2013.03.15
Cotoletta alla Milanese
暫らく前から安定して入荷するようになった短角牛の仔牛肉
ですが、ここに至るまでにはいろいろ右往曲折がありました。

15年以上前は、カナダ、アメリカ、オーストラリアからの輸入品、
その後、オランダからよりイタリアの品質に近いものになり、
ようやくフランスから輸入され、格段と彼の地のクオリティーに
近くなったと思っていた矢先に、ヨーロッパで蔓延した口蹄疫と狂牛病
により一時壊滅的なヨーロッパ畜産業界の打撃。それに平行して
輸入禁止措置。早10数年が経ちました。


約10年ほど仔牛肉は使いませんでした。


数年前から国内で生産されるルートが出来始め、でもなかなか
気に入った物に出会える確率は低く、友人とその業者の方の三つ巴で
レストラン側の要望を使いながらこつこつと訴え続けていきました。


仔牛肉と一言で言ってもただ子供の牛の肉ではありません。


ヨーロッパでは仔牛のその時点で食べる為に作っているものと、
日本では偶然早く肉にしました。の違いがあります。




【すいません途中です。】のインターバルの営業の昨夜(これを書
いているのは4月2日)定期的に来店していただいている数学の先生
以前にも同じことを言われたのですが、『今日の食事中に (“鳳来寺
猪のサルシッチャ”“鳥海山野兎のシベ風パッパルデッレ”“さっと
炙ったイサキ、空豆のラグーと菜の花のピンツィモーニオ”を召し上
がられました。) で曰く、「いろいろ考えていたのですけれど、
やはりここの料理は、《必要十分条件》としか言い表せません・・・。
次回までに、もっと気の利いたことが言える様に考えてきます。」』
彼の口からこういった言葉が出てくるととてもチャーミングに聞こえ
ますし、こちらとしても伺っていてとても嬉しくなります。
とても嬉しそうに言われますし。


イタリア料理ってナンだろうともがき続けた日々がいま自分の
ベースであり、肥やしになっていて、自分の料理が原点回帰
する要因のひとつになっています。


その時期に自問自答し続けたことの一つで、イタリアに5年も住んで、
シェフと呼んでもらえる様になって10何年も過ぎていて、オレ、なに
やってきたんだろう、と。そんな時に蘇ってきた断片的でいて、
繋がっている幾つもの当時いろいろな研修先で出会った仲間達の
言葉でした。

その時は何気なく聞き流していたそれらの言葉たちが、20年近く心の
どこかに潜んでいて、その年月醸造されて、今日になって醸し出されて
きたかのようになっていました。それを引っ張り出すような作用を
担ったのが、こんどは、この地で出会った人々(優しく厳しいお客様方、
各ジャンルの業者の方がた、と優良な地元・国内の生産者の皆さん。)
・・・やっぱりつまるところ人です。


そんなこんながいろいろと結びつ、繋がりつ、絡み合いながら
それこそ醸し出されてきたのが、今日のフラスカティの方向性に
なってきました。


今自分の思うこの土地ならではのイタリア料理(三河をひとつの
Regioneとし捉えて)であり方法論(最低限の手当てで,最大限
の効果を生むこと)という考え方、向こう岸がなんとなく見えて
来たような、霞が晴れてきたような感覚です。


志ん生さんの言葉で『噺なんて、上手く出来ているんだ、
上手くやりゃ。』


【Cuccina Regionale】にしても、ずっと作り続けられてきた
調理法であり考え方は、本当に上手くやりゃぁ。旨いんだから。


いつも思うんですけれど、地球の反対側の料理の文化がよくぞまぁ
これだけ生産者レベルから底上げしてきていることはものすごいことだと
日々感慨深く思いながら仕事をさせてもらっています。



ふー。






2013.03.15
ホワイトデー
りんごのカラメリゼ。
例年幾つかのチョコレートを頂きます。お返しは、邪魔にならない
ものでちょっとしたもの、でいて気の利いたものをと毎年心がけて
います。


いつもの年ですと、何かの展覧会や個展など、興味を惹かれる催し
などに出かけたときに買い求めた小物をお返しにすることが多いの
ですが、今年に限ってそういった会にもめぐり合わず、期限切れに。

実は当日の昨日、何度かお土産にいただいたことがある地元の
パティスリーさんを思い出して場所を確認していってみた所
残念ながら休日でした。

で帰り道に、ふと思いついたのが、じゃあ、自分でこさえよう!
タルトは現在お店では提供していないこともあり、数年ぶりの
仕事になりました。


皆、お返しを買いに行ったと思ったら、帰ってきたら材料を
買って戻ってきて、なにやらごそごそしだした自分を見咎めて、
何を、また始めたんだろうという眼差しで見守っています。


われながら悪い病気のようなものですが、せっかくなら自分の
納得したお返しをしたい・・・。我ながら変な性分です。




後日談ながら、皆さんから喜んでいただけました。
仕込みついでといっては語弊がありますが、お店でも3台ほど
焼いて提供することも出来、棚から牡丹餅。喜んでいただき、
一石二鳥、三鳥になりました。

2013.03.13
小紋甲イカ 

2013.03.11
鳳来寺猪のサルシッチャと春キャベツのラグー

2013.03.05
滅多に出て来ない前芝の白魚。

2013.03.03
我が家も桃の節句
お昼だけの臨時営業だった為、早めの夕方帰宅して、夜はオフです。

3月3日の雛祭り(桃の節句)が半ドンながらでも晩御飯は
家族と一緒に過ごせました。

朝からばばと子供たちで仕度をしてくれていた“ちらし寿司”
が出来上がりました。


美味しく頂きました。


ごちそうさま。

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