暮らしの中のちょっとした気遣いが、生活を喜びのあるものに変えます。‘食’も同様。器をちょっと工夫すると、食べることが2倍も3倍も充実します。そんな名脇役の‘器’に恋した、しい葉の主人・椎葉哲夫が綴るコラム。


黄色


鮮やかな黄色が特徴の
‘交趾(こうち)’

皆さんこんにちは。徐々に空気も冷たくなり、秋を感じさせる日が続きますね。皆さんはどんな秋を楽しんでいらっしゃいますか?

さて、今回お送りするコラムの内容は「黄色」です。つまり器の色をクローズアップしたいと思います。器を楽しむ上で、色や柄は欠かせないものです。皆さんはどんな色の器がお好きでしょうか?
数多くある器の色の中でも「黄色」は特別なんです。

色には、色相(赤、青、黄などの色味)彩 度(鮮やかさ)明度(明るさ)の3つの要素があります。
黄色は彩度、明度とも非常に高く強い印象を与えます。
交通安全標識に黄色がよく使われるのは、その為です。
また、人の気持ちを元気づけ、昂揚させる効果 があります。積極的、前進、決断などポジティブな性格を表します(ずいぶん前ですが、郷ひろみとの破局記者会見の際に、松田聖子が黄色のスーツで現れたのは、とても印象的なファッションでした。)
以上のように、黄色はとても強い性格を持つので、人の心を落ち着けるとか、穏やかにするなどの効果 は望めません(鎮静効果を持つのは、紫、群青など、黄色と補色になる色です。お殿様が病気になると紫の腹巻きをするのはそのせいです)

中国では、方角にそれぞれ色を振り分けています。黄色は天上の色で、とても高貴な色とされています。皇帝以外は黄色の服が許されなかった時代があったというほどでした。(ちなみに地上は紫、北は黒、南は朱、東は青、西は白です)

科学染料が考案される以前は、黄色は染めにくい(定着しにくい)色でした。
中東のカーペット、敷物類で黄色に染まっているのは、サフランの雌蕊(めしべ)から取ったもので非常に高価でした。サフランは香辛料であり、染料であると同時に薬草ですから、サフランで染めたカーペットは体に良いと信じられていました。サフランは今でもたいへん高価なスパイスです。サフランで染めた羊毛は、輝くような山吹色で、非常に深みのある色合いです。

個人的にも「黄色」は私の好きな色です。黄色は飲食店でも「食欲をそそる色」ということで、よく使われる色ですが、それだけ印象が強い色ということですね。
この不景気の時代に落ち込む事も多いですが、こうした色の用い方によっても人は元気づけられたりするんですね。きっと色の効果 は食卓にも反映すると思います。「幸せの黄色いハンカチ」なんていう言葉があるくらいですから、黄色等の明るい色で食卓を彩 られてみたら、きっと家族のだんらんの時間の引き立て役として貢献してくれるでしょう。

 

 


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