南フランスのカルカソンヌ周辺で栽培されている葡萄に、モーザックという品種があります。フル ーティーで酸味のある個性をもっていますが、シュール・リという製法によってそこに香味とさわや かさを加えています。ワインを作る時に出る澱(オリ)は、すぐに取り除いてしまうのが普通ですが、シュール・リ(オリの 上にという意味)の場合5ヶ月以上そのまま放っておきます。澱に含まれる成分をうまく利用し て、ワインの味をワンランクあげようという手法のひとつです。
モーザックは、フランスで一番古いといわれている発泡性ワイン「ブランケット・ド・リムー」に 使われていたぶどうでしたが、シャンパーニュが登場してからは長い間、見向きもされませんでし た。近年、発泡性ではなく白ワインとして、その良さが見直されてきています。
魚介類ならなんでも、肉なら鳥肉料理と相性がいいのですが、このワインのもうひとつの個性がボ トルなのです。 このボトルの色をなんと表現していいのか、深い青、深海の青、シャルトル・ブルー(シャルトル 大聖堂のステンドグラス)、ジャン・レノの「グラン・ブルー」の色・・・引き込まれそうなあおいろの ボトルが初夏のテーブルにスックと立っているだけで、まわりがさわやかさに包まれます。) |