うまい料理を食べることは、人生最良の一場面といえる。 人生を料理に賭けてきた「三鞍の山荘」の今井克宏シェフが語る「Un bon plat」アン ボン プラ(うまい料理)。食卓や料理の話題を取り上げてもらいます。


「サービス


※写真はイメージです

 フランス留学をめざす自分にとって、この銀座のレストランは、居心地のよい職場であった。 店で使う素材の良さは、今までに経験のしたことがないほど恵まれていた。

 活きた魚貝類、肉類は最高級品、もちろん新鮮な野菜、くだものは、味覚のちがいをはっきりと知ることができた。 自分の気持ちによゆうができたのか、料理への興味も倍加したようで、まわりのことが見えてきたのもうれしい心境の変化であった。 料理をつくる、その前に素材が大切であることも、知ることができたのは大変な進歩である。

  調理場でつくられた料理が「客」の前にサービスされていく、これも大切なレストランの仕事であることに木がつくのも、このレストランに働きだしてから感じたことである。

 そんな気持ちから「ホール」に入れてもらい「サービス」を勉強することにした。もちろん、休日を利用して働くのである。幸いにして「調理場のコック」と「ウェイター」が伸びが良かったので実現したことであったが「フランスに行く」問いう気持ちをわかってもらえたことがよい結果 となったようだ。

 「Tホテル」出身の支配人の「サービス」はすばらしいものであった。 歩き方から、客を向かえるすべての動作がスムーズで見ていて気持ちのよいものである。実際に、自分がやってみると、とても「ギコチ」なく、ロボットのような動きであるため、しばらくは歩き方と「おぼん」の持ち方で時間を必要としたのである。 今考えれば、よくまわりの人が「がまん」をしてくれたものと、頭が下がる思いでいっぱいである。

 「レストラン」というところが、ただ食事をする。「おなか」を満たすところではない。ということがこの時、教えていただいたことが、その後の「フランス留学」に役立ったのである。

 「食事」をされるお客様が、一歩「レストラン」の中に入り、「イス」に座り、楽しい「食事」となるよう、サービスをするひとつひとつのことが「ひかえ」めであり「そっと」お手伝いをしている感じの作業がいかに大切かを教えてもらったのである。

  「料理」の味がこの「サービス」によって「よく」もなり「悪く」もなるのである。 この時の経験が大きく、自分を成長させたと思うのは、その頃の自分は、まだ気がついていなかったのである。

 今は、「サービス」に関しての本がたくさんあり、知識を得るためには本を読むことによってある程度のことが身につけることができるが、当時は、そのようなほんは、なかったし「見つける」ことが出来ないほど知識がひくかったのである。

  「フランスに行きたい」そのためには「マナー」を知っていなければならないという単純な考えから、「ホール」での仕事に飛び込んでいった自分は、若かったし、それをさせてくれた職場はこのうえない勉強のチャンスを与えてくれたのである。 このことがフランスに行ってから、されに「ワイン」についてのトレーニングに役立ったのである。  

 

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