季節によって、わたしたちにいろいろなおいしさを味わわせてくれる料理。 そんな料理を味わう時に一緒に飲むワインにも、季節があります。
「食」と「ワイン」の関係を大切にしているソムリエ、南竹栄子さんが、そんな季節を感じさせるワインを紹介してくれます。


私のレストランでは毎月第3木曜日に、中日文化センター主催のワイン会を行っています。「エピファニーで楽しむワインと料理」という講座で、フランスの地方を巡りながら、その土地のワインと料理を勉強し、楽しもうという会です。
 
毎回、3~5種類のワインとそれに合う料理3皿とチーズ、そしてデザートと、とても豪華な食事会です。 始まったのが3年半前で、最初はフランスの主なワインの産地をひと回りし、その後ブルゴーニュ地方のワイン畑を北からひとつずつ南下していきました。昨年の秋からはボルドーに入り、先日のポーイヤックで45回目のワイン会となります。
 ポーイヤックはワインの世界において、もっとも有名な村のひとつでしょう。1855年に1級に格付けされたワインが3つもあります。シャトー・ムートン・ロッシルト、シャトー・ラフィット・ロッシルト、そしてシャトー・ラトゥールです。  どれも、とても高価なワインですから、おいそれとは飲めません。銀婚式や金婚式にでも飲む事ができれば、もうそれだけで人生ばんざい!です。

私もお客様にこれらのワインを開けた経験はありますが、自分の為に購入してコルクを抜いたのは一度だけです。それはソムリエの試験に合格した1991年に、私の誕生年と同じ年のシャトー・ラフィット・ロッシルトでした。感動しました。私もこれからの人生をこのラフィットのように、素晴らしく熟成していきたいものだと思ったものです。  

高価なのでワイン会では扱えませんが、ラフィットの雰囲気が味わえるセカンド・ラベルを用意しました。カリュアード・ド・ラフィットです。葡萄の樹が若いことと、新樽の使用が少しであること以外は、すべてシャトー・ラフィット・ロッシルトに準じて作るそうです。  

合わせた料理は骨付きの仔羊のロースト。チーズは青かびのロックフォールとスティルトン。ワインは他に、Reserve de la Comtesse '97、Chateau Haut-Batailley '93を出しましたが、ワインの知識の豊富な方からもそうでない方からも、テーブルのあちらこちらから美味しい!という感歎の声が沸き上がりました。私もそれを見て、とても幸せな気分に浸れたのです。

来月はサン・ジュリアン村。ワイン選びに悩みながらも、楽しいワイン会を心待ちにします。
 

     


Profile

みなみたけえいこ

91年全国でも女性は1割というソムリエ資格を取得、浜松初の女性ソムリエとして話題を呼ぶ。
浜松市佐鳴台でシェフのご主人とフランス料理レストラン・エピファニーで、マダム役とソムリエ役の2役をこなしている。舞阪出身。


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