暮らしの中のちょっとした気遣いが、生活を喜びのあるものに変えます。‘食’も同様。器をちょっと工夫すると、食べることが2倍も3倍も充実します。そんな名脇役の‘器’に恋した、しい葉の主人・椎葉哲夫が綴るコラム。


‘大山町のNPC運動


今回帰った時に実家からこっそり持ってきた器です。

皆さんこんにちは。お盆に九州の実家に帰りました。
場所は長崎県の波佐見町というところで「波佐見焼」というのが有名な町です。私の姪夫婦がそこで会社を経営しているのですが、やはりどこも不景気の波で苦戦を強いられているようです。どうにかその波を乗り越えようと姪夫婦はある努力をしていました。今回のお話は、私も共感したその努力に基づくものです。

その努力というのは、大分県大山町という場所の町興しを参考にするというものでした。 そこでは昭和36年から「NPC運動」というものが行われ、今でも大山町の基本理念となっています。 なんにもない人口3,000人余りの小さな町が、今では毎年2月の農閑期に約30人以上の人がハワイへ出かけることができるくらい豊かな町となったんです。

まず1次的なものとして「農業所得の向上」がはかられました。ここにはそれまで特産物と呼ばれるものが何にもなく、梅と栗による農業改革により所得を向上させようというもので、この時のキャッチフレーズが「梅栗植えてハワイへ行こう」というものでした。実際に昭和40年から今に至るまでその言葉が現実となっています。

そして2次的なものとして「人づくり」がコンセプトとされました。町にとって大切なのは所得の追求だけでなく、住民があたたかい隣人愛に恵まれ、豊かな教養をもって暮らすことだということです。実際的な取り組みがなされ、様々な行事や体験を通 して町民が一同に集い、共通の話題を持ち、人同士のつながりが深まったということです。

さらに3つ目は「町の利便性の追求」です。農村であっても都市並の便利な生活環境を享受するというのがその目的で、現在に至るまでその努力がなされているとのことです。

このように、町の人々が一丸となって目標に向かって努力したことが、良い結果 につながったというお話でしたが、私たちにも教訓となることがたくさん含まれていたと思います。
例えば、どんな仕事をするにしても今良ければいいというものではなく、将来を見据えた仕方で、後代の人たちに何か少しでも良いものを残せるようなことをしていかなくてはならないなと思いました。
焼き物に関してもそうですが、伝統や今までの技術に過度に固執することなく、若い人たちの新しい発想やアイディアも取り入れて行かなければならないと感じました。実際今があるのは今までの人々ががんばってきてくれたおかげなんですからね!

それが今回の旅行を通してたいへん勉強になった事です。

 


ホームへ | しい葉のページへ


Copyright© MIZUTANI Co.