズと葡萄」「オイルサーディンとトマト」「ツナ缶とリンゴ」「アンチョビとゆで卵」「塩鮭と玉ねぎ」「スパムとレモン」などなど。えぇ、本に出合えさせて、ありがとうさんです。涼しくなったら、コロナ前のように「わいわいワイン会」を復活させたいので、参考にして、時々、試作・試食を続けておきます。(画像④)

 


(画像④愛しの油揚げ)

 

 

■「建築知識 8月号」
エクスナレッジ(2022.8.1発行)新刊本

 元々は、建築関係の業界誌なのですが、今回の特集が「日本の家と町並み詳説絵巻」でした。「16~19世紀末の京都」「「18~19世紀末の京都の町家」「16世紀末~19世紀の江戸」「18~19世紀の江戸の町家」「18~19世紀の裏長屋」「17~19世紀後半の家・道具」「17~19世紀の盛り場」など、イラストで詳細に説明してくれています。「火の見台」と「火の見櫓」の違い、長屋の雪隠(便所)の江戸と京阪の違い、「水引暖簾」と「長暖簾」「太鼓暖簾」の違い、などわかりやすいイラストです。私は、素人ですが落語家なので、このようなイラスト表示は、今更ながら助かります。「落語」は、お喋りだけの芸ですので、お客様の頭の中にイメージしていただけないと、話が進まないのですが、自分の頭の中にもイメージ出来ないと、お客様に伝えられないのです。104~105頁に、飲食店向き「用途別・建築法規」として、「飲食店の避難規定をさらに極めるんだポン」が掲載されていました。このあたりが、業界誌ですね。屋外階段を木造にする場合の注意点、屋外避難階段の構造、屋外広場等の避難規定、直通階段や各居室から屋外への出口までの歩行距離の上限など、雑居ビルなどの火災や津波などでの避難対策として、改訂されているのだと理解出来ました。(画像⑤)

 


(画像⑤建築知識)

 

 

■「暮しの手帖 19号」
暮しの手帖社(2022..7.25発行)新刊本

 今号の特集は、120~127頁「戦争を語り継ぐために」。小澤俊夫さん、金田茉利さん、そして、高橋源一郎さんからのお話でした。高橋さんに「なぜ、かつては『退屈』と思っていた戦争を知りたくなったのですか?」という編集部からの質問に、「『この世界の片隅に』を見たことも、理由のひとつでした。僕の母とあの映画の主人公・すずさんは、ほぼ同じ年です。舞台は広島の呉市ですが、母も呉にいたし、原爆投下の日に広島に入るつもりだったのに鉄道の切符が手に入らず、それで被爆を逃れたりもしている。つまり、僕には主人公が母のように思えました。あの作品がすごいのは、日常描写の細部にこだわり、この国の集団的な記憶を空気感ごと再現したことです。現代の17歳にも伝わる。あれを見て、僕は過去を知りたくなって、母が生前に書いていた自伝を読んでみたんです。興味がなくて、十数年も封も切らずに放っておいたのにね。」

 104頁の「暮らしのヒント集」に、「家電製品の取扱説明書を読み返してみませんか。誤った使い方や、知らなかった便利機能に気づけるかもしれません。」という一項がありました。私は、もう10年位前から、リサイクルショップで、CDラジカセ、LDプレーヤー、ラジオ、オープンリールデッキ、VHSデッキなどを購入してきたのですが、取扱説明書が付いていない場合、ネット上でダウンロード出来る機種があります。とりあえず、全部読んでみると、全く知らなかった操作を知ってうれしかった事がたびたびありましたね。(画像⑥)

 


(画像⑥暮しの手帖)

 

 

 「別冊ちりとてちん」には、毎回掲載させていただいてきましたが、7年前から湖西市新居町内の元・芸妓置屋「小松楼まちづくり交流館」のお座敷で、秋には「お月見落語会&邦楽演奏会」として企画・出演してきました。一昨年9月からは、そのお座敷をギャラリーとしてお借りし、私が以前に制作していた「鉄道ジオラマ」や「木製おもちゃ」、大好きな京都・永楽屋さんの手拭い、50年間の落語・寄席関係の蒐集品の展示などで、来館者に喜んでいただけたと、自負しております。

 その「小松楼まちづくり交流館」は、湖西市より指定管理として、「NPO新居まちネット」が契約していただき、管理しております。私自身は昨年4月から週20時間未満のパート契約、館内及び新居関所周辺のガイド、ギャラリーの企画設営、集客イベントの企画運営などに関わらせていただいております。それが、この8月4日からNPOの理事として関わることになりました。「芸妓置屋」の親父になりました。仕事の内容は、今までと同じですが、新しいギャラリー展示内容、集客イベントを考えていきます。ご興味がありましたら、お立ち寄り下さい。約120年前の建物です。月曜日休館で、9時から17時まで、開館しております。駐車場は、新居関所と南側の第二駐車場の二か所、その駐車場から歩いて5分です。(画像⑦)

 


(画像⑦小松楼まちづくり交流館)

 

 

2022.8.13 清八



38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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