2006.05.12
北海道十勝産仔羊
ローマ以南を中心にチーズ、食肉は羊を一つの核に
食生活の枠組みが成されているイタリアの中で、その
メッカのひとつローマが修行の始まりの地。
自分の料理人として性格を決める経験をする時期を
過ごした思い出深い地域・Lazio州
(フラスカティを含めて計約5年)です。
日本の食肉の文化は100年足らずで彼らの肉をたべる
ことに対する愛情は、日本人の魚に向けられるそれと
ほぼ同じような気がします。

ほんのここ数年ですがぼくら地方で小さなレストランを
営むものでもこういったヨーロッパの食肉の考え方を持ち、
料理人が求める食肉を作る国内の生産者の人たちが作った
食材を入手出来る様になりました。

一頭(ここでは半頭)を各部位ごとに調理し分けていく
醍醐味といったらありません。前にも書いたように
イタリア人になったつもりで調理していきます。


2006.05.10
今日のフラスカティの厨房から
Antipasto misto

  ・勝浦産カジキの自家製燻製
  ・ロビオーラ・トレ・ラッティ、
     ペコリーノ・サルド・マトゥーロ
     カチョカバッロのグリル
  ・手長海老のグリル香草風味
  ・雲丹、クルティンのクロスティーニ
  ・蛸のルチアーナ
  ・生ハム、サラミ、ズッキーニのマリネ
 

以前はアンティパスト・ミストを定番でリストに載せて
いたのですが、すこし前からコスト面でまとめてしまっている
自分がいることに気付きました。そして1年半ほど前から
作ることを止めていました。
どうせやるなら気持ちよく、自分らしいやり方のほうが
うちのお客様も求めてくれると思えるようになりました。
その時の“美味しいとこ盛り合わせ”これでワイン1本いけます。
どうせやるなら思い切ったお皿にしていかないといけません。
そして今回のアンティパスト・ミストはこんな仕上がりになりました。
毎回このお皿を入れたシェフのおまかせコース、リクエスト
のお客様に特別仕立てです。

2006.05.10
沖縄産やんばる牛のタリアータ
炭火で炙った牛肉の美味しさは、ご承知の通りです。
和牛の霜降り肉特有の旨味ののった肉質はイタリア料理
の中では時として“troppo” 旨味が勝ってしまうような気が
します。そこで何かかの工夫がいると思います。
飯村にある“ファットリア葦毛の里”さんから頂いた
フィノッキオをサラダにしてやんばる牛のタリアータ
に仕立ててみました。清涼感の在るウイキョウが牛肉を
引き締め切れの在る仕立てになりました。



2006.05.08
ゴールデンウィーク最終日
朝からしとしとと止みそうにない五月雨の午後
ゴールデンウィークの疲れを癒しに森林浴も兼ね
山間の日帰り温泉にふらりと出かけました。
ただでさえ澄んだ空気が雨に洗浄されるのか、
少し重みを感じるように肺に入ってくる感覚が好きで
肌寒いのを少し我慢して雨の入らないように
車のウィンドーの調節をして、何も考えずにドライブ
している時でした。パッと目に飛び込んできた鮮やかな
色の花を付けた木、もちろん何の木かは分からず
この写真の左側にある小さな祠の灯篭か常夜灯でしょうか?
思わず一枚撮ってみました。

先日子供が生まれた次の日の4月2日に思い切って
デジカメを購入したので、今までは掲載する写真は
スタッフの柵木の手を煩わしていたのですが、
これからは自分のカメラの操作を少しづつ覚えて
やれる事を増やしていき。日常的な僕の目線で捉えた
ものも書いて載せていけると思います。







2006.05.07
Lombata di vitello
4年ぶりに国産仔牛の骨付きロースを取りました。
写真のお皿は皆での試食用に試し焼きしたものです。
久しぶりに嗅ぐグリル(焼きっぱなし)に耐えうる
仔牛の肉の焼ける匂い、嬉しくなってきます。
新しい肉のアイテムが加わりました。

狂牛病、口蹄疫、そしてヨーロッパでこの冬起こった
鳥インフルエンザの猛威によるフランスからの家禽類
の輸入ストップ、近年ぼくらレストラン業界(もちろん
家庭の食卓)を脅かす食品を取り巻く負の弊害、これから
ぼくらは何所へ向かっていくのだろうかと言う不安が
時に脳裏を掠めます。

フランスからの食肉の突然の輸入ストップの報が
お付き合いのある業者さんから3月のある日
ファックスにより知らされて、徐々に詳しい
情報が入ってくると家禽類がだめだということ
がはっきりしてきました。丁度、そろそろ春の
メニュー変えの時期にはいっていたのですが
すべて一からやり直しになってしまいました。
以前ならある程度食材、調理法、そして春から初夏へ
のことも考えてつなげて行く構成を作るはずだった
のですが、特にこのシーズンはジビエ主体の構成から
家畜、家禽類への大きな切り替え時期だったため
この事件は大変でした。

皆同じ条件なので気持ちを切り替え親しい友人に電話で
相談して国産の食肉を手がけている業者の方を紹介して
もらいました。早速電話させてもらって対応の好さ、明瞭さ
には正直驚きました。“打てば響く”と言うか“痒いところに
手が届く”と言うような対応です。レストランがどういう物を
求めているか、生産者と料理人との風通しを良くする様な
応対を自然にこなす商品知識にプロ意識を
その電話に出た女性スタッフから感じました。

先日アップしたライブの秋田比内鶏、岩手短角牛の
ロース、そしてこの茨城産仔牛骨付きロース、どれも
インスピレーションをかきたてる食材です。これからも
進化しつづけます。お世話になったイタリアに少しでも
ぼくの料理で恩返しが出来たらと思います。

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