2006.09.15
青山が淹れてくれたカフェマッキャート
社員で3年、昨年イタリアから帰ってアルバイトで
半年、都合三年半。
フラスカティのことを判ってくれているスタッフ
青山がもうすぐイタリアに再度出発します。




気弱そうでシャイに見えた三年半前。「なぜうちみたいな
ハードで厳しい店に来たの?」と聞くと「自分を鍛え直したい
から来ました。」男でもなかなか居ついてくれないのに
彼女は別でした。ハードな仕事の中から、自分を見つめなおし
目標を設定し、それを掴もうとしています。
そして、イタリアでの滞在がも次の目標を示唆してくれる
ことでしょう。



後残り少ないうちでの仕事の合間に、ちょっと作ってもらった
カフェマッキャート。なんともいえないくらい美味しく、
そしてほのかにしょっぱい気がしました。

2006.09.14
岩手山仔山羊とその内臓のグリルミスト
久しぶりに岩手産仔山羊の一頭内臓込みの
セットが届きました。仔山羊づくしの盛り合わせ
になりました。


舌、心臓、レバー、センマイ、トリッパ、ホルモン
すべて癖のない内臓本来の甘味を持ったもので
偶然来店されて頼まれた方も驚かれていました。




こういった食材が入る時代になりました。

2006.09.07
Passione
先日、伊良湖岬の先端、恋路が浜に子供たちを連れ
名物の大アサリを食べに出かけました。年齢とともに
真夏の海は刺激が強すぎるようになりました。
九月に入り暑さも少し和らいだのを見計らって
潮風に当たりながらのんびりしようと思って出かけ
てみました。



浜の傍に軒先で、岩牡蠣、サザエ、大アサリなどを
焼いてくれる土産物屋が数件軒を連ねています。
その中の一軒で何皿かサザエと大アサリを焼いて
もらい、子供たちも思ったより箸が進み楽しい
ひと時を過ごしました。



そうこうしている時、見覚えのある人が通り過ぎ
こんな所で奇遇だと思い、声を掛けました。
ちゃんと話したことがなかったお客様で何度も来店
されてる方です。今は“好き”が高じてパスタ屋さんを
始められたとは聞いていました。
火曜日の朝に必ず一緒に会ってコーヒーを飲む
居酒屋をやっている友人の同級生という間柄の方です。
ちょくちょくその時の話題に上がっていたこともあって、
あえてこちらから声を掛けさせて貰いました。



お互い飲食店をやっていて、それぞれが家族、子供づれで
こういった場所で会うのも何かの縁なのでしょう。
初めてなのでこちらも当たり障りのない会話と挨拶を
して分かれました。


その二日後の火曜日の朝、いつものように友人と待ち
合わせをして、さて出かけようとした時、「ちょっと待って、
あと一人来るから。」とのこと、誰かと思ったら先日の
彼とのこと、「朝メールが入って自分も行って好いか?って
言ってるけど、連れてきてもいい。」もちろんです。




みんなそれぞれそんなに時間がないけれど、喫茶店で三人
揃ってでの初顔合わせのひと時を過ごしました。
その時彼の言った印象に残った言葉「自分は、何も習っとらん
から、お店も大好きな麺屋に徹するんだ。」
久しぶりに聞く素直な料理に対する熱い思いを感じる言葉でした。



その言葉が自分の中で冷めないうちにと思い今日、
彼のお店“Pastina"さんに伺ってきました。
住宅地にあるカフェっぽい店内のお店。知らなければ
たぶん自分では入れない感じのお店なのですが今回は
別です。
パスタの種類は、一日6`は仕込むという手打ち麺のみ、
ソースのバリエーションとそれをセットにしたランチと
ドリンクのみのシンプルな構成。



一人で隅に座ろうとしたら、「大将、カウンターによかったら。」
とのことで言われるままに、そして「緊張するナー、ちゃんと出来るかなー。」
そんなこと言われるとこちらこそ緊張します。
しかしそんなことを言いながらとても楽しそうにストーブに向かっている
彼がいました。あんな嬉々として調理する背中を見ながら食事をするのは
食手としても楽しいものです。
そして出てきたパスタを食べて思わず微笑んでいました。
一気に食べ終えて、アンコーラもう一皿のオーダーをしていました。
出てきたおまかせしたパスタを食べてさらにびっくりしました。
“サフラン風味の海老とアスパラのパスタ”でサフランはなかなか
個性を出しながらその特性を生かす調理はなかなか難しい香辛料
です。使い方を間違えるとサフラン独特の香りが料理を支配してしまったり
控えすぎるとなんだか判らなかったりします。彼のお皿は、
そこをちゃんと押さえて使われていました。
頂いた2皿の手打ちのパスタ、一貫した作り手のメッセージや
愛に満ちている感じがしました。そしてありがちなレシピやテクニック
に囚われたお皿ではなく、ちゃんと一度等身大の自分のフィルター
を透した自分の料理をしている気がしました。
“Passione" 【情熱】を持った料理人に出会いました。
すごく刺激と衝撃をもらって帰ってくることが出来ました。

2006.09.06
新入荷のチーズたち
Robiola fia【山羊乳】
  「ロビオーラ・ディ・ロッカベラーノ」を無花果
の葉で包んだ「ロビオーラ・フィア」フィアとは
ピエモンテ地方の方言で“イチジクの葉”のこと
チーズに無花果の甘い香りが移ってなんとも言えません。




Rugiada capra 【山羊乳】
  山羊の乳で作られたリコッタチーズの一種
  山羊の乳本来のほのかな甘味が心地のよい
  チーズに仕上がっています。




Tenerella burrata【牛乳】
  モッツァレラを袋状にして、刻んだカートとクリーム
  を混ぜたものを中に詰めたチーズ、中の詰め物がとても
  ミルキー、口の中でジワーッと来ます。


2006.09.05
石鰈と手長海老のサラダオレンジ風味
さっと湯引いた活け〆の石鰈と手長海老
ほろ苦いルッコラセルバティコをベースにした
軽いミックスサラダ。オリーブオイルとレモン、
ほんのりオレンジジュースの隠し味、仕上げに
香り付けで“Limo"レモンフレーバーのオイルを一垂らし
で出来上がり、ワンランク上の魚介のサラダに仕上げます。

2006.09.03
イタリアでの愛車
FIATO 850(オットチェント・チンクワンタ)
 当時イタリアに居るときに、お店の修繕の
アルバイトに来ていた、チャールス・ブロンソン似の
アルフォンソに、ある時「どこかに安い車はないかなぁ。」
と聞くと、「ちょっと時間をくれたら探してあげるよ。」
と言われ、見つけてもらったこの車。88年当時で
Lit.250000 日本円にすると約3万円でした。





買ったばかりのころオルビエート郊外にある,当時から
有名だったレストラン“Vissani"へ友人二人を乗せ、
この車で出かけたとき高速道路で大雨になり、友人の一人が
「下から水が入ってくる。」と言われ「何か気のせいでしょう。
この車、買ったばかりだし。」と訳のわからない思い込み
を言っていて、その日は300km近いドライブを
無事に過ごし数日後の休日に偶然、車の掃除をしようと思って
後部座席のマットを捲ってみると不自然な板が嵌っていました。
その板を剥がしてみると左右の座席の床の鉄板がさびて
朽ち果てたようになっていました。その時になってはじめて
背筋が寒くなったことを思い出します。




とはいえ、中学生の乗るVespaに坂道で抜かれるような車
でしたがこの車を買ってから飛躍的に行動範囲は広がりました。
ある時には、フェラーリで乗り付けてくるようなルッカ郊外の
レストラン“La Mora"まで片道300km以上ドライブして日帰り
で訪れたことや、夏休み、当時飼っていた猫“ゴン太”と
一人と一匹で三泊四日のキャンプ、後部座席いっぱいに
コンロやテント、鍋、毛布、テーブル椅子などを積んで
イタリア半島の踵部分プーリア州に出かけたことなど大小
さまざまな思い出が詰まっていました。




90年の確か7月のある日、だいぶその頃には調子も悪かった
のですが、お店を変わることになって、いろいろ仲間に
相談した結果、もって行くより廃車にした方が好いのではないか
ということになり面倒見のいいルチアーノにお願いして
廃車手続きを取って貰いました。その時、初めて車の
車検証の様なもの、もしくは廃車証だったかのしれません
を見てさらに失ってしまったこの車のことを思う気持ちが
深くなりました。2年間いろいろな思い出をありがとう。


1966年製のFIATO 850 ぼくと同い年でした。







2006.09.02
仔牛のスペッツァティーノで和えたカバテッリ
今回は最近気に入っている国産仔牛のお肉、パーツで
(仔牛の骨付きバラ)を試しに取りました。
煮込みに適した部位をトマトでよく煮込む得意な料理法
【Ragu】をこの仔牛の骨付きバラで仕込んでみました。
骨付きの部位だけあって煮込まれたスーゴの味も
お肉の旨味もしっかりと出ていて、このソースに合わす
パスタもこの骨格のしっかりしたソースを受け止める
ものでないといけません。




今回は、セモリナ粉とぬるま湯、少量の塩だけで打った
“Cavatelli"カヴァテッリと合わせてイタリア半島
土踏まずの所にある州、バジリカータ風に仕立てました。

2006.09.01
九月一日
豊橋に来て八年半、萱町に移転して今日で丁度五年
になりました。最近好いことがありました。
今まで、市報や町費のときにしか接点のなかった
町内の方が犬の散歩をされているときに話しかけ
られたり、別の方にも、町内で不幸が起きたとき、
テナントとしてかえってあまりお付き合いのない町内の
方のおばあちゃんのお通夜、そのお手伝いの知らせを
伝えに来ていただいたときに、こちら側の身になった
助け舟を出してくださったりと、やっと少しずつですが
ここの町内の人間と認めてもらえはじめた兆しを感じています。




それと、うちの傍に古い鰌屋さんがあります。
桝屋さんと言う古い小さなお店、こちらに来て早五年
今までよう入りませんでした。(知っている方はお分かり
になると思います。)
自分にとつて新規の店と言うのは、敷居が高い物で、
最近、ランチをやめて少し外に出るようになって、
探究心が少し芽生えたのも、後押ししたのかもしれません。
入ってみると、昼から、お銚子を傾けている人、堅実に
うな丼を食べている人、さまざまで、52年やっていると言う
オバちゃんもなかなか暖かそうな人で、自分もお客で言うと
前者の方で、外ご飯は、お○○がないと前に進めない人ですし
初めて入ったお店でも暖かいい雰囲気も手助けだれて
今日は、めでたいしまあ好いかといろいろいただきました。





色々なことがあった移転して五年、はたまたオープンして八年半。
これからもよろしくおねがいします。

2006.09.01

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