暮らしの中のちょっとした気遣いが、生活を喜びのあるものに変えます。‘食’も同様。器をちょっと工夫すると、食べることが2倍も3倍も充実します。そんな名脇役の‘器’に恋した、しい葉の主人・椎葉哲夫が綴るコラム。


‘江戸切子’

 
 

七宝

   

六角籠目

八角籠目
 

テレビニュースを見ていると、犯罪や事件の報道が絶えません。文明が急速に進歩して便利な世の中になっていくはずなのに、どうしてなんでしょうか?

確かに新しいものは大事です。しかし、この国には受け継いでいかなければならない「伝統」もたくさんあるんです。今回は、日本の誇る伝統技術の中の一つ「江戸切子」をご紹介したいと思います。

江戸時代後期、江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛が手掛けた切子細工が今日の江戸切子の始まりと言われています。町民文化の中で育まれた江戸切子は、江戸時代のおもかげを色濃く残し、優れた意匠や技法の数々は、現代に至る約160年以上の間、切子職人たちによって受け継がれてきました。当時からよく使われた切子模様が一般 的に「江戸切子」と呼ばれているものです。

江戸時代から伝わるこの技術は、修得するために何十年もの年月を必要とします。それにはいくつもの条件があり、数々の厳しい審査を経て江戸切子の伝統工芸士となることができるのです。

現在の「なんでも簡単にできて、簡単に捨ててしまう風潮」の中で、こうした伝統を大切にすることは本当に大事なことだと考えさせられました。私も器を売る人間として、これからの若い世代に、このすばらしい日本の伝統技術の精神を引き継いでいってもらいたいなと感じました。

もちろんそこに新しい発想が加われば、もっとすばらしいものがそこに生まれると考えています。

 

 


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