「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

「ライブ・沖縄あるある・ハブ篇」

 

 清八でございます。ごぶさたしております。
 11月29日、私のホームグラウンドである湖西市新居町の本果寺さんで第88回本果寺寄席「第六回柳亭市弥の会」を開催させていただき、満員御礼「大入り袋」となりました。私も主催者特権で素人前座を務めさせていただきました。今回は自作の「沖縄あるある・ハブ篇」を口演できましたので、このコラムにそのまま掲載させていただきます。今回は、こんなメクリも用意しました。「マスクは外さずお笑い願います」「本日の笑いはお持ち帰りできます」出囃子~♪♪♪(画像①②第88回本果寺寄席の会場)


(画像①)

 


(画像②)

 

 場内、割れんばかりの拍手をいただきまして、ありがとうさんでございます。今日、浜松のアクトシティ大ホールで浜松交響楽団の定期演奏会がありました。3月の予定がコロナの影響で「中止」となり代替えやったそうです。この日程が決まったんが8月でして、関係者にお話しを伺いましたら、コロナ対策で、たいへんやったそうですね。オーケストラですから、舞台上の演奏者が多いんです。演奏者と演奏者の間にアクリル板を置いたり、間隔を開けたりね。あのぅ、オーケストラですから、正面の中央に指揮者がおられますね。この指揮者の対策は、どうしたらええやろ?いろいろ考えたんやそうです。結局、指揮者の周りぐるりにビニールシートを設置しようとなりまして、3m四方に支柱を立てて、ビニールシートを貼って、その中で指揮をしていただこう、という案が決まったのやそうです。しかも、高さも3m位なんです。練習は、この中でやってたと言うんですが、本番の一週間前になって、「何ぼなんでも、これでは、客席から見ても、演奏者から見ても、あかんやろぅ?」という事になって、取りやめになったんです。ところが、このビニールシートの枠を作ってくれたのが、アクトの大道具方で、いろいろ調べて一生懸命、つくってくれはったんですって。せっかく、本番に使ってくれると思ってたら、残念や…という意見が指揮者の耳に入りまして、妥協案が出たんです。ビニールシートは無しやけど、四隅の支柱は使おう…。ホンマに今日、使ってたんですよ。演奏会だと、終演後に「花束贈呈」ってあるんです。この時に、この四隅の支柱から入ってはいけない…という目安にしたそうなんです。これが、いわゆる「結界」なんです。ここの高座の前の赤い柵、ありますね。これも「結界」なんです。

 来年のカレンダーね。いつもやったら11月から徐々に売れていくのやそうです。それが、今年は10月からやそうです。今年は、コロナの影響で「中止」「中止」、もう今年は何も無い?もう一日も早く来年になって欲しい、という気持ちが働いているのやそうです。来年のカレンダー、誰が何と言うてもダントツ一位は「鬼滅の刃」、御存知ですか?映画館での興行収入が259億円ですからね。小学生でも買えるように、500円、1,000円、2,000円、3,000円…1万円まで20種類あるんです。ところが、世の中ちゅうのは、おもろいもんで、伏兵が出てきたんですね。何やと、思いなはる?何と一位は、あの宮崎美子さんの「還暦ビキニ・カレンダー」なんやそうですね。こちらは1種類なんですよ。「いかに、スケベな男が多いか?」という結果でございますね。

 今年は、コロナの影響で、いろいろ中止になりましたが、かわいそうなんは、修学旅行…。二泊三日の県外が一泊二日の県内、日帰り、「中止」いうのもありますからね。私、昨年の12月に「沖縄あるある」という噺こしらえたんです。ご記憶されていると思いますが、あの首里城が焼けてしまいました。修学旅行の半日コースに入っていたんです。少しでも支援させていただこうと、この噺を今年の2月までは喋ってたんですが、3月以降は「中止」、久しぶりなんですが、昨年12月の会でお聴きになられた方が「あぁ、去年、聴いた!」と言われんのも何なんで、別バージョンを急遽、こしらえまして、本邦初演でございます。

 今日、お越しのお客様の中で、20年以上前に沖縄へ観光旅行された方、おられますか?ご記憶やと思いますが、観光バスでお土産物屋さんに連れていかれると店頭に「ハブとマングースの対決」というショーがあったんです。20年前に動物愛護法で禁止になってるんです。ハブは「毒蛇」ですから、怖いんです。何で、「ハブとマングースの対決ショー」があったか、と言いますと、沖縄は、戦後、本島も離島も焼け野が原になってて、復興していくんですが、先ず、蛙、鼠、爬虫類なんかが異常に繁殖したんやそうです。その中で「ハブ」が繁殖して、人間に噛みつく被害が増大したんです。そこで、ハブの天敵を探して沖縄県内に繁殖させようと、世界中を探したそうなんです。ある調査団がインドに行ったんです。インドには、あの「コブラ」がいるんです。コブラも毒蛇、ハブも毒蛇、これは毒蛇の「天敵」が居るに違いない。そう思って、現地の方に聞いて回ったんですって…。当時ですから通訳がえぇかげんでして、「マングース」を見せられたんですって…。すぐに「100匹、沖縄へ輸入…」という話がまとまって、初めて沖縄の地に放たれたのやそうです。ところが、後から聞いたらヘビは「夜行性!」なんです。マングースは「夜行性やないんです!」。天敵どころか、インド国内でもマングースとヘビが出合ったり、戦うことはなかったんです。当然、沖縄に連れて来られても、困りますなぁ。そこで、「マングース対ハブの対決ショー」になったという訳でございます。

 ハブは毒蛇ですから、怖いんですよ。今、観光協会に聞いても、旅行会社に聞いても、「ハブはめったに現れませんよ」言います。ところが、現地に行ってみると、公園とか庭園、畑の周辺には、「ハブに注意しょうね!」の看板がぎょうさん立ってるんです。

 もう18年前になるんですが、沖縄の離島にキャンプしに行ったことがあるんです。キャンプ道具持っていけないので、バンガローを借りたんです。食材だけ買えば、コンロも炊飯器も冷蔵庫もついてる新築のバンガローでした。今と違いますから、村役場に手続きに行ったんですね。五月のゴールデンウィーク中で、観光課の日直の職員さんがおりました。そのカウンターに島の観光パンフレットとバンガローのパンフレットがあったんです。「このパンフレット、いただいてもいいですか?」聞いて、取ろうとして何気なく、その横を見たら、カウンターに大きな字で「この村には、ハブはおりません!」って書いてあるんです。何気なく、その職員さんの顔見たら、急に真顔になっていくんです。別に、こちらから聞いてないんですよ。ほたら、その職員さんが、「あのぅ、この島には。ハブはおりませんから…」って言い出したんです。それから、奥にいてる別の職員に向かって、「なぁ、この島には、ハブはいないよなぁ」って同意を求めてるんです。ほたら、その職員が奥からカウンターに来て、その職員も真顔になって「はいっ、この島にはハブはおりません!」って復唱したんです。

 「ははぁ、これはハブはおるなぁ…」。バンガローのキーを受け取って、すぐ近くの現地に着きました。何と、バンガローは二棟あるんですが、ぐるりをフェンスで囲まれているんです。そのフェンスは、細かい網なんですが、真直ぐ立ってないんです、高さが3m位あるんですが、上にいくほど外側に反ってるんです。フェンスの一か所が出入り口になっていて、「出入りする時は、ハブに注意して下さい」って書いてあるんです。「やっぱ、いてるやないか」。そのフェンスの周りが草地なんですが、そこの看板にも「この草地にハブがいるかもしれないので、絶対に立ち入らないで下さい」って書いてあるんです。借りたバンガローの出入り口に行ったら、又、看板があって「出入りする時は、ハブに注意して下さい」って書いてあるんです。バンガローに入ったら、新築で、ベッドルームがあってシャワールームがあって、トイレ、冷蔵庫、いたれりつくせり、なんです。中に入って初めて気が付いたんですが、屋根の方にいくほど外側に反っていて、左右の窓に細かい目の網戸がつけてあるんです。上に天窓があって灯りが入るようになってるんですが、その天窓にも細かい網の目の網戸がつけてあるんです。で、それぞれの網戸の下に「お休みになる時は、この網戸も閉めてお休み下さい」。

 室内は、クーラーがありましたよ。大丈夫かいなぁ、と思いながら晩御飯の支度を始めたんです。ほたら、隣のバンガローの裏から煙が出てるんです。火事?なんです。急いで、外に出てみたら、お隣の方が丼やボールでリレーしてるんです。そこで、お手伝いしながら、伺ったら、突然、裏の草地から煙が出て炎が見えたんで、村役場に電話して、ホースもポリバケツも無いので、とりあえず丼とボールを使って水をかけてるんです、とわかったんです。

 まもなく、「カンカンカン!」、村の消防自動車が到着したんですが、乗ってる消防団員三人とも帽子はかぶってるんですが、上はTシャツ、下は短パン、足元はゴムぞうりなんです。顔見たら、真っ赤なんです。日に焼けての真っ赤ではないんです。明らかに、酔っぱらってるんです。おそらくは、連休期間中で、同僚と飲んではったんでしょうね。車から降りて、ホースを外して、ポンプに繋げようとしてるんですが、酔っぱらってますからね、繋げられないんです。何回も失敗するんです。余計な事と思いましたが、手伝ってあげたんです。さぁ、今度はポンプをかけようとするんですが、酔っぱらってますからね、かからへん。これも手伝ってあげて、ようようホースで放水が出来るようになったら、団員の一人が、Tシャツ、短パン、ゴムぞうりのまま、草むらに入っていくんです。あの、「ハブがいるかもしれないので、絶対に入らないで下さい」の草むらに…。もう、何がなんやら、わからへん状態でしたね。消火が終わった後、その団員さんに聞いたんです。「あのぅ、ハブがいるかもしれない草むらに、ゴムぞうりで入っていかれましたが、何とも無いんですか?」ほたら、その団員が「なんくる、ないさぁ」言うてました。

「沖縄あるある・ハブ篇」でございました。

(画像③④当日の出演、柳亭市弥さんの一席目と二席目です)


(画像③)


(画像④)

 

 

 

2020.12.5 清八



37年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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