ロバート・モンダヴィ抜きには語れないカリフォルニアワインの中で,フラッグシッ プともいうべきワインがこの「オーパス・ワン」です。モンダヴィとフランスのシャ トー・ムートン・ロッチルドが協力して作り上げた,文化と哲学が融合した希有なワ インです。
つい先だっての沖縄サミットの晩餐会では白がシャブリ,赤がこのオーパス・ワン 1992年でした。普通はフランスの銘醸ワインが出されることの多い席ですが,クリン トン大統領への配慮があったのでしょう。
フランスでは,各国首脳の歓迎晩餐会や午餐会などでのメニューやワインの選び方 で,フランス側がどういう政治的意図や,心情を持っているかがわかるといわれてい ます。 1994年にフランスを公賓として訪問した羽田首相の午餐会では,プイイ・ヒュ メ'91(ロワール地方)とサン・ジェルマン'91(プロヴァンスの赤)でした。二大名 産地のボルドー・ブルゴーニュの名醸ワインが入っていないうえに,プロヴァンスの 赤という日常的なワインが出されるのは,エリーゼ宮のメニューとしては珍しい事だっ たそうです。 |