「ちりとてちん」?
実は落語の演目です。三味線の音色から取られた“微妙な”食材(?)「ちりとてちん」。
噺家の目から見た“食”の話題を取り上げてもらいます。さて、どんな話が飛び出すのやら・・・

 

 

「ライブ・沖縄あるある」

 

 清八でございます。ごぶさたしております。
 12月1日、私のホームグラウンドである湖西市新居町の本果寺さんで第86回本果寺寄席「第三回立川寸志の会」を開催させていただき、満員御礼「大入り袋」となりました。私も主催者特権で素人前座を務めさせていただきました。今回は自作の「沖縄あるある」を口演できましたので、このコラムにそのまま掲載させていただきます。出囃子~♪♪♪

 


12月1日、第86回本果寺寄席「第三回立川寸志の会」を開催

 

 場内、割れんばかりの拍手をいただきまして、ありがとうさんでございます。今年は、四回開催する事ができまして、本当にありがとうございます。以前、申し上げましたが、私、四年程前から浜松市の講師をやらせていただいております。公民館とか協働センターでやってはる「いきいき講座」とか「長生き講座」「さわやか講座」の講師なんです。時々ですが、別の部屋で「健康講座」とか「健康教室」をやってまして、覗いてみたことがあるんです。健康推進委員さんが糖尿病とか認知症、アルツハイマー予防のお話をされて、ゲームとか健康体操で二時間位ですな。そのお話を聞きましたら、人間、同時に二つの事ができると、認知症・アルツハイマーの予防ができるちゅうんです。どんな事かと言いますと、楽器を演奏しながら唄歌うとか、唄歌いながら踊るとかね、もっと簡単なんは、自分の右手と左手で、ジャンケンする。おそらくは、この湖西市内の公民館でもやってはると思います。

 ところが、昨年の11月に豊橋駅のホテルで東大医学部の先生の講演会があってね、聴かせていただいたんです。この先生の15年に渡る研究では、人間、二つの事ができるだけでは、アカン!これからは三つの事ができなアカン…。やっぱ、東大医学部の先生ですなぁ。納得の内容でございました。講演が終わって、すぐに控室に行きました。「私、素人なんですけど、お年寄りの方々に落語を喋ってるんです。先生の今のお話、使わさせて下さい」お願いをしましたら、快く承諾していただけました。

 さぁ、それから、こういう席がありますと、喋っているのでございます。落語はダメですけど、これから私が喋ります事は、メモを取っていただいてかまいまへん。お家にお帰りになってから、ご家族にお話しして下さい。携帯電話とかスマホをお持ちの方は、後で、ラインとかフェイスブックで拡散していただいてかまいません。とにかく大事な内容でございます。

「先ず、一つ目です。人の話をちゃんと聞く!」
「二つ目、その話を聴いて、笑う!」
「三つ目、その話を聴いて、拍手をする!」。

大切な事ですから、もう一度言いますよ。
「一つ目、人の話をちゃんと聞く!」
「二つ目、その話を聴いて、笑う!」
「三つ目、その話を聴いて、拍手をする!」。

そない難しい事では、ございません。強制は、しませんが、それぞれがそれぞれの頭の中で考えて、判断されて、この二時間、行動していただきたいと思います。

 


「沖縄あるある」本日、初演でございます

 

 今日、受付でチラシの入ったビニール袋をお渡ししました。中に沖縄の黒糖飴を二個入れておきました。実は、千葉県内で台風被害があった後、千葉県産の落花生を使った飴を取り寄せようと問い合わせ中に、沖縄の首里城が焼けてしまいました。急遽、首里城再建支援で黒糖飴に変更したのでございます。沖縄は観光地で、修学旅行も京都に次いで二位なのでございます。セントレアから2時間のフライトでございます。これから、もっと観光に行っていただきたいと、10日前に「沖縄あるある」という噺をこしらえて、本日、初演でございます。

 もう来年のカレンダーを売ってますが、沖縄は、今でも暦に旧暦を使っているのでございます。全国的に、これからお正月に向かうわけなんですが、旧暦ですからね、元旦に沖縄に行きましても、空港とかホテルには、お正月飾りがありますが、一般家庭には無いのでございます。旧暦ですから旧正月なのでございますね。お盆も7月、8月の15日ではなく、8月末から9月という年もあるのでございます。気候が温暖で過ごしやすいんです。一番南ですから、夏は暑いというイメージがありますが、もう違いますな。浜松市の天竜区で38度、名古屋の駅前で40度になってますからね。その時、沖縄の最高気温が35度やったんです。最低気温ですが、観測史上で5度なんです。雪降ったんも、観測史上、2回だけ…。

 全国どこでも地酒、地ビールがありますが、沖縄は「泡盛」「オリオンビール」(画像①)でございます。日本全国、どこでも居酒屋さんがあります。時々、新聞に居酒屋さんのチラシが入りますな。その隅の所に、三角のクーポン券がついてますな。この券1枚で、「生一杯サービス」とか「突出し無料」とか、ありますな。沖縄の居酒屋さんにもあるんです。このクーポン券、びっくりしたんが、このクーポン券で「泡盛ボトル1本!、四号瓶ですよ。まぁ、グループで1本なら、わからんでもないですが、10人で行って、クーポン券10枚あったら、10本なんです。もちろん、氷とかウーロン茶は、お金かかりますけどね。それから、飲み放題って、あるでしょ。この頃高くなってね、「990円」って書いてあって、安いなぁ思ったら、60分で、90分では1560円、2時間では2000円になるんですね。沖縄でも、あるんです。2000円で飲み放題…、ところが、「時間無制限」の店があるんです。本当に無制限なんです。5時に仕事終わって、店に入って、しばらく飲んでて、「汗かいて気持ち悪いんで、家帰ってシャワー浴びてくるわ…」言うて、戻ってきても続いてるんです。しばらくしたら携帯に電話かかってきて、「ごめん、友達が近くの店で飲んでんのや。ちょっと行てくるわ、又、戻るわ」言うて、戻ってきても続いてるんです。結局、朝まで可能なんです。そやから、お酒好きの方には、天国みたいな所ですわ。


沖縄は「泡盛」「オリオンビール」(画像①)でございます

 

 居酒屋さんというと全国、「赤提灯」ですな。沖縄でも「赤提灯」なんです。ただ、「ピンク提灯」の店があるんです。この「ピンク提灯」の店は、「やぎ料理専門居酒屋」なんです。メニューがすべて「やぎ」なんです。「やぎ刺」「やぎ汁」「やぎの玉ちゃん」とかね。元々、精力剤として食べられていたんで、「ピンク提灯」なんやそうです。

 食堂も「沖縄食堂」言うて、沖縄のおじぃとおばぁ、パートのおばちゃんでやってはる昔からの食堂があるんです。メニューが壁に(画像②)貼ってあるんですが、四方の壁に貼ってある店があるんです。数えたら、100種類位あるんです。それが、「和・洋・中・イタリアン・エスニック、中南米…」この、おじぃはいつ覚えたんや?考え込んでしまうようなメニューがあるんです。「ゴーヤチャンプルー」とか「ポークたまご」とか書いてあるんですが、基本、定食なんです。ライスと味噌汁は同じなんで、おかずの名前だけ書いてあるんです。でも、「ライス」と「味噌汁」も単品であるんです。東京の女子大生が三人で卒業旅行に来て、「わたし、ゴーヤチャンプルーと、小ライスと味噌汁、お願いします」、「私、ポークタマゴと、小ライスとお味噌汁」、「ワタシ、唐揚げと、小ライスと味噌汁」って注文したら…、先ず、それぞれのおかずが出て来て、次に小ライス・味噌汁が二つずつ出てきてテーブルがライスと味噌汁だらけになってしもた、てな言うて話題になったことがあるんです。今では、メニューの横に注意書きがありますから大丈夫なんですよ。

 又、「ランチ」があるんです。何処でもありますけどね。沖縄は、「Aランチ、Bランチ、Cランチ」言うんです。アメリカやったんで、「A、B、C」なんですね。「松、竹、梅」「並、上、特上」と同じです。その食堂によって、おかずが違うんですが、Cランチだと、「トンカツ、ハンバーグ、焼肉、エビフライ、唐揚げ、ハムフライ、目玉焼き、ウインナー、スパゲティ、ポテトサラダ…」これが全部一皿に乗ってるんです。このランチ、夜でも普通に頼めるんです。ところが、ボリュームがありますから、残してしまうんです。そうすると、パートのおばちゃんがパック容器とビニール袋を持ってくるんです。お持ち帰り可能なんです。「あぁ、汁けのないもんをパックに詰めて、それをビニール袋やな」、そうやないんです。「ビニール袋には、味噌汁やスープ、麺類を入れるんです。もったいないですからね。


「沖縄食堂」のメニュー(画像②)

 

 本当に、沖縄ってえぇとこなんですが、たった一つだけ、困った事があるんです。それは「うちなー時間」と言いますが、「沖縄時間」言いまして、時間にルーズである、時間を守らない、という事なんです。例えば、歯医者さんとか美容院、必ず予約して行きますわなぁ。来週の金曜日の午後3時、とかね。その日になったら、せめて10分位前には着くように、何時何分のバスに乗るとか、電車に乗るとか、その為には何時何分に家を出るとか、逆算しますわな。沖縄では違うんです。当日、午後3時に、「家を出るんです!」。それやったら、次の人が困るやろ?困らないんです。みな、同じように家を出ますから…。誰も困らないんで、だぁーれも文句を言わない、クレームをつけない。だぁーれも直しません。

 ただ、この「うちなー時間」になってんのは、ちゃんと理由があるんです。長い間、公共交通機関が無かったんです。那覇空港から首里城のちょっと先まで「ゆいレール」(画像③)いう、モノレールが通ってるんですが、この「ゆいレール」が開業したんが17年前なんです。それまで公共交通機関が無かったんです。いやいや、「バス」があるやろ?バスあるんですが、ずっと民間でして、いろいろなバス会社があって、県内を周回できないんです。今は、バス停に何時何分発着いう電光表示が出ますが、紙一枚貼ってあった時代、えぇかげんやったんです。時刻表どおりに来ないんです。


17年前開業した「ゆいレール」(画像③)

 

 東京からの観光客の方が、「レンタカー、楽やけどな、昼にビール飲みたいなぁ」ちゅうて、バスに乗ろうと、ホテル近くのバス停の時刻表を見たら、朝9時30分、ちょうどえぇちゅうて、翌朝、9時25分にバス亭に着いた。30分になっても来まへんねん。5分、10分、15分待ってても来まへんねん。ほたら、近く歩いてた、おばぁが「あんたら、何、しとるかのお?」「9時半のバスを待ってるんですが、来ないんです?」言うたら、「そのバスやったら、確か、9時頃、通り過ぎたで…」。こんなもん、何時間待ってても乗れますかいな。だいたい、家に時刻表が無かったんです。普通、あるでしょう?JRとか、天浜線とか、遠鉄バスとか…まったく無いんです。何時何分に乗らんならん、考えないんです。あの、「ゆいレール」が開業した17年前、開業する三か月前から本島・離島全部の小学生・中学生を集めて、乗り方の講習会を開いてるんです。「ゆいレールには、駅がありますよー。(画像④)駅には、時刻表がありますよー。自分が乗りたい駅に、乗りたい時間の10分前には行こうねー。」

 各家庭に時刻表がありませんから、終電とか終バス、という概念も無いんです。自治会とかPTAの会合が夜、公民館であるんです。夜7時から9時まであってね、終わると、泡盛の一升瓶が出て来て、「お疲れさんでした…」。普通、「そろそろ終電…、終バス…、」言うて、中締め、お開きになりますわなぁ。それが、終電、終バスが無いんで、お開きにならないんです。そのまま朝まで飲んでるんです。酒飲みの天国になりますわなぁ。


ゆいレールの時刻表(画像④)

 

 いろいろと悪う言うてますが、この「うちなー時間」全部ダメか?ちゅうと、そんなことは無いんです。中学とか高校の正門の所で朝、指導係の先生が立ってますな。ジャージ着て、竹ほうきとか竹刀持って、遅刻しそうな生徒たちに「早よ、入れ!」って、やってますな。もう30年程前になりますが、神戸の高校で8時30分のチャイムが鳴ると同時に、指導係の先生が、あの大きな鉄の門扉を力いっぱい閉めたんです。ところが、遅刻しそうになってた15歳の女子生徒が頭挟まれて、亡くなってしもた、という悲惨な事故がありましたな。

 沖縄の糸満市に糸満高校ってあるんです。戦没者慰霊祭の場所です。甲子園に二回行ってますから、名前くらいは聞いた方がおられると思います。この高校に行ったことがあるんです。姪の卒業式に行ったんです。沖縄では、身内やったら、誰が保護者席に座ってもかまわんのですよ。ちょっと事情がありまして、他の県より母子家庭、父子家庭が多いんです。おばぁと孫娘とか…も。それで殆ど夫婦で働いてますから、保護者席が空いてるよりは、という理由で、身内やったら誰でも出席できるんです。高校三年生のお姉ちゃんの卒業式に、小学五年生の弟、とかも可能なんです。

 他の県と違う事がもう一つあるんです。卒業式の朝、校門の前に花屋さんとお菓子屋さんが店を出すんです。花束とか花のレイ、あのハワイの空港なんかで首にかけてくれるやつね。お菓子屋さんは、お菓子でこしらえたレイ、ポッキーとかうまか棒とか、使ってあるんです。これ、お世話になった先生用ではないんです。在校生が先輩の卒業生に贈るんです。甲子園に行った、インターハイに行った、東京・大阪の大学に進学する、学年のアイドルやった卒業生は、ぎょうさん貰えるんです。ところが、一つも貰えない卒業生もいるんです。かわいそうや、言うて担任の先生が何人分か買うて用意してあるんです。でも、三年前から「貰えない子」もいてるから、という理由で自粛になってるんですが、生徒も業者も考えますわなぁ。今年の卒業式では、校門の外で渡してたんやそうです。

 この糸満高校、立派な高校なんです。生徒数が千人、立派な校舎、立派な正門があるんです。その正門のすぐ横に、立て看板があるんです。どこの学校でもありますやん。標語みたいのが書いてありますね。「挨拶は、大きな声で、はっきりと」とか「おじぃ、おばぁには、親切にしようね」とか…。この糸満高校の立て看板、何が書いてあんのやろぅ、と近づいて読んでみたんです。ほたらね、「だいたい、八時半頃までには、登校しようねー」「だいたい、八時半頃までには、登校しようねー」えぇ、学校でしょ。

 沖縄あるある、でございました。

 

2019.12.5 清八



37年間、お付き合いしている長野市戸隠の森の喫茶店です。


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