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大きな開口の古い鉄瓶を買った。早速、店のストーブにかけ、しゅんしゅんとお湯を沸かしお酒の燗をつけてみた。1合徳利で4本同時に燗をつけることが出来る大きな開口。ストーブの周りだけレトロな雰囲気。(燗をつけてる人間も・・?)
お酒の燗をつけるには湯せんに限る。当然、店でも鍋にお湯を張りお客様のお好みの燗加減で召し上がっていただいている。この時季、湯豆腐や牡蠣鍋で飲む‘銀露’の燗酒は何ともおいしい。燗酒の効用は日本酒の微妙な味を呼びさまし飲み口をふくらませ、まろやかに調和してくれることにある。個人的にはやや熱燗(50度前後)が好みだが、酒の種類によって又その時の料理によって多少変化する。
日本酒は飲用温度の幅が広い。同じお酒でも温度の違いで様々な表現を見せてくれる。例えば先の‘銀露’(店で出している天神蔵仕込みの酒)を冷温から熱燗まで飲み比べてみたとしよう。冷温ではサラサラとした口当りと新鮮な酸味を感じ、常温では旨み、コク、キレが調和しふくらみも感じる。ぬ
る燗は更に後味の余韻もあるが、熱燗になるとやや辛味が増し、キレの良さが目立つ。私はこのキレの良さが好きだ。
‘銀露’は、アルコール度15〜16度、日本酒度+9、辛口の酒であるが、個人的にもこれだけ温度による味の差を感じるわけだから、料理や飲む時間、又飲む相手や場所、飲む器等々が条件として加われば一層、複雑で微妙なお酒の味に出会えるということだ。とは言っても、くつろぎの為に飲むお酒はもっと単純に、「‘おいしい’‘楽しい’って思えればいいじゃん」・・かもしれないが。
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