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秋になると、月やウサギのモチーフがあちらこちらで目につきます。今回はそんな「月兎」の柄について取り上げたいと思います。
食器や酒器等に月やウサギの柄が入っていると、何となく遊び心が感じられて楽しい気分にさせてくれます。ウサギは可愛らしいイメージがありますから、女性をはじめ男性にも愛される柄となっています。
それだけでなく、ウサギは昔より「飛躍する」といわれ、また「月(ツキ)」を呼ぶ、「ツキ・運」を招くとされ、その絵柄は縁起のよいものとされています。
昔からウサギは月に住んでいると信じられてきましたが、「月兎」の起源は古く、古代インドのジャータカ神話の中に出てくるようです。そのお話をご紹介します。
「昔、ウサギとキツネとサルの三匹が仲良く暮らしておりました。三匹は前世の行いが悪いから今は動物の姿になっているので、
世のため人のためになるような良いことをしようといつも話し合っておりました。
帝釈天はこの話を聞いていて何か良いことをさせてあげようと、老人の姿になって三匹の前に現れました。三匹は老人のために色々世話をしてあげました。サルは木に登って果
物や木の実を採ってきてあげました。キツネは川の魚を採ってきてあげました。
しかしウサギにはこれといった特技がありませんでした。ウサギは老人にたき火をしてもらい『私には何の特技もありませんので、せめて私の身を焼いてその肉を召し上がってください』と言うや、火の中に飛び込んで黒こげになってしまいました。
これを見た老人は帝釈天の姿に戻り『お前たち三匹はとても感心なもの達だ。きっとこの次に生まれ変わったときには人間として生まれてくるようにしてあげよう。特にウサギの心がけは立派なものだ。この黒こげになった姿は永遠に月の中に置いてあげることにしよう』といいました。」
古来中国でも、ウサギは月の世界で不老不死の霊薬をつき続ける月の精とされていました。それが日本にも伝わり、月とウサギの組み合わせが親しまれるようになったということです。
昔は月にウサギが住んでいるという人々の「ロマン」もあったことでしょう。今はロケットで月にいける時代ですから、なかなかそんな夢を見ることもできませんが…、それでも秋の夜長にゆっくりと、空を見上げて月を眺める余裕くらいは持ちたいものですね。ぜひ秋を楽しんで下さい。
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