暮らしの中のちょっとした気遣いが、生活を喜びのあるものに変えます。‘食’も同様。器をちょっと工夫すると、食べることが2倍も3倍も充実します。そんな名脇役の‘器’に恋した、しい葉の主人・椎葉哲夫が綴るコラム。


辰砂’


鮮やかな深紅色…これが辰砂です。

皆さんこんにちは。毎日寒い日が続きますね。2004年も気を引き締めてがんばっていきたいと思っております!今年もよろしくお願い致します。

さて今回は、私の個人的な好みの話になりますが、皆さん「辰砂」ってご存知でしょうか?
なんともいえない深紅色の、この辰砂の一輪差しが右の写真にもありますが、昔から私の憧れの存在でした。
初めて出会ったのは…、そうですねぇ〜30代くらいの時でしょうか?もともと貴重なものだという事は知っていたのですが、イギリスの「ロイヤルドルトン」の辰砂に魅了されました。深みのある深紅色は他では出せないようで 、とっても稀少価値のあるものでした。

辰砂はもともと鉱物の一種であり、粉末が朱紅色で古くから顔料として珍重されてきました。日本でも産出されていましたが、中国湖南省辰州の産が有名でこの名前がつきました。
辰砂の歴史は600年前の中国に始まりましたが、発色が非常に難しい為に、古くから多くの陶工達の苦難の歴史があったようで、深紅の色を出す為にルビーを砕いて彩 料にしたとか、陶工自ら燃え盛る窯の中に飛び込み、その血で色を出したという伝説もあります。
陶磁器の赤い色には辰砂の他に「赤絵」がありますが、赤絵は上絵付けであり、深紅色というよりも朱色に近いものです。辰砂は他の陶磁器にはない、吸い込まれるような深い紅色が特長です。深紅色を表す為に必要なものは銅化合物であり、これを磁器釉に混ぜて還元焔で焼成するのですが、わずかな温度の違いで全く別 の色になってしまう程、繊細で難しい技術なんだそうです。

最近では日本でも技術の進歩と共に良いものがみられるようになりました。「ノリタケ」の辰砂はなかなかのものです。
皆さんも良いと思われませんか? 一度「辰砂」をご覧になってみてください。

 

 


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