2005.12.17
赤ワインの力
ピエモンテを代表する煮込み料理“Brasato"
エミリア・ロマーニャでは“Stracotto"双方とも
イタリア料理を代表する赤ワインを使った煮込み
料理です。どちらも牛肉の脛などの部位をその土地
のたっぷりの赤ワインで煮込んで作ります。
ただ以前は、ストラコットの方は馬肉で作っている
レストランや家庭の主婦(マンマ)も多かったそうです。
シンプルな料理なだけに素材の調和、一体感を出すのが
何度調理しても難しい料理です。先日トスカーナの良い
赤ワインが “sa di tappo"(コルク臭のするワイン)
で、お客様にお出しできずに置いてあり、普段料理には
使えないこの質の赤ワインを使って早速“ブラッサート”
を仕込みました。お料理を出した後の鍋の中、我ながら
よく出来たなと自画自賛です。どなたかが言われていま
した。「食材6割、料理人の力・力量4割」で、合わせな
いと100にはならないのです。脛肉の持つパワー、
ワインのポテンシャル、調理の手順の見切り、そのすべて
が調和して初めて納得した仕上がりと言う結果が得られます。



2005.12.09
笑い話?
二三日前から魚伊さんの一番大きな水槽に七、八s
はあろうかというハタが今日半身に下ろされて店頭に
並べられていました。「フラスカティさん、そのハタ
やってください。キュウマルね。」活けのハタの値段
は別格と言うのを肌で判っていたつもりなのに、とっても
イージーミスです。半身での値段とキロ単価を取り違い
してしまいました。伝票をチェックした時にはすでに、
三枚に下ろし、生と焼きで味見も完了していました。
正味にして単価を出して引きつった笑いと冷や汗が
でてきました。
美味しいはずです・・・。
このホウキバタはどうなっていくのでしょう。

お魚がお客様を招き入れてくれると言うことがうちの
お店ではしばしば起こります。お昼に(お昼から)
東京から帰省されるとお見えになる男性の方とフリーで
来店された二度目の母娘の方にカルパッチョで召し上
がっていただきました。アラも炭火で半生で炙って
お出ししました。まだ先は、長いですけど後は、
うちの奥さんにお任せします。

2005.12.04
初雪
久しぶりに森林浴と下の子の子守とを兼ねて、南設楽から巴川沿いに
作手村に抜ける山間の道をドライブしました。新城に引っ越してきた
7年前当時、上の娘が10ヵ月でよく午前中ぐずり、お店もオープンしたときは、
夜だけの営業だけだったので、朝から子供をチャイルドシートにのせて
奥三河一帯の山間の道を散策した時に見つけたルートです。
街道沿いにひっそり佇む十数戸の山村、もう街では見なくなった
苔むした石垣、地元の主婦だけで切盛りしている小さな川魚料理店
巴川縁の木立なかに点在する広葉樹、深紅に紅葉した
もみじ、そして思いも寄らぬ雪が舞い始めました。
街道と言っても舗装された林道と言った箇所が大部分で折からの小雨
がその在る地点から霙に変わり、そしてしんしんと雪模様に様変わり
していく神秘的な中をゆったりとドライブしていきました。 
後ろのチャイルドシートの子供といえばいつの間にか、すやすやと
寝息を立てていました。そんな時の止まったような景色の中と、
車の中の雰囲気に自分を取り戻していく温かな時間を感じること
ができました。

2005.12.01
お粥とリソット
世界には、色々その国を代表するお米料理があります。
イタリア料理の中にも各地方ごとにそこの特産物を使った
お米料理“リソット”があります。日本のお粥とイタリア
のリソットの一番の違いは、調理法もですが、お米の違い
だと思って何時も調理しています。その違いは、
少し抽象的な表現になるかもしれませんが日本人に
とってのご飯の香りであり、イタリアのそれは穀物特有
の香りが強く、お皿に仕立てたときに食材の一つとして
存在してくるということです。

エミリア・ロマー二ャの三ツ星レストラン Dal Pescatore
のスペシャリテ、鯰のリソット・エルバ・チポリーナの香り
を日高シェフがカワハギに代えて日本に広めた
“かわはぎのリソット”自分は、ウマズラハギより
本カワハギのほうが身がしっとりとしていて好きで
必ず活きたものを買い求めるようにしています。
香味野菜と一緒に極弱火で煮出したカワハギのブイヨン
でイタリア米を炊き上げ、仕上げに解しておいたカワハギ
の身とたっぷりのパターでマンテカーレしてお皿に
盛り付け芽葱を散らします。カワハギの甘さと、バター
のコク、イタリア米の存在感が渾然一体となることを
目指して調理していきます。シンプルだからこそ、
どこの工程も気の抜けないお皿で、イタリアらしい
食材の捉え方を確認できる、僕にとっては教科書的な
料理になっています。

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