早春賦の歌詞の通り「春は名のみの風の寒さや・・」立春過ぎてから  中旬にかけて最も寒い。しかし日本各地で豪雪がニュースになる時 浜松は風花がニュースになる。暖かな土地に暮らすことの幸せを感じる のである。先日「梅と桜が一緒に咲いて・」と聞いたばかりだがやはり 2月。侮ってはいけない。この冬一番の寒気が、各地に豪雪をもたらした 朝、我が家近くの畑にもうっすらと雪が積もっていた。

 節分、下町に育った私の節分の思い出は、手ぬぐいを縫い合わせて袋に し、それを持って各家で撒くお菓子を拾い歩いた事。隣町まで大勢で夜の 町を走って回ったものだ。自宅でも当然豆撒きをした。最初に家の東西南北に 「鬼は〜外、福は〜内」と豆を撒く儀式?をし、いよいよ狭い6畳間にぎっし り集まって喚声をあげる子供達にお菓子や豆は勿論、時にはみかん、殻付き らっかせいそして、紙に包んだ5円玉までが撒かれたと思う。手ぬぐいの袋は すぐにお菓子でいっぱいになり、新しい袋を持って又次の家へ。豆まきの次の 日はふくれあがった手ぬぐいの袋がいくつも部屋にころがっていて、何日も かけ、おやつで食べたが、食べるより拾う楽しみの方が多かったのだと思う。

 子供の頃住んでいた家の近くに小さなお菓子屋さんがあり、節分近くになると 節分用のお菓子の大売出しが始まる。日頃は目立たないその店が俄然元気になり 大きな音で流行歌を流し、店頭が賑わう。寒い自分の部屋で流行歌を聞くたびに 節分を身近に感じた。

 「恵方巻きを食べる」風習は私の子供の頃には知らなかったが、商魂逞しい方々が囃し立て、新しい形の節分を提案しているとしても、それはそれで、日本古来 の風習が生活に根付く手段と思えばいいんじゃないかしら

 



 

「槐」  内山 紀美  

 

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