「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

「ディープな沖縄、その4」

 清八でございます。

 前回の続きでございます。いろいろな沖縄ガイドブックに取り上げられているので、ご存知だとは思いますが、沖縄の大衆食堂には和洋中、もう、ありとあらゆる料理の短冊がかけられていて、今日はこれを食べようと心に決めていても、悩んで悩んでしまうグルメワールドなのですよ。昨年、北部の大衆食堂に入ったところ、客席数がカウンターも含めて40、厨房にはオーナーご夫妻と手伝いのおばぁが二人、メニューを開くと和食・洋食・中華・沖縄料理と四頁にわたって約100種類が並んでいました。カツ丼・カレーライス・オムライス・天麩羅定食・刺身定食・ハンバーグ定食・とんかつ定食・ナポリタン・ラーメン・チャーハン・ゴーヤーチャンプルー・麩チャンプルー・ポークタマゴ・沖縄そば・魚汁・イカスミ汁・おでん・タコライス、などなど、たいへん困ってしまう状況でした。 ところが、定食は理解できるのですが、単品で頼んでも味噌汁とライスがついてくることがあるのです。ですから、単品に味噌汁とライスを頼んでしまうと、ダブルになってしまうわけですよ。今回も、那覇市・牧志の公設市場の二階食堂に立ち寄ったのですが、ここは一階の市場で購入した魚介類を持ち込んで調理していただける実にリーズナブルな食堂が10軒入っています。沖縄料理・台湾料理・客家料理・海鮮料理、まさにアジアの食堂といった雰囲気が漂っています。私たちの隣のテーブル席に陣取った4人の本土のお嬢様達は、定食ではなく単品で頼んでいたのですが、突然、並べられた味噌汁とライスの数にびっくりされていました。(もし、注文時に「味噌汁・ライスは、どうしますか?」と聞かれなかったら、こちらから「味噌汁・ライスはいらない」とはっきり伝えて下さい。ほとんどのお店で、このようなたいへんな状況になりますから)

 今回の旅行の目的の一つは、慶留間島でのビーチとビーチパーリー体験だったのですが、もうひとつ、本島の北谷町にある「カラハーイ」で「りんけんバンド」のライブを楽しむ事でした。昨年10月、浜松東映劇場で二晩だけ上映された「あじまぁのウタ」で上原知子さんの歌声に魅せられ、これは早いうちにライブを経験しなければと、月に二回のライブに併せての予約をしていただきました。当然、開演前のドリンクは沖縄のオリオンビールでした。このオリオンビールなんですが、今では、米やとうもろこしやじゃがいもやさつまいもを使っていないんですね。本土の大手ビールメーカーさんは、いつまで麦以外の原材料を使い続けるかと、沖縄の地で考えてしまいました。現在、NHK・BSで再放映されている「ちゅらさん」に、りんけんバンドのOBが俳優として出演されていましたが、結成から17年メンバー変更を積み重ねても、照屋林賢・上原知子さんは変わっておりません。この夜もOBの「よし坊」が突然ステージに現れて、前説が始まりました。それも、島草履を履いて、「忠孝」という泡盛の一升瓶を持って、酔っ払いのおじさんで登場しました。「はい、今日は、来てくれてありがとね。先ず、自己紹介しますね。さっきね、58号線からジャスコに向かって来たら、タクシーとバスがぶつかってたの知ってます。……あっ、これは事故紹介ね。」こんなマクラから始まって拍手の練習があって、いよいよライブが始まりました。子供も乳幼児もOKというこのライブハウスでは、ステージ正面の特等席に小学生三人が折り紙したり、チラシの裏に落書きしたりして時間をつぶしていましたが、始まるやいなやノリノリで歌い、踊っていました。ここにも沖縄ポップスの予備軍が居た訳です。終演後は一緒に写真に入っていただいたり、CDにサインしていただいたり、連休最終日の良い思い出となりました。

 今夜も、「りんけんバンド」のCDを聞きながら、オリオンビールで「乾杯さびら(しましょう)」状態です。

 余計な追伸
飲む前に、ビールの原材料表示を見ましょうよ。

2004.5.25


38年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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