暮らしの中のちょっとした気遣いが、生活を喜びのあるものに変えます。‘食’も同様。器をちょっと工夫すると、食べることが2倍も3倍も充実します。そんな名脇役の‘器’に恋した、しい葉の主人・椎葉哲夫が綴るコラム。


器もご馳走の正月膳’


おめでたい柄を集めてみました!

皆さんこんにちは。暖冬といわれておりますが、さすがに12月、冬らしくなってきました。もう今年も年の瀬ということで慌ただしい日々を皆さんも送っておられるのではないでしょうか?

年末・年始というのは否応無しにイベントが重なってきます。ご親族やお友達等で集まってクリスマスやお正月を楽しむ機会もあるでしょう(我が家はどうだろうか?)。
今回のお題はそんなお正月に向けて「
器もご馳走の正月膳」でお送りしたいと思います。

お正月等のいわゆる‘おめでたい’場では、おめでたい柄の器が不可欠です。
例えば、松・竹・梅だとか、宝づくしの柄、鶴・亀や紅梅・白梅、それから一富士・二鷹・三茄子なんてのもありますよね。
それぞれいろんなおめでたい意味が込められています。
下の表をご覧ください。

意 味
松・竹・梅
は寒さに強い常緑樹であるということから、神様が宿る木としておめでたい意味を持つ。
は節目があり、とにかく真っ直ぐに伸びることから、「どんなに厳しい状態でも人生を真っ直ぐ進み、 無事健康に節目を迎えられるように」という意味が込められている。
は、冬の間はつぼみの状態でじっと寒さに耐え、春に花を咲かせることから、「どんなに辛い出来事もがんばり乗り越え、その事が実となり花開く」 という意味がある。
宝づくし
吉祥・招福を願う気持ちが形になり着物や器物を飾ってきた。日本の宝尽くしは「如意・宝珠・宝やく・打出の小槌・金嚢・隠蓑・隠笠・丁字・花輪違・金函」などが代表的な文様。
鶴・亀
は千年、は万年といわれるくらい、長寿の意味を持つ。
一富士・二鷹・三茄子
縁起の良い物を順に挙げた(富士は高大、はつかみ取る、茄子は成す)という説や、天下を取った家康の好物を並べたというなど、いろいろある。
紅梅・白梅

口で言わなくても、さり気なく「おめでとう」が表現できる。黙っていても「祝い」が感じられる。こんなおもてなしってイイと思われませんか?“沈黙の美”の表現なんていうのを日本人は好みますが、まさしく器の柄をちょっと工夫するだけでも、立派なおもてなしや美の表現ができるんですね。

でも、なかなかこだわろうとすると、なにから手をつけて良いのやら迷ってしまうのが現実です。どうしても、高価だとか、面 倒臭いといったイメージが頭を過ってしまいますが、そんなことはないんですよ!簡単なところから始められるんです。

例えば、箸置きやお湯飲みから始めてみるのはいかがでしょうか?食卓で一番最初に目の中に飛び込んでくるものは印象に残るものです。小さいですが、上の表に挙げた柄を彩 った箸置きやお湯飲みを使うだけでも、気配りやもてなしの精神を表現できるんです。あとのお皿等はなんでもない物を使って、箸置きだけを際立たせるのも一つの手かもしれませんよ。

器というのはあくまで脇役です。でもお料理の引き立て役という観点からすれば、器もご馳走になるんです。ぜひこの機会に、ご自分なりの正月膳で場を盛り上げ、一年の最初を飾ってみてください。

 


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